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春
3年前の出来事
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滝川とは中学3年生で初めて同じクラスになった。
通常1番最初は名簿順で座るもので、その時の席が滝川と隣だった。
そして、前期の委員が一緒になり、自然と話す回数が増えた。
綺麗なアーモンドの形をした大きな瞳が印象に残る、優等生タイプの男子だった。
休み時間には同じハンドボール部の男子たちと集まり、他の男子がふざけているのを側で笑って見ていた。
そんな滝川とは、席替えをしても近くの席や隣になることが多かった。
滝川は本当に優しかった。
私が咳をしていたら、のど飴をくれた。
消しゴムを忘れた日にはもう一つの消しゴムを貸してくれた。
今はもう内容も覚えていないけど、滝川の穏やかな話し方は私を安心させた。
話すのが上手ではない私の話をにこにこと楽しそうにきいてくれた。
そんな滝川に惹かれるのに、時間はかからなかった。
滝川はあまり異性と話すタイプではなかったから、私によく話しかけてくれるのは、少なくても嫌われているわけではないと思っていた。
告白する勇気など持ち合わせていない私は、彼と会話するだけでいっぱいいっぱいで、幸せだった。
あの時までは。
2月に入り、受験も忙しくなる中、学校内はどこか浮ついていた。
理由は簡単だ。
バレンタインデーがあるからだ。
滝川のことを友達に相談すると、彼女は「ぜーったいチョコあげた方がいいよ!絶対滝川は芽衣子が好きだもん!そしたら、高校行ったらいつも一緒にいられるじゃん!」
きゃあきゃあとあまりにも嬉しそうにそう言ってくれるから、私も少し勇気をもらった。
そしてついでに、当時、私の第1志望の高校は、南高ではなく北高だった。滝川も同じ北高を志望していた。
そして勢いに任せてチョコレートケーキを焼き、2月14日当日。
放課後、まだ残っている滝川の姿を確認して私はトイレに行った。
そして教室のドアを開けようとした時、
「津島」
という声が中から聞こえてきた。
自分の話題かと思った途端教室に入りづらくなり、そのままドアから手を離した。
「滝川はもう津島からチョコもらったのかよ?」
クラスメイトの男子の、からかうような声。
「おっ、なんだ付き合うのか?」
どうやら中には複数の男子がいるらしい。
やめてほしいと思いながらも、滝川がどんな返事をするのか気になって仕方がない。
「え、なんで?」
でも、聞こえてきたのはいつもの穏やかな声じゃない、低い温度のない声だった。
「ははっ!照れんなよー!」
「そうだよ!いっつも楽しそうに話しててさー!」
そう言って楽しそうに笑うクラスメイトたち。
すると彼は冷たくこう言い放った。
「はー?津島ー?あんな地味なやつ、一緒にいても全然楽しくねーし!」
頭に大きな石をぶつけられた気分だった。
心臓がどくどくと嫌な音を立てている。
私と話すとき、滝川はいつも笑顔だから、楽しいと思ってくれてると思ってた。
よく話しかけてくれるから、嫌われてないと思ってた。
でも、それは全部私の勘違い。
全部私の思い込み。
どうやら私は思い上がっていたようだ。
相変わらず嫌な音を立てる心臓をおさえて、私はふらふらとその場を去った。
「いたっ!」
ドンっと衝撃が起きて、転びそうになった私の腕を誰かがつかんだ。
「大丈夫?って津島?」
呼ばれた声に、思わず顔を上げると、となりの席の小田くんが目を丸めて私を見ていた。
「津島…泣いてる?」
戸惑ったようにそう聞かれて初めて、頬に温かいものが流れているのを感じた。
「…あれ?あはは!何でもない何でもないよ!」
ぶんぶんと首をふって、私は走って小田くんの側を離れた。
そしてその足で友達の家に行った。
「どうだったー?」
友達の期待に満ちた笑顔を見て、私はその場で泣き崩れた。
彼女にさっき聞いた話を伝えると、カンカンに怒った。絶対におかしいとも言った。
でも事実は変えられない。
ただ泣き続ける私に彼女はずっと寄り添ってくれた。
そして夜、友達のお父さんに送ってもらい、学校まで荷物を取りに行った。
そして友達と2人で滝川のために作ったチョコレートケーキを食べた。
何度も練習して、何度も味見をしたチョコレートケーキ。
美味しいはずなのに、涙のせいでその味は少ししょっぱかった。
そして私はその日のうちに第1志望校を北高から南高に変えた。
翌日、目を覚ますと異様に視界が狭かった。
鏡に映る自分の醜さに、思わず「ひっ」と声がもれたほどだ。
泣きすぎて全体的に赤らんだ顔、なんだか鼻も広がってるし、目は普段の半分くらいの大きさしかない。
真面目で小心者の私は休むという選択肢を取ることはどうしてもできなくて、急いで目を冷やし、登校までにはなんとか大丈夫な顔に戻すことができた。
もちろん学校に行きたくない。
同じクラスには滝川がいるし、滝川と話していたクラスメイトもいる。
あの後みんながどんな話をしたかなんて怖くて知りたくもない。
きっと私のことをからかっていたに違いない。
重い心と体を引きずりながら学校に向かう。
昇降口に着き、靴を履き替えていると、
「津島」
前までは名前を呼ばれるのが嬉しくて仕方なかったあの声が聞こえてきた。
だが今は、彼の方を見るのが怖い。
なんで話しかけてくるの?
