19 / 93
19☆ユオが弱っていく
しおりを挟む
はぁぁぁ。
最近、僕のため息は深い。
出会った瞬間からユオが好きだった。
サフラと呼んでくれる声も、撫でてくれる手も、抱きしめてくれる腕も、見つめてくれる目も、すみっこのはじっこまで全部大好きだった。
僕が彼女を守る気だったし、どんな男がユオに言い寄って来ても渡す気はなかった。
それなのに。当の本人ときたら、何年経っても、僕の姉気分で保護者気分だ。
むちゃくちゃブラコンな姉弟設定というのも良くなかったかもしれない。僕がどんな愛情表現をしても、人目もはばからず倍返しされる勢い。
告白?毎日のようにしてみたとも。
好きだと言っても愛していると言っても、『私も!!』と元気良く返される。
本当に煮詰まって、キス、してみたことだってある。
どうなったかって?・・・・お赤飯なるものを焚かれたよ!
そのユオが、弱っていく。
僕は、気が気じゃなくて、水をかけられる塩の柱にでもなった気分だというのに、あの師匠と来たら!休暇がてら男漁りにいくだぁ?ふざけんなよ。
クローンの寿命がほぼ20年と短い原因は、中央の研究機関でもまだわかっていない。
それでも、最高クラスの能力者になれば大抵の病気は治せるし、歴史上には人形に生命力を注げるほどの手練れもいた。
僕がかなり強引なトレーニングをするのは、早くソレになりたいから。
ユオを丈夫にしたい。
正直、能力的にはそろそろ、というか、随分前から行けると思う。けど、当のユオが嫌がるのだ。人体実験する気かと言って、頑として僕の力を吸わない。
実験なら大量にしたのに!
大物の魔物を狩りすぎてめだつなというから、厄災余波とか、人間とのバトルとかで瀕死になった魔物に力を注いで治癒する方が多いくらい。ゆっとくけど、壊すより治す方が数倍難しいからな!
トレーニング兼ねた実験だったのに、恩義感じてくれる高知能の魔物なんかもいて、逆に申し訳なくなった僕と、一緒に温泉入ったり贈り物合戦になったりするんだぞ。どれだけ腕がいいか分かろうというものでは?
あと、1度だけだけれど、寿命が尽きかけたクローンの女の子を治癒した。その子は、盗難されたクローンだったそうだ。物理的にも傷だらけの生き方だったみたいで、すごく大変だったけれど、たぶん彼女はまだご存命だし、今のユオよりは元気だとおもう。
成果には満足しているけれど、あの時は、本当に最悪だった。
クローンの女の子はもう本当に体の中がスカスカな感じで、ひび割れているみたいに力が漏れていくから。それをふさがなきゃと思って服を脱がして、あちこち転がして。
で、その治癒の最中をユオに見られた。
ユオは、その子と僕が、その・・・いやらしいことをしていると、思ったようだ。
それなのに、ユオは微笑んで、背を向けた。
毎日ユオに告白している僕が、他の女の子と、そう言うことをしていると普通に思うのも、微笑んだのも、背を向けたのも、ぜんぶぜんぶ腹が立つ。
ユオの体が辛そうな時とか、押さえつけてでも治癒してやろうかと思うけど、うちの師匠と来たら、腹が立つほど強いんだ。
あとは、本気でおこらせたらどうしようって、どこかで思っている。一度も本気で怒った顔、みたことないのに、長年の弟子根性がたたって強く出られない。
ぜったいに、どんなことをしてでも、僕は一生ユオと一緒にすごすからな!って、毎日遠吠えながらトレーニングしている。
それなのに、師匠なユオは、毎日のように僕をさぼりに誘ってくる。遊びに行こう、山菜取りに行こう、冷めてもおいしい唐揚げの作り方を開発しよう、と、まぁ、多様な誘惑の数々。
くっそぉ、今日も遊んじゃったじゃないかぁ!!
最近、僕のため息は深い。
出会った瞬間からユオが好きだった。
サフラと呼んでくれる声も、撫でてくれる手も、抱きしめてくれる腕も、見つめてくれる目も、すみっこのはじっこまで全部大好きだった。
僕が彼女を守る気だったし、どんな男がユオに言い寄って来ても渡す気はなかった。
それなのに。当の本人ときたら、何年経っても、僕の姉気分で保護者気分だ。
むちゃくちゃブラコンな姉弟設定というのも良くなかったかもしれない。僕がどんな愛情表現をしても、人目もはばからず倍返しされる勢い。
告白?毎日のようにしてみたとも。
好きだと言っても愛していると言っても、『私も!!』と元気良く返される。
本当に煮詰まって、キス、してみたことだってある。
どうなったかって?・・・・お赤飯なるものを焚かれたよ!
そのユオが、弱っていく。
僕は、気が気じゃなくて、水をかけられる塩の柱にでもなった気分だというのに、あの師匠と来たら!休暇がてら男漁りにいくだぁ?ふざけんなよ。
クローンの寿命がほぼ20年と短い原因は、中央の研究機関でもまだわかっていない。
それでも、最高クラスの能力者になれば大抵の病気は治せるし、歴史上には人形に生命力を注げるほどの手練れもいた。
僕がかなり強引なトレーニングをするのは、早くソレになりたいから。
ユオを丈夫にしたい。
正直、能力的にはそろそろ、というか、随分前から行けると思う。けど、当のユオが嫌がるのだ。人体実験する気かと言って、頑として僕の力を吸わない。
実験なら大量にしたのに!
大物の魔物を狩りすぎてめだつなというから、厄災余波とか、人間とのバトルとかで瀕死になった魔物に力を注いで治癒する方が多いくらい。ゆっとくけど、壊すより治す方が数倍難しいからな!
トレーニング兼ねた実験だったのに、恩義感じてくれる高知能の魔物なんかもいて、逆に申し訳なくなった僕と、一緒に温泉入ったり贈り物合戦になったりするんだぞ。どれだけ腕がいいか分かろうというものでは?
あと、1度だけだけれど、寿命が尽きかけたクローンの女の子を治癒した。その子は、盗難されたクローンだったそうだ。物理的にも傷だらけの生き方だったみたいで、すごく大変だったけれど、たぶん彼女はまだご存命だし、今のユオよりは元気だとおもう。
成果には満足しているけれど、あの時は、本当に最悪だった。
クローンの女の子はもう本当に体の中がスカスカな感じで、ひび割れているみたいに力が漏れていくから。それをふさがなきゃと思って服を脱がして、あちこち転がして。
で、その治癒の最中をユオに見られた。
ユオは、その子と僕が、その・・・いやらしいことをしていると、思ったようだ。
それなのに、ユオは微笑んで、背を向けた。
毎日ユオに告白している僕が、他の女の子と、そう言うことをしていると普通に思うのも、微笑んだのも、背を向けたのも、ぜんぶぜんぶ腹が立つ。
ユオの体が辛そうな時とか、押さえつけてでも治癒してやろうかと思うけど、うちの師匠と来たら、腹が立つほど強いんだ。
あとは、本気でおこらせたらどうしようって、どこかで思っている。一度も本気で怒った顔、みたことないのに、長年の弟子根性がたたって強く出られない。
ぜったいに、どんなことをしてでも、僕は一生ユオと一緒にすごすからな!って、毎日遠吠えながらトレーニングしている。
それなのに、師匠なユオは、毎日のように僕をさぼりに誘ってくる。遊びに行こう、山菜取りに行こう、冷めてもおいしい唐揚げの作り方を開発しよう、と、まぁ、多様な誘惑の数々。
くっそぉ、今日も遊んじゃったじゃないかぁ!!
0
あなたにおすすめの小説
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる