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春
どうかもう一度…
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「お!圭くんまたシュート入れたね!」
ただ今2点差で圭ちゃんたち北高がリードしている。
私は今日、圭ちゃんと七瀬くんを観に来たのに。
否応なしに滝川が目に入り、疑問が湧いてくる。
なんでバスケ部にいるの?中学の頃はハンドボール部だった。
メモの「ごめん」はどういう意味?
滝川がバスケ部にいると知っていたら、圭ちゃんには悪いけど、観に来なかったのに。
心臓がずっとドクドクと嫌な音を立てている。
早くこの場から離れたい。
滝川から離れたい。
一回好きな人に否定されただけで、何年たっても覚えている私は心が狭いし弱いと思う。
でも…
早く終わって。という私の願いが届いたのか、試合は北高がリードしたまま幕を閉じた。
「めいちゃーん!勝ったよー!」
爽やかな汗をまき散らしながらキラキラ笑顔でそう言う圭ちゃんに私も笑顔を返す。
「見てたよ!圭ちゃんかっこよかった!」
本当はあまり集中できなかったけど。
「やったー!ミーティング終わったらすぐそっち行くから待っててね!」
北高のベンチを指差す圭ちゃんに頷き返して、圭ちゃんの近くから感じる視線は無視する。
「りっか、ごめん、圭ちゃん来たらゼリーとお弁当、一緒に食べててくれる?」
ちょっと外の空気吸ってくる。
そう言った私をりっかはじっと見つめた後、
「ん、ゆっくりしておいで。」
優しい笑顔を浮かべた。
りっかは時々強引だけど、こういう時はそっとしていてくれる。
きっと私が何かを隠していることは分かっている。
無理にそれを聞かず、そばにいてくれる彼女に感謝して、私は席をたった。
体育館を出ると、少しじめっとした匂いと生暖かい風を肌に感じる。
じめじめじめじめ。
まるで私の心を表してるみたい。
ふらりと歩き続けた私はお世話している花壇にたどり着き、そのまま側に座り込んだ。
相変わらず今日もお花たちは綺麗だ。
滝川から離れたくて出てきたのに、今頭の中は滝川でいっぱいだ。
滝川、なんだか大人びた顔になってたな。
背はどれくらい伸びたんだろう。
そう。私は彼のたった一言で自分の心を閉じたのだ。
彼との思い出はいつもどれも優しかったのに。
バレンタインデーの後、彼を無視し続けた私はきっと、滝川よりもひどい。
それでも…
私のことを否定する言葉を滝川の口から聞きたくなかった。
だって、好きだったんだもん。
私にとって滝川は特別で誰よりも好かれたい人だったんだもん。
こんな考えの堂々巡りを何回繰り返しただろう。
「君はいいね。何も考えなくてよくて。」
ふうーっとため息をついて何も悪くないポピーの花に八つ当たりする。
今日は圭ちゃんと七瀬くんの姿を楽しみにしてたのに。
じめじめじめじめ。
またもや終わらない堂々巡りにため息をついていると、
「津島」
懐かしい、でも昔より低くなった声が私を呼んだ。
想像していなかった事態に体がこわばるのが分かる。
うつむいたまま動けないでいると、
「津島」
もう一度呼ばれた。
振り向かないでも分かる。
私はきちんと向き合わなければいけないのだ。
そして、前に進まないといけない。
いや、進みたい。
もうあの頃にしばられるのは嫌だから。
大きく息を吐き出し、下を向いたまま笑みを作る。
「…滝川、久しぶり。」
そして振り向いた先には、意思の強そうな瞳を潤ませて、困ったように笑っている彼がいた。
ただ今2点差で圭ちゃんたち北高がリードしている。
私は今日、圭ちゃんと七瀬くんを観に来たのに。
否応なしに滝川が目に入り、疑問が湧いてくる。
なんでバスケ部にいるの?中学の頃はハンドボール部だった。
メモの「ごめん」はどういう意味?
滝川がバスケ部にいると知っていたら、圭ちゃんには悪いけど、観に来なかったのに。
心臓がずっとドクドクと嫌な音を立てている。
早くこの場から離れたい。
滝川から離れたい。
一回好きな人に否定されただけで、何年たっても覚えている私は心が狭いし弱いと思う。
でも…
早く終わって。という私の願いが届いたのか、試合は北高がリードしたまま幕を閉じた。
「めいちゃーん!勝ったよー!」
爽やかな汗をまき散らしながらキラキラ笑顔でそう言う圭ちゃんに私も笑顔を返す。
「見てたよ!圭ちゃんかっこよかった!」
本当はあまり集中できなかったけど。
「やったー!ミーティング終わったらすぐそっち行くから待っててね!」
北高のベンチを指差す圭ちゃんに頷き返して、圭ちゃんの近くから感じる視線は無視する。
「りっか、ごめん、圭ちゃん来たらゼリーとお弁当、一緒に食べててくれる?」
ちょっと外の空気吸ってくる。
そう言った私をりっかはじっと見つめた後、
「ん、ゆっくりしておいで。」
優しい笑顔を浮かべた。
りっかは時々強引だけど、こういう時はそっとしていてくれる。
きっと私が何かを隠していることは分かっている。
無理にそれを聞かず、そばにいてくれる彼女に感謝して、私は席をたった。
体育館を出ると、少しじめっとした匂いと生暖かい風を肌に感じる。
じめじめじめじめ。
まるで私の心を表してるみたい。
ふらりと歩き続けた私はお世話している花壇にたどり着き、そのまま側に座り込んだ。
相変わらず今日もお花たちは綺麗だ。
滝川から離れたくて出てきたのに、今頭の中は滝川でいっぱいだ。
滝川、なんだか大人びた顔になってたな。
背はどれくらい伸びたんだろう。
そう。私は彼のたった一言で自分の心を閉じたのだ。
彼との思い出はいつもどれも優しかったのに。
バレンタインデーの後、彼を無視し続けた私はきっと、滝川よりもひどい。
それでも…
私のことを否定する言葉を滝川の口から聞きたくなかった。
だって、好きだったんだもん。
私にとって滝川は特別で誰よりも好かれたい人だったんだもん。
こんな考えの堂々巡りを何回繰り返しただろう。
「君はいいね。何も考えなくてよくて。」
ふうーっとため息をついて何も悪くないポピーの花に八つ当たりする。
今日は圭ちゃんと七瀬くんの姿を楽しみにしてたのに。
じめじめじめじめ。
またもや終わらない堂々巡りにため息をついていると、
「津島」
懐かしい、でも昔より低くなった声が私を呼んだ。
想像していなかった事態に体がこわばるのが分かる。
うつむいたまま動けないでいると、
「津島」
もう一度呼ばれた。
振り向かないでも分かる。
私はきちんと向き合わなければいけないのだ。
そして、前に進まないといけない。
いや、進みたい。
もうあの頃にしばられるのは嫌だから。
大きく息を吐き出し、下を向いたまま笑みを作る。
「…滝川、久しぶり。」
そして振り向いた先には、意思の強そうな瞳を潤ませて、困ったように笑っている彼がいた。
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