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六
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ぎりぎりと、歯を食いしばり、どうにかしてこの拷問から逃れようと身をよじらせながらも、感じやすい身体は、義弟の指戯に翻弄されつつある。
その巧みな指使いひとつとっても、ナルキッソスがこういったことにかなりの場数を踏んでいることが知れ、それを身に染みて思い知らされたリィウスの絶望は深くなる。
「ああ……! や、やめ……、やめてくれ!」
指の感触に全身が震える。
頭では否定していても、慣らされた身体は、さらなる刺激をもとめて……、おぞましいことに、いつしかリィウスも腰を動かしていた。
額に汗粒が光り、弾ける。
「だ、駄目だ……やめろぉ……」
「ふふふふ。いいの、兄さん、やめても? 兄さんの……ここは、やめないでって言っているよ。欲張りだね、兄さんは」
笑うナルキッソスの顔は、リィウスからは見えないが邪悪そのものだ。
近くでその様子を見ていたタルペイアは目を見張っていた。ナルキッソスの外見に似合わぬ貪欲さや粘着質な面にもおどろいたが、彼女をさらにおどろかせたのは、ナルキッソスが腰紐をほどき、己自身を解放したときだ。
(……あら?)
これも、見た目にそぐわぬものを思わせ、タルペイアは目を凝らしていた。
(この子は……)
タルペイアは記憶をさぐっていた。なんだろう。なにか、ひっかかる。
「はぁっ! ああっ、やめろ! やめろ! 駄目だ、駄目なんだ、ナルキッソス!」
兄弟として暮らし、兄、弟と呼び合った相手に犯されるという、あまりに異常でおぞましい行為に、潔癖なリィウスは耐えられない。神経が破壊されるほどの恐怖に、自身も思いもよらぬ力があふれたようで、命がけで運命にあらがった。
「ああ! 駄目だ!」
「うるさい!」
ナルキッソスの罵声とともに、左右にいた男たちが同時にリィウスの身体をおさえこむ。
もはや、絶体絶命だった。
(ああ……!)
リィウスは、恐怖と絶望に一瞬、意識を手放していた。
その巧みな指使いひとつとっても、ナルキッソスがこういったことにかなりの場数を踏んでいることが知れ、それを身に染みて思い知らされたリィウスの絶望は深くなる。
「ああ……! や、やめ……、やめてくれ!」
指の感触に全身が震える。
頭では否定していても、慣らされた身体は、さらなる刺激をもとめて……、おぞましいことに、いつしかリィウスも腰を動かしていた。
額に汗粒が光り、弾ける。
「だ、駄目だ……やめろぉ……」
「ふふふふ。いいの、兄さん、やめても? 兄さんの……ここは、やめないでって言っているよ。欲張りだね、兄さんは」
笑うナルキッソスの顔は、リィウスからは見えないが邪悪そのものだ。
近くでその様子を見ていたタルペイアは目を見張っていた。ナルキッソスの外見に似合わぬ貪欲さや粘着質な面にもおどろいたが、彼女をさらにおどろかせたのは、ナルキッソスが腰紐をほどき、己自身を解放したときだ。
(……あら?)
これも、見た目にそぐわぬものを思わせ、タルペイアは目を凝らしていた。
(この子は……)
タルペイアは記憶をさぐっていた。なんだろう。なにか、ひっかかる。
「はぁっ! ああっ、やめろ! やめろ! 駄目だ、駄目なんだ、ナルキッソス!」
兄弟として暮らし、兄、弟と呼び合った相手に犯されるという、あまりに異常でおぞましい行為に、潔癖なリィウスは耐えられない。神経が破壊されるほどの恐怖に、自身も思いもよらぬ力があふれたようで、命がけで運命にあらがった。
「ああ! 駄目だ!」
「うるさい!」
ナルキッソスの罵声とともに、左右にいた男たちが同時にリィウスの身体をおさえこむ。
もはや、絶体絶命だった。
(ああ……!)
リィウスは、恐怖と絶望に一瞬、意識を手放していた。
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