燃ゆるローマ  ――夜光花――

文月 沙織

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「今日はお客が来るからね。のんびりしていられないわよ。寝台の上で四つん這いになって」
 屈辱に頬を熱くしながらも、リィウスは言われた通りにしようとする。だが、動きがひどく遅いのが自分でもわかる。
「なにしているのよ、衣を脱がないと駄目でしょう? 察しが悪いわねぇ」
 悔しくとも悲しくとも、言われたとおりにするしかない。リィウスは唇を噛みしめたまま帯紐をほどき、床上に落とした。
「本当に白い肌ね」
 タルペイアが満足そうな笑みを浮かべる。おのれに捧げられた供物をながめる夜の女神、魔女の女王のように。
 左右の二人に持たせていた長い棒と絹紐を受けとると、手際よくリィウスを戒めにかかる。左右の二人もそれに助勢する。さすがにリィウスはうろたえた。
「あ……な、なにを……」
「客をすぐ迎えられるように準備をしておくのよ。そういう言いつけなのでね」
「くぅ……」
 リィウスは気位を踏みつけにされ恥辱にうめきながらも、なすすべなく、三人の娼婦たちの手によって両腕を背でしばられ、両脚をひろげて膝をついたかたちで足首をしばられ、あっという間に身動きできない姿勢にされてしまった。
 タルペイアの息を吐く音が響く。
「ああ……色っぽいわ。紫の紐がおまえの白い肌に似合っているわね。……本当に、なんて白い美しい肌なの。うちの娘たちのなかにもこんな綺麗な肌はいないわ。リィキンナ、ベレニケ、よく拝ませてもらいなさいよ」
「ああ……」
 迫ってくる女たちの熱気を肌で感じて、リィウスは羞恥にあえいだ。
「本当に……きれい」
 リィキンナがこぼした感嘆の溜息が臀部にかかり、リィウスは寝台に顔をうずめた。異性と情を交わしたことは勿論、親しく会話したことさえないリィウスに、この状況はあまりにも異常だった。
「白絹のよう。ああ、肌触りも素晴らしいわ。こんな身体に触れてしまったら、男はもう手放せなくなるわよ。羨ましい……。ねぇ、ベレニケもそう思うでしょう?」
「そうね」
 ベレニケの方はそっけない。
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