ひどくされても好きでした

白い靴下の猫

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83. ソナとライヒ(※Rというより不快表現入ります)

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ソナは、ライヒが心底不快だった。

世の中には沢山の変態がいるし、パラノイア患者にだって人権はある。
でも、こいつの組み合わせの醜悪さは何なのだろう。

まず頭の中が、徹頭徹尾、人質戦略。
花街で、立場の弱い娘を狙い、その娘を人質に庇護者であるソナをおびき出し、さらにそのソナを人質にミケを呼ぶ。

バトン送りのミケ狙いなので、ソナが何をしようが状況の改善は見込みにくいし、大人しくしていれば済むかと思ったが、そうはいかないようだ。
ライヒという男は、自分が相手を制圧し、相手がおびえているのを確認しないと気が済まない質らしい。
この時点で、ソナは、無傷は無理だなと諦める。

まぁそれでも。はじめに人質にされた娘を放っておけばあっという間に縊り殺された。ソナは碌な目には会わないだろうがミケへの影響を考えるとすぐに殺すには惜しいはず。ミケ単独なら勝ち目が出てくるし、彼女に何かあればパチドが黙っているとは思えない。
状況は改善していくと思おう。

ソナに出来るのは、死なないこと、ミケの指示に従えるレベルの明瞭な意識を保つこと。それくらいだ。

「服を脱げ」

はぁ。これだから、狂犬売りの軍人は嫌いだ。
相手の心を折ることばかりに腐心する。
きっと教科書に、裸に剥けば、恐怖心が増して従順になると書いてあるのだろう。

殴られるだろうから髪飾りを先にはずす。ゴテゴテの飾りに簪をさすタイプなので、頭からふっとんだら頭蓋骨突き破りかねない。
あとは、一気にパパッと脱いだ。
せかされているわけでもないので一応たたんでおくか。

全裸で立ち上がると、ライヒが寄って来た。

バシッ
ガッ
ドカッ

思い切り左の頬をはられ、倒れたところで腹に二発、軍靴で蹴りが入って吹っ飛んだ。

げふ がほっ

カラダが内側に折りたたまれるような激痛で、口に苦い液が逆流する。

「さすが、パチドを客にしていただけあるじゃねーか。継ぎ接ぎの死体相手よりはいい思いをさせてやれると思うぜ」

はられた側の、左の耳がキンキンして聞き取りにくいが、言っている内容はどうせ碌なことではないはずだ。

ソナが無視を決め込むと、ライヒはどんどん激高していく。
怒らせないほうが良いに決まっているのだが、こういうタイプは受け答えだけで消耗する。
自分が嬲り殺した女たちについて自慢げに語るとか、わりと聞くに堪えない。

こんなちんけな勘違い男でも誤解したままのびのび生きられるのだから、男社会というのはずいぶん楽なのだろう。

追加で数発蹴られて、意識が遠のき、気が付いた時には両手が吊り上げられていて、両手首の鉄の輪から伸びたコードが、金属製の箱に繋がっていた。軍が使う拷問道具だ。

「は、変態なわけか」

呟いた途端、顔面を拳固で殴られたので、結構怒らせたのかもしれないが、黙っていても誤差だったと思う。

「敗残国の売春婦風情が生意気な目をするんじゃねぇよ。ムーガルの軍人に敬意を払えるようにきっちり教育してやる」

ぎらついた目でコードがつながった箱の横に立つ。

「末端を教育するより、王都で人気のパチド様にコツを聞いた方が早いでしょうに」

正論を吐いたところで、スイッチが入れられたらしい。

「ぎゃぁあっ、がっ、うううーっ、きぃいーーーっ」

両手首から電気を流され、膝から力が抜けて鎖にぶら下がる。あのにやにや感からするに初めてではない。常習的に遊び道具にしているらしい。クズに優しい職場なことだ。

「ほら、どうした、悪態ついてみろ。そら、そらぁ」

あがぁーーっ
うぐーーっ、
あああああっ

何度も電気を流されて、立つこともできない体が跳ねる。肩の関節が伸びてしまったかもしれない。
腹が立つので、こいつも不快な気分にしてやりたいが、口ががくがくで、しゃべるのは無理そうだ。

黙っていると、ライヒの機嫌は途端によくなった。

「そんな風に大人しくしてりゃぁ、可愛がってやろうって気にもなろうってもんだ」

そういって、棘々のついた鉄の玉を見せつけてくる。

「気持ちいいぜぇ。胎んなかに押し込んで、花芯の裏やら子宮の入り口やら抉り抜いてやる。ミケも狂うほど泣き叫んでイキまくったよ。ああ、イってる最中の電流も味合わせてやろうな」

もうこうなると、実験動物と一緒だ。
泣こうが喚こうが結果は変わらない。下手に怖がるだけ体力の無駄。
気を紛らわせようと、ロクト村の子どもたちを思い出してみる。
こんなバカばかりなら、うちの商品の売れ行き上々は確実だから、きっと小遣いもって里帰りができるよ。

「ぐーーーっ!」

異物が押し込まれる不快感と痛みで、悲鳴が勝手に押し出される。
ある程度奥まで入ると、それは暴れはじめた。

「ああっ、んひいっ!きううう・・・」

「どうだ、効きすぎて辛れぇだろうが」

そうだねぇ。こうやって、花街で弱い子を狙って殺してきたわけか。
クズが。
逆らっても得はないと頭では分かっているのに、つい睨みつけてしまう。

「なんだ、足りねぇのか、淫乱。ほら、約束の電流だぞ、悦べ!」

「がぁあーーーーーっ。ひぎーーーっ!」

胎内で暴れる球はそのままに、体に電気が走った。
体を引きちぎられるような痛みに、ろくに体を支えられない足をばたつかせて苦しむしかない。
胃がひっくり返ったような感じで、たまらず嘔吐した。


「ケツ振りたくって踊りやがって!嬉しいか!もっとくれてやる!」

「ぎゃあっ、んくっ、うひぃーーっ、あああっ!」

全身が痙攣して、意識が遠のいて。
飛び出した舌の先から、血が滴った。

「すぐによがり死にじゃ甘すぎるな。ミケが来るまで何日もかかる。ミケにした躾をお前にも食らわせてやろう。子袋ズタズタにされながら命乞いするがいい」

ミケはね、賢いの。
ほら、もう、ミケの気配がする。
お前程度の、男が、私の自慢の友達を、語るんじゃねーよ!

ぺっ

ソナは、渾身の力でライヒに唾を吐きかけて、完全に意識を失った。

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