昭和幻想鬼譚

文月 沙織

文字の大きさ
46 / 190

禁断遊戯 四

しおりを挟む
「あっ、あっ、待って、待って、望ちゃん! まだ、駄目だって言っているのに!」
(この……! 陰間のくせに)
 身体を重ねながら、望のなかには章一に対して激しい怒りや軽蔑がわいてくる。章一が自分に命令したり指示したりするなど、許せない。
「黙っていろ!」
「ああっ」
 いっそう腰に力を入れ、相手を責めあげた。
「ふぅ……ううっ! うっ……!」
 幼獣のような、悲鳴なのか喘ぎなのかわからぬ声をあげ、章一は四肢をつっぱらせる。背におおいかぶさるようにしていると、章一の興奮と悦楽がうつってきそうだ。本当に章一はこの行為に悦びを感じているのだ。苦しみもあるが、快感が勝っているのかもしれない。
「ふぅ……!」
 この体勢では、相手の顔が見れないのが残念で、望はもどかしい。
 今度は、顔が見れるようにしてやろうと本気で思っていた。
「いいか? いいのか?」
「んっ……んん」
 章一が、こくりと頷いたのが知れる。望も興奮をおさえきれなくなった。
「駄目だ……。ぼ、ぼく、もぉ」
 章一のやるせなさそうな声が鼓膜をとろかす。
 不様だとは思いつつ、望は弾けた。我慢できなかった。
「ううっ!」
 一瞬おくれて、章一もつづく。
 前にまわしていた望の手が、章一の放ったものを受け取る。
 このとき、望は男になった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

身体検査その後

RIKUTO
BL
「身体検査」のその後、結果が公開された。彼はどう感じたのか?

処理中です...