海月のこな

白い靴下の猫

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もらってもよいですか

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うぐぁぁ。好みの顔だぁ。
正直、静止画ベースで考えると、もっとかっこいい顔っていっぱいあると思う。
でも、動いているところを見ると。『すごい、比類ないぞ!』と、毎度感心。初見の時は大した顔に思わなかったのに、いつの間にか『はい、人間は顔でしたね、ゴメンナサイ』という気分になっていた。
表情なのか動きなのか、スタイルなのか可愛さなのか、それとも恋愛感情からくる色眼鏡のせいなのか。人間関係の経験が少な目な私には、よく分からないのだけれども。
そして今、その比類ない好み顔が、まるで私のことが好きでたまらないと言いたげな表情で目の前にあったりする。

・・・もらっていいですか?コレ、ひとり占めして許されますかね?

この顔、じゃなかった、この人はアルト。いわゆる婚外子枠なのと、本人の勤勉さを発揮する方向が偏っているのとで立場が微妙だが、一応レグラムという国の王子様である。
そして私はルウイ。
個人の属性的には、少々生まれが特殊なせいで感能力が高めなのと、運動神経が発達していることが目立つ程度の、いわゆる年頃の娘にすぎない。
ところが、私、すごい父親をもっておりまして。
すごいところを挙げはじめればきりがないのだが、特に医術は人外扱いされている。
この父親、血のつながりはないのだが、私のことを溺愛してくれていて、私がひどい怪我とかしてもバンバン治してしまうので。おかげさまで無茶をしやすい性格に育った気がする。
で、もらっちゃっていいですか?という話に戻るわけですが。
はい、ぶっちゃけて申しますと、振り向いてもらうために、さんざん汚い手を使いました!幻覚剤とか、過去の傷と罪悪感を黄金比でブレンドとか!
アルトは、好きな人が、居たみたいで。
過去の傷をえぐり返さずに生きていく方法も、自分でみつけていたようで。
それに。父親が近くにいれば、私は怪我してもまず死なないので、気楽に無茶をするわけだけど、アルトから見ると命がけに見えたみたいで。『俺のせいで命を懸けさせた』くらい思っていますね、あれは。えらく責任感じちゃったみたい。
そのせいで、この顔、ここにあります。

それでも、もらっていいですか?
ああ、ひとり占めしなければ許されますかね? 
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