海月のこな

白い靴下の猫

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パセルの入城

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見合いとして、パセルの王女とやらと会うところまで進んでも、ルウイからはなんの便りも、気配もなかった。焦りと不安がアルトを引きずり倒そうとする。
パセルの王女・・・か。ルウイとポリンがチョコレートをもらったと言っていただろうか。
ルウイの消息をしっている可能性がある。
だが、御簾ごしの対面を、従者仲介でこなしていてもなんの意味もない。
リフレインするのは、夢の中のルウイの声。
『連絡する』『死なない』『信じろ』・・・
ルウイ、ルウイ、ルウイ。一人で消えたりしていないよな、お前がそんな目にあったのは、俺のせいだから、絶対死ぬなとかいえないけど、せめて俺を連れて行け。
握り締めていた手のなかから、血がすべりおちる。
限界だった。
このままでは、公的な場で、何を口走るかわからない。パセルの王女にルウイを知っているかと直接問い詰めそうだ。
周囲からは唐突に見えただろう。アルトは見合いの途中で席をたった。
「・・・失礼をお許しください。体調が戻りましたら文にてお詫びを」
それだけいうと、あっけにとられる周囲の空気をわしづかむように、体の向きを変える。
そのとき、御簾のすぐ後ろから、声が掛かった。
「こちらこそ、ご気分が優れられない時に、失礼をいたしました」
聞こえるはずのない声だった。よく通る、月に愛された、その、声。
「どうぞ、お体に気をつけてご活躍ください。この度は無理を聞いてくださり、感謝の念に耐えません」
アルトを振り返らせずにはおかない、その声。
間違いようがない。
外交儀礼も他人からの視線も気にすることができずに、大股で御簾に進みよった。
間髪いれずに、御簾を剥ぎとる。
そして。女官の悲鳴の中に、アルトは見た。
最上座に、金髪のショートカットではあったが、間違いようのないルウイの顔を。
ひどく白い顔をして、化粧っけもベールもない。それでもうつむくと見せかけながら瞬間目配せをするルウイを。
・・・っ。
夢ではない。
生きていた。生きていた。生きていた。
アルトは自分が膝から崩れ落ちていると思った。
だが、現実のアルトは、窒息死寸前のような形相でルウイに向かっていく。
騒然とする外野から、リュートが飛び出して、組み付いてくる。このタイミングで動けるということは、リュートも、声の段階で気づいたのだ。
「なりません、王子!」
振り払おうとするアルト。
「・・・っ」
ルウイ、ルウイ、ルウイ。
どれだけ想ったか。
アルトは、声も正気も失ったように、リュートを引きずったまま、ルウイにじり寄る。
羽交い締めにしながら、リュートは口をアルトの耳に寄せる。
「王になんと説明するのです。パセルの王女が偽物だとでも言うつもりですか」
アルトが一瞬ひるみ、パセルの女官が決死の面持ちでルウイの前にでる。
「やめんか!」
王の怒号が兵を立ち上がらせ、場が静まる。
無能なくせに、声だけはでかい。
とりなそうとしたリュートより早く、どこかのんびり聞こえるルウイの声。
「・・・王様。アルトさまのお振る舞いは、私がなした無礼へのお怒りでしょうか、それともパセルへの情熱的な歩み寄りでしょうか。王様の御心のままに、理解いたします」
王は、しげしげとルウイを見つめた。
ベールも長い髪も化粧っけもない。男のようにというべきか、遊女のようにというべきか、彼女からは顔を晒すことに対するなんの戸惑いも感じられなかった。
ガラス細工のように美しいかんばせから、まっすぐな眼差しが光り輝く。
面白いしゃべり方をするものだ、と王は思う。「怒り」は「私」にかけ、「情熱」は「パセル」へかけるのか。
この姫の興味はアルトとの見合いに限定される訳ではないらしい。この状況を利用したがっている。
王の顔が楽しそうにゆがみ、手をわずかに振って兵を下がらせた。
