燃ゆるローマ  ――夜光花――

文月 沙織

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終わらぬ夜 一

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「おい、まさか死んでないだろうな?」
 最初に口を開いたのはアウルスだった。
「以前、薬をあたえて、もてあそんだ奴隷娘は、終わったあと死んでいたからな」
 メロペも不審そうに、ディオメデスの胸に身を預けるようにして伏しているリィウスを覗きこむ。
「まさか。……ほら、ちゃんと生きている」
 腰のあたりを軽くたたくと、リィウスは「うう……ん」とかすかに反応を見せる。
「起こさないのか?」
 催促するようなメロペの言葉に、ディオメデスは首を振った。
「もう少しこうしていよう」
「優しいな」 アウルスが苦笑する。
「なんといっても今夜は初夜だからな。新妻には優しくしてやりたい」
 言葉を実行するように、剝きだしのリィウスの背をつつみこむように両手でやさしく抱きしめた。リィウスはまだ目を覚まさない。
 このままそっと寝かせてやりたい、という自分でも驚くような甘い気持ちと、どうあってもおさめることのできない欲望のはざまで、しばしディオメデスは逡巡した。
 そして、やはり、というか当然のごとく欲望が勝った。
 意識の戻らないリィウスの唇に、接吻する。
「んん……」
 最初は優しく、丁寧に、やがては熱をこめて激しく。
 二人はちょうど座位で向かいあう形になっている。ディオメデスは、自分の腰を、開かせたリィウスの脚で挟み込むようにさせる。
「んん……」
 まだ夢のなかに墜ちていたリィウスだが、さすがに少し気を取り戻したようで、半開きの目がさまようように辺りを見回した。
「は……あ……」
「気づいたか?」
「ん……。ああ!」
 すでに細い脚は閉じれないようにされていることを自覚したようだ。
「あっ、ああっ……」
 これからされることを予期して、リィウスは狼狽と困惑の表情を見せる。その哀れにうろたえた顔がなんともディオメデスの欲をそそる。
「いい子にしていろ。痛くはしない」
「い、いや! や、やめてくれ!」
 買われた身であることも忘れて、リィウスがまたも子どものように、首を横にふる。
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