私と話しても楽しくないんでしょう?
相変わらず心臓はドクドクと嫌な音を立てている。
でも彼は昨日の話を私に聞かれてたとは知らないから。
普通にしなきゃ、普通に。
「お、おはよう滝川」
なんとか滝川の方を向いて、あいさつして、そのまま私は駆け足で教室へと向かった。
彼がその時、どんな顔をしていたかも知らずに。
幸い今、滝川は隣の席ではなく斜め後ろの席にいる。
教室に入った私はまっすぐに自分の席に座り、即座に参考書を開いた。
誰もが受験について敏感になっているこの頃、参考書を開いている人に話しかける人は誰もいない。
休み時間に入るたび、すぐに参考書を開いた。
目線を上げるのが怖かった。
授業が終わって、友達が「一緒に帰ろう」と迎えに来てくれた。
それに頷き、席を立つと、
「津島」
また、滝川の声が聞こえた。
…一体なんだと言うのだろう。
昨日、私のことを悪く言っていたのに、なんで普通に話しかけられるの?
怒りやら悲しみやらよく分からない感情が私を支配してどうしても滝川の方を見ることができない。
「…私たち、急いでるから。」
そんな私を見かねてか、普段穏やかな友達は想像できないほど突き放した声を出し、私の手をつかんで廊下に連れ出してくれた。
それからも時々滝川から話しかけられたけど、「ごめん、忙しい。」と彼を避けた。
今思えば、とても幼稚で失礼だ。滝川にも何か事情があったかもしれないのに。
そうこうしているうちに、公立受験も始まり、卒業式の練習も始まり、滝川が私に話しかけることもなくなった。
卒業式の日、帰ろうと思い靴箱を開けると、「ごめん」と書いた紙切れが私の靴の上に置いてあった。
名前は無かった。でも、それが滝川からだということはすぐに分かった。
何がごめんなんだろう。
滝川と過ごした穏やかで幸せな時間と、そして隠れて聞いたあの言葉を思い出し、私は泣いた。
そして淡い恋心と共に、滝川のことを心の奥にしまい込んだ。
通常1番最初は名簿順で座るもので、その時の席が滝川と隣だった。
そして、前期の委員が一緒になり、自然と話す回数が増えた。
綺麗なアーモンドの形をした大きな瞳が印象に残る、優等生タイプの男子だった。
休み時間には同じハンドボール部の男子たちと集まり、他の男子がふざけているのを側で笑って見ていた。
そんな滝川とは、席替えをしても近くの席や隣になることが多かった。
滝川は本当に優しかった。
私が咳をしていたら、のど飴をくれた。
消しゴムを忘れた日にはもう一つの消しゴムを貸してくれた。
今はもう内容も覚えていないけど、滝川の穏やかな話し方は私を安心させた。
話すのが上手ではない私の話をにこにこと楽しそうにきいてくれた。
そんな滝川に惹かれるのに、時間はかからなかった。
滝川はあまり異性と話すタイプではなかったから、私によく話しかけてくれるのは、少なくても嫌われているわけではないと思っていた。
告白する勇気など持ち合わせていない私は、彼と会話するだけでいっぱいいっぱいで、幸せだった。
あの時までは。
2月に入り、受験も忙しくなる中、学校内はどこか浮ついていた。
理由は簡単だ。
バレンタインデーがあるからだ。
滝川のことを友達に相談すると、彼女は「ぜーったいチョコあげた方がいいよ!絶対滝川は芽衣子が好きだもん!そしたら、高校行ったらいつも一緒にいられるじゃん!」
きゃあきゃあとあまりにも嬉しそうにそう言ってくれるから、私も少し勇気をもらった。
そしてついでに、当時、私の第1志望の高校は、南高ではなく北高だった。滝川も同じ北高を志望していた。
そして勢いに任せてチョコレートケーキを焼き、2月14日当日。
放課後、まだ残っている滝川の姿を確認して私はトイレに行った。
そして教室のドアを開けようとした時、
「津島」
という声が中から聞こえてきた。
自分の話題かと思った途端教室に入りづらくなり、そのままドアから手を離した。
「滝川はもう津島からチョコもらったのかよ?」
クラスメイトの男子の、からかうような声。
「おっ、なんだ付き合うのか?」
どうやら中には複数の男子がいるらしい。
やめてほしいと思いながらも、滝川がどんな返事をするのか気になって仕方がない。
「え、なんで?」
でも、聞こえてきたのはいつもの穏やかな声じゃない、低い温度のない声だった。
「ははっ!照れんなよー!」
「そうだよ!いっつも楽しそうに話しててさー!」
そう言って楽しそうに笑うクラスメイトたち。
すると彼は冷たくこう言い放った。
「はー?津島ー?あんな地味なやつ、一緒にいても全然楽しくねーし!」
頭に大きな石をぶつけられた気分だった。
心臓がどくどくと嫌な音を立てている。
私と話すとき、滝川はいつも笑顔だから、楽しいと思ってくれてると思ってた。
よく話しかけてくれるから、嫌われてないと思ってた。
でも、それは全部私の勘違い。
全部私の思い込み。
どうやら私は思い上がっていたようだ。
相変わらず嫌な音を立てる心臓をおさえて、私はふらふらとその場を去った。
「いたっ!」
ドンっと衝撃が起きて、転びそうになった私の腕を誰かがつかんだ。
「大丈夫?って津島?」
呼ばれた声に、思わず顔を上げると、となりの席の小田くんが目を丸めて私を見ていた。
「津島…泣いてる?」
戸惑ったようにそう聞かれて初めて、頬に温かいものが流れているのを感じた。
「…あれ?あはは!何でもない何でもないよ!」
ぶんぶんと首をふって、私は走って小田くんの側を離れた。
そしてその足で友達の家に行った。
「どうだったー?」
友達の期待に満ちた笑顔を見て、私はその場で泣き崩れた。
彼女にさっき聞いた話を伝えると、カンカンに怒った。絶対におかしいとも言った。
でも事実は変えられない。
ただ泣き続ける私に彼女はずっと寄り添ってくれた。
そして夜、友達のお父さんに送ってもらい、学校まで荷物を取りに行った。
そして友達と2人で滝川のために作ったチョコレートケーキを食べた。
何度も練習して、何度も味見をしたチョコレートケーキ。
美味しいはずなのに、涙のせいでその味は少ししょっぱかった。
そして私はその日のうちに第1志望校を北高から南高に変えた。
翌日、目を覚ますと異様に視界が狭かった。
鏡に映る自分の醜さに、思わず「ひっ」と声がもれたほどだ。
泣きすぎて全体的に赤らんだ顔、なんだか鼻も広がってるし、目は普段の半分くらいの大きさしかない。
真面目で小心者の私は休むという選択肢を取ることはどうしてもできなくて、急いで目を冷やし、登校までにはなんとか大丈夫な顔に戻すことができた。
もちろん学校に行きたくない。
同じクラスには滝川がいるし、滝川と話していたクラスメイトもいる。
あの後みんながどんな話をしたかなんて怖くて知りたくもない。
きっと私のことをからかっていたに違いない。
重い心と体を引きずりながら学校に向かう。
昇降口に着き、靴を履き替えていると、
「津島」
前までは名前を呼ばれるのが嬉しくて仕方なかったあの声が聞こえてきた。
だが今は、彼の方を見るのが怖い。
なんで話しかけてくるの?
私と話しても楽しくないんでしょう?
相変わらず心臓はドクドクと嫌な音を立てている。
でも彼は昨日の話を私に聞かれてたとは知らないから。
普通にしなきゃ、普通に。
「お、おはよう滝川」
なんとか滝川の方を向いて、あいさつして、そのまま私は駆け足で教室へと向かった。
彼がその時、どんな顔をしていたかも知らずに。
幸い今、滝川は隣の席ではなく斜め後ろの席にいる。
教室に入った私はまっすぐに自分の席に座り、即座に参考書を開いた。
誰もが受験について敏感になっているこの頃、参考書を開いている人に話しかける人は誰もいない。
休み時間に入るたび、すぐに参考書を開いた。
目線を上げるのが怖かった。
授業が終わって、友達が「一緒に帰ろう」と迎えに来てくれた。
それに頷き、席を立つと、
「津島」
また、滝川の声が聞こえた。
…一体なんだと言うのだろう。
昨日、私のことを悪く言っていたのに、なんで普通に話しかけられるの?
怒りやら悲しみやらよく分からない感情が私を支配してどうしても滝川の方を見ることができない。
「…私たち、急いでるから。」
そんな私を見かねてか、普段穏やかな友達は想像できないほど突き放した声を出し、私の手をつかんで廊下に連れ出してくれた。
それからも時々滝川から話しかけられたけど、「ごめん、忙しい。」と彼を避けた。
今思えば、とても幼稚で失礼だ。滝川にも何か事情があったかもしれないのに。
そうこうしているうちに、公立受験も始まり、卒業式の練習も始まり、滝川が私に話しかけることもなくなった。
卒業式の日、帰ろうと思い靴箱を開けると、「ごめん」と書いた紙切れが私の靴の上に置いてあった。
名前は無かった。でも、それが滝川からだということはすぐに分かった。
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