「大変ご無礼を致した。パセルの王女。若者の情熱というのは度し難くも手っ取り早いものですな。・・宴を用意せよ!レグラムはパセルとの友好を望む。見合いは中止だ!」
男のように?実権があるならそれも良し。
遊女のように?この姫が貢物ならそれも良し、だ。
対面相手は、アルトから父王とその側近にかわり、御簾が取り払われた。
数いる王子たちの妃候補を、王が先に見初めてしまわないためだけにしつらえられた御簾は、王族の見合いでもなければ不要なのだ。

宴の席で、アルトは、穴があくほど、ルウイをみつめていた。
はじめのうち、ルウイは、ときおりアルトをみて、目立たないように小さく笑った。
触れたい、確かめたい。
身体は大丈夫なのか。なぜパセルの王女のフリなどしている。俺に言いたいことはないか。絶え間なくせり上がってくる問いかけと、血に塗れるルウイのフラッシュバック。
ルウイが、パセルの王女でないことがバレる心配は、ほとんどしていなかった。
どうせ誰もパセルの内情など知らないのだ。だから入り込みやすい。ルウイがそう言った。それほどパセルは謎の国なのだ。
だが、父王の粘り気のある視線がルウイに届くのをみると、臓腑がかってに転がりまわる。表面だけ姿勢を保っているのすら苦しい。
ルウイの話術は巧みだった。
流砂からの身の守り方、流行病の薬、流民の村の変遷、主要国の軍備。内情を明かしすぎず、それでも誰の目にもそれが存在するとわかるように、売り物として並べてみせた。
晒した顔は、美しく、卑屈さのかけらもなく、彼女が他国への貢物にするために育てられたのではないことは瞭然だった。
王は好色そうな目を向けはしても、ルウイを貢物とあなどって膝のうえに呼び寄せるようなことはしなかった。
謎の国パセル。軍馬が踏み入れない砂漠の奥地に城を構え、戦に興味を示さず、国力や領土すら特定できない。
しかし、交易に現れる彼らのもとに、莫大な財貨が流れ込んでいることは誰の目にも明らかだった。
薬物や鉱物の扱いに長け、雨の降らぬ荒地でも麦を実らせ、城を流砂に隠す術すら持つと言われる。
父王がパセルの王女の色艶を気に入ったとしても、王女ひとりを手に入れて済むほど事は単純ではない。多様な技術こそが本命だ。
「レグラムは貴国との直接の貿易を望む。どうぞ、存分に我が国を見聞し、貴国に我が意思をお伝えください。」
王の意思表示にルウイは深く頭を下げると、宴は酒量と喧騒を増し始めた。
酌をする遊女の数が増えていく。
アルトは、酒が空気を濁らせ始めるのをじりじりとまって、クッションの陰でルウイの指先にふれた。呼吸が止まりそうになる。
「そばにきてくれ」
声がかすれる。
ルウイはアルトの方を見ないまま、手だけを少しアルトに伸ばした。
「もっと」
囁くなり、アルトは自分からルウイの肩にならんだ。
耳に口を寄せる。
「・・・無事か」
会いたかった。
「おれが、声をきいて動かなかったら、あのまま、引き返すつもりだったのか?」
どれだけ待っていたか、知っているはずだ。
口に出してみると、非難するような口ぶりに聞こえるのが自分でも信じられず、申し訳なくなる。
「ごめん」
ルウイは答えない。姿勢も動かさない。
待てなかった。ルウイの顔をのぞき込もうとして肩が触れて、初めて気づく。
ルウイの肌は、冷たく汗ばんで、小刻みに震えていた。
アルトの顔から一気に血の気が引いた。
無事なはずが、ないのだ。
目の前で展開される機転の効いた会話など虚構なのに。都合の良いそれを信じた。馬鹿か俺は。
「リュート、来い!」
ずっと、二人だけを注視していたリュートにとっては、アルトの顔色は、事情を語って余りあった。
「姫が酔われた。部屋へ連れていく。女官に付き添わせろ」
リュートは指示を出しながら駆け寄り、たまらずルウイをだき抱えたアルトを女官で隠す。
アルトは、脳裏に焼き付いたルウイの傷の位置を、注意深くずらして抱き上げた。
アルトが歩き始め、リュートは部屋への道を空けさせつつそばによる。
「医官を・・・」
呼ぶまでもなかった。
宴の広間から逃れるやいなや、見慣れた顔が割り込む。
パセルの衣装を着ていても間違いようがない。ミセルだ。
「ミセル・・。すまない、頼む」
詰めた息を吐き出すように、アルトが言った。
ミセルは、アルトの抱き上げかたをチェックしてから、ごく軽く会釈した。
「お久しぶりです。そのまま部屋へ」
それから、ルウイに向き直る。
「ほんとにもう。頭どこに置いてきましたかね。絶対安静っていったでしょう!鎮静剤で撃沈されなきゃ聴けませんか!」
口パクで無声音の怒鳴り声。それでも、以前別れ際に感じたような苦悩や焦燥は感じず、アルトを少し安心させた。
ルウイのこわばった肩がすこし降り、笑ったような気配がした。
   ☆
人払いを済ませると、ミセルはアルトとリューイをすぐに招き入れてくれた。
「手当します。見たくないとこは後ろでもむいていてください。」
振り向きもせず指示すると、着替えで姿勢を変えさせるのを嫌ったのか、惜しげもなく服にハサミを入れる。
また、アルト達にとっては、見慣れない恐ろしげな針や袋をつかって、ルウイの腕になにか液体を流し込む。とても平静に見てはいられない。
途中でルウイの目が開いても、ミセルは、ルウイを起こそうとはしない。そして、なんのためらいもなく口移しで薬を運んだ。
ルウイがミセルの唇を吸ったように見えて、アルトの心が、ぎしっと鳴る。
「ん・・・」
包帯をまき直すときは、そのままの姿勢というわけにはいかず、ルウイのかすかなうめき声が増えた。
アルトがあまりにも痛そうな顔をしているせいか、ミセルが声をかけた。
「もう、これで死んだら自業自得ですから、気になさらなくていいです」
荒っぽく言い放ちながらも、彼の手は霧のようにしっとり動く。
「どんな、状態だ?」
「手術できる状態に持っていくだけで、二十日かかりました。ほんとにボロボロで。時間切れで強引に手術してからたった十日です」
それからアルトの喉に言葉がつかえたような顔を見て、付け足した。
「まだ、充分死ねます」
「みー、せーるー。謝るから意地悪言わないの」
かなり張りの戻った声でルウイが介入する。
ああ、少なくともルウイは、死ぬかもしれないなどとは思っていない。
「アルト殿との再会だけでも止めたのに、見合いの駄賃に宴にでて、勝手に交易交渉した挙句に倒れるとか。自覚あります?」
「ごめんって。見たら我慢できなくなった」
そして、もう一度アルトを見る。
ミセルは、大げさにため息をついて、言った。
「隣の部屋にいます。わかっていると思いますが、下手に動いたら二度と会わせませんよ」
リュートがミセルに続いて部屋を出ようとすると、ルウイが呼び止めた。
「あ、待って。リュート、お疲れ」
リュートは振り向き、気を付けの姿勢のまま、大きく頷いた。
「ありがとう。立派よ」
ルウイがねぎらうと、リュートは、泣き笑いの顔で深々と頭を下げてから出ていった。
「今のは、なんの話だ?」
ルウイはちろっと舌を出しただけで答えない。
かわりに手を伸ばしてくる。
「見たら、我慢できない、感動の再開シーンしたい!今からアルトの腕に飛び込むから、ハグして」
「ばかいうな、絶対動くなよ!」
ごまかされているのを感じながら、駆け寄らざるを得なかった。
アルトはミセルの動きを思い出しながら、なるべくそうっと手をとる。
「へへ。あんたの回復があたしより早くてびっくりしたわ。お見事」
俺の、回復。
ケセルへの恐怖でがんじがらめだったことから?
剣が握れなくなったことから?
「そのために、俺を誘ったの?あの深手で?」
手に力がこもるのを必死に抑える。せっかくそうっと握ったのに。
ルウイが瞳をくるっと回して、息を吐く。
「いや、その、ごめん」
「謝るなっ。変だろ、それ。俺が、悪い」
俺が。こいつを引きちぎって生きのびた。吐き気と共に、血の色の快楽がフラッシュバックする。
「ええ?全面的に私が悪いでしょ、勝手に美味しくいただいたわけだし」
ばかやろ。そんなわけがあるか。
ルウイは、どう言えばいいのかなぁ、とつぶやいた。
「えーとね、あんたに盛った幻覚剤、怒気系だったの」
は?
「色っぽいもの見たとかじゃなくて、怒りに連動するやつ。どう誘導しても他は無理そうだったから。で、怒らせた」
・・・『誰と、比べられるのが怖い?父王か!ケセルか!』理性を吹っ飛ばす、挑発的な目。
「ただ、怒ると人間乱暴になるからさぁ、これで悪化したら、結構あんた凹むよねって。失敗したらどうしようって怖かった」
「死ぬところだった。怖くて当たり前・・」
「違うってば。そういう怖いじゃなくて、失敗したらごめんレベルのライトな怖い、の方。そもそも薬使って強制的に怒らせた時の言動なんて本人のとは別だし」
「別じゃない。お前こそ、分かったはずだ。『あれ』は、俺だ」
ルウイの方を、到底見られなかった。
「あー、まぁ、確かにあんただったな。傷にのしかからないようにばっかり気にしていたよ。怒りで正気を奪っても。・・・男性の本能足りています?」
アルトは、あらぬ方向からの不意打ちに手を離した。
「途中でそれに気づいちゃってさ、嬉しくなって。信じられないことに、ちょっと楽しかった、かな」
あの時のことは、吐き気とともにしか思い出せない。お前の恐怖とお前を食いちぎる感触を楽しんだとしかおぼえていない。
「あと、さ」
ルウイの声がすこし重くなる。
「あたしが、我慢できなかっただけで、無様に死ぬだけで戦回避大作戦?の決行も、心病むのも、本来あんたの自由だ。ごめん、分かっていてやった。私がわがまま押したら、あんたにしわ寄せが行くこと」
「なにが、わがままだ?」
「あんなにケセルやリュートの方を向いている思考を捻じ曲げるなんて、メンタルごとぐちゃぐちゃにしないと無理で。強引に私の方を向かせる策略めぐらせてぐちゃぐちゃにして、そうなってくれて、喜んだ」
それを、わがままと呼ぶやつがいるのか。それに、ごめんというやつがいるのか。
自分のはらった犠牲や苦しみへのいたわりをどこに捨ててきた。
すでに、思考力は残っておらず、そのぶん音だけが体の奥にとどいて揺れる。
「なんどでも、ぐちゃぐちゃになるし、俺の正気は、ルウイに返すよ」
そう答えて泣いた。
ルウイはしばらく黙って俺を見ていて、それから、笑った。
「えへへ。んじゃ、あたしたち両思い?つきあっているってやつ?」
強引な巻き戻しに、ベッドにつっ伏してしまったが、ルウイははしゃいだように続ける。
アルトがパセル気に入ったら、お見合いもつづける?
パセルって一応うちらの国だから。あ、もちろん神姫ってただのあだ名で、私はほんものの姫じゃないけど。そもそも王政ですらないから、王女いないのよ、うち。王女の間っていう宝物倉はあるけどね。でも実権って面じゃ私にもあるから嘘じゃない感じ?
他にもいろいろ偽名あるよ。希望ある?艶系?
シヨラの社交界に顔が利く未亡人枠とかもあるよ。うちのメンバーで持ちまわりだけど、最初に美人入れ過ぎてさ。もう噂が噂呼んじゃって。今ではひっきりなしに高官からパーティのお誘いとか来るの。
男の人って、割と未亡人とか好きでしょ。どう?
「・・・中身お前で、肩書きだけ未亡人でどうするよ」
だって、実権もちって、働かなきゃなのよ。うちの国もほっとけないし。
でも、働きながらでよかったら、結婚もできるよ。
ね、働くお妃さんとかってこまる? 
・・・って、俺プロポーズされたか? 
あ、でも、別にイヤならいいからね!私は婚儀盾にしたりしないし!
「・・困っても驚いても結論に影響ないから、一緒にいてくれ」
かろうじてそう答えて。
傷に響くから抱きしめるのも我慢して、理性と筋力を総動員して、ものすごくおとなしいキスをした。

うぐぁぁ。好みの顔だぁ。
こんなに好みの顔をそんなに必至モードにして近づけてくるなんて。
もらってしまうぞ、もらってしまうぞ、もらってしまうぞ。
あー、でも『俺のせいで命を懸けさせた』的な誤解しているのだろうなぁ、これは。
う、なんか、ごめん。
どうすれば私のことばっかり考えるだろうかと、謎かけとハニトラと罪悪感との配合比率にまでがっつりと策略を巡らせた挙句の演技です。ミセルが半径50メートルにいる私なんてめったに死にゃしないので、たいして怖くもなかったです。
いや、理由はあったのよ、私のこっち向いてアピールくらいじゃ、私を吊るしたケセルからも死んでしまったリュートからも気をそらすのは無理だったし、時間も道具も限られていたし。
しらばっくれて、もらってしまいたいけど、あまりにフェアじゃない気がするから一応説明する。われながら、並べてみると相当ひどい。
それなのに。
「なんどでも、ぐちゃぐちゃになるよ」アルトはそう答えて泣いた。
ごめんよ。今のリュートか昔のリュートか知らないけど、好きな人、居たみたいなのに、割り込んで。
過去の傷をえぐり返さずに生きていく方法も、自分でちゃんとみつけていたのに、触りまわして。
悪いとは思うけど、でも、この顔がこのみなので・・・口説く!
もらってもいいですよね。最悪、ひとり占めしなければ許されますよね?
えへへ。そうときまれば先手必勝。当機立断。
猛烈に畳みかける。
そうしたらアルトは。
「困っても驚いても結論に影響ないから、一緒にいてくれ」
と言って、キスをしてくれた。
おおう。私ってば、相手が弱っているときに幻覚剤つかって、強引に体の関係に持ち込んで、婚約までもぎ取るっていうコンボ決めちゃったよ。
欲望のままにもらっちゃうけど。結構ごめんだけど。絶対損はさせないからさ。
ゆるしてよね!
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