94 / 360
六
しおりを挟む
挫けた心や、完全に砕けそうになった一歩手前の自尊心を揺さぶったのか。
「ち、ちがう!」
「こら……」
ディオメデスは苦笑した。
完全に不利なこの状況で、尚も自分にあらがおうという膝の上の愚かで可憐な男娼が愛しくてならない。そう、ディオメデスはリィウスを愛しい、と思っているのだ。だが、そのことに当人は気づいていなかった。
「は、放せ!」
「おい」
無我夢中で抗ってくる相手を強く抱きしめ、抑え込んだ。まったく油断ならない。
逃げることは許さない。すでに、許せないところまできているのだ。
「はなせ!」
「ここまでして逃がすか」
「ああ、いや!」
ぐっ、と腕の内に抑えこんだ相手を、さらに深く穿つようにすると、相手は無念の悲鳴をあげた。
「はぁぁぁぁぁっ……」
すでに限界寸前まできていたのは二人とも同じだ。
ディオメデスはおのれの動きに合わせて、リィウスのまだ初心な象徴に右手で愛撫をほどこす。
「はぁっ、ああっ、あああっ」
死にものぐるいでリィウスの身体がしなる。それをまた力をこめて抑えこみながら、ディオメデスはおのれの腰にいっそう力を入れる。
「いいか? いくぞ」
「いや、いや! いやぁぁぁぁ!」
女のように悲しい悲鳴をあげて、リィウスが首を横にふる。いじらしい、という想いと欲しい、という想いにディオメデスは発火しそうだった。
「駄目だ。いくぞ」
これ以上は到底もたない。
「あああああ!」
リィウスが絶望的な声をはなった瞬間、ディオメデスはその項に顔をうずめていた。
甘い匂いに酔いそうになった。
「ち、ちがう!」
「こら……」
ディオメデスは苦笑した。
完全に不利なこの状況で、尚も自分にあらがおうという膝の上の愚かで可憐な男娼が愛しくてならない。そう、ディオメデスはリィウスを愛しい、と思っているのだ。だが、そのことに当人は気づいていなかった。
「は、放せ!」
「おい」
無我夢中で抗ってくる相手を強く抱きしめ、抑え込んだ。まったく油断ならない。
逃げることは許さない。すでに、許せないところまできているのだ。
「はなせ!」
「ここまでして逃がすか」
「ああ、いや!」
ぐっ、と腕の内に抑えこんだ相手を、さらに深く穿つようにすると、相手は無念の悲鳴をあげた。
「はぁぁぁぁぁっ……」
すでに限界寸前まできていたのは二人とも同じだ。
ディオメデスはおのれの動きに合わせて、リィウスのまだ初心な象徴に右手で愛撫をほどこす。
「はぁっ、ああっ、あああっ」
死にものぐるいでリィウスの身体がしなる。それをまた力をこめて抑えこみながら、ディオメデスはおのれの腰にいっそう力を入れる。
「いいか? いくぞ」
「いや、いや! いやぁぁぁぁ!」
女のように悲しい悲鳴をあげて、リィウスが首を横にふる。いじらしい、という想いと欲しい、という想いにディオメデスは発火しそうだった。
「駄目だ。いくぞ」
これ以上は到底もたない。
「あああああ!」
リィウスが絶望的な声をはなった瞬間、ディオメデスはその項に顔をうずめていた。
甘い匂いに酔いそうになった。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる