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「デンファレの花」
しおりを挟む粉雪がちらほら舞ってる冬が始まった頃。
私はいつもの学校へ行く道で
何も変わらないいつもの道で
不思議な花を見つけた。見たことがない
エメラルドグリーンの花だった。
私はあまりにも珍しいのでその群生地の
ひとつを摘んで学校に持っていった。
放課後に図書室で調べたところ、これは
デンファレという花らしい。
私はそのデンファレという花を横目に
分厚い図鑑を広げ、ふーん。と見ていた。
そして花言葉を目にした。[魅惑]という意味があるらしい。なるほど、確かに人を惹き付けるだけあるなぁとなんだかしみじみ思った。魅惑か。私には無いなあとなんだか
花に負けた気がして少し自己嫌悪した。
でもなんで[魅惑]って言うのにあんなに
隅の方で咲いていたんだろ。と
ふと疑問に思った。私は考えた。
そうか。分かったぞ。魅惑って
前に出るだけじゃないのか。目立つだけが
魅惑じゃないんだ。この花は凄いなあ。
そう呟いて花に微笑み。その華奢な茎を大事に持って家に持ち帰った。
その一輪の花を簡単な花瓶に入れて
自分の部屋に飾った。見ていると
なんだかうっとりしてしまう。
とても魅力的な花だった。
私にも魅力あるのかなあとぼんやり
思った。私のいいところ。絵が得意とか?
うーん。難しいなぁ。何が私の魅惑なんだろ。
そんなことをあの頃に思っていて
今は私の魅惑に惹き付けられ、逆に
私も惹き付けられた人と
そうデンファレの花のような人と
お付き合いすることが出来た。
デンファレの花と出会ってなかったら
こんな感情はなかったんだろうなと
今も私の部屋には、あの
エメラルドグリーンの魅力的な花が
一輪、花瓶にはいっている。
ありがとう。教えてくれて。
ありがとう。出会わせてくれて。
デンファレの花は私の大好きな花になったよ。
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