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第1章 ■てくれ
久遠と検証
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☆side??
この施設は色々な機能が備わっている。それは重々分かっていたつもりだった。だからといって、この状況が読めるわけがない。
「うぐぐ……」
ボクは砂嵐にのまれていた。砂漠だ。ギラギラな太陽と、からっからに乾いた空気や熱とで、ホンモノと思い込みそうになる。
だが、
異様に吹き荒れる風や生きてるかと思うくらいすり寄ってくる砂は、異常気象のレベルを超えていた。砂嵐や蟻地獄のようなことが頻繁に起こることがなければ、完全に天然だと思ったことだ。
視界不良。水分不足。クソ暑い。
<なんで火傷しそうなくらい熱い砂の上を歩かせるんだよ!>
気を失ったら、誰かが助けてくれるだろうかと淡い期待を抱いてしまう。砂嵐は虚弱体質なボクを容赦なく打ちのめし、動くのも考えるのも止めたくなる。だが、誘惑には乗らなかった。足場は悪く、砂に何度も転げ落ち、意識ごと飲み込まれそうになる度に、
《精々死ぬなよ?》
ピアス野郎の言葉を思い出す。身体の奥が熱く感じる……。これの原因は、きっと怒りだ
<…………くそったれが>
あいつへの反骨精神でボクは奮闘する。何か脱出のヒントがないかを探して……。
ボクは、いつの間にか意識を失い、今はベッドの上だ。あの砂漠から救出してくれるような人間なんて、恐らく一人だけだ。
<それでも……>
頼る気は……ない。チラッとグラさんの出会いが脳裏に浮かぶ。
「……」
無言でベッドから起き上がり、用意された椅子に座る。体力をかなり持っていかれ、腹ペコになったボクは、
<気持ち悪い、全身からいつまでたっても砂利が出てくる>
心の中で愚痴をこぼしながら用意された飯を食べ始めた。
「やーやーやーどうだったかね?初めての検査の気分は」
見ずとも分かるピアス野郎だ。あからさまな挑発に、
「……!」
ボクは無言で応えた。ボクはこいつが嫌いなのだろう。だが、それを簡単に表に出すほど子どもではなかった。なにより、自分及びピアス野郎の立場、現状況を把握するまでは何もしてはいけない。それで自分の首を絞めるのは、嫌だから。またしても、グラさんの出会いが脳裏に浮かんでしまう。
<……もう誰も信じるつもりはないんだ>
ボクの思惑とは裏腹に、平然を装うことはできなかった。さらに言えば、怖かった。自分の安全地帯が分からないから。だから、身体は震え、目頭が熱くなる。それも隠すために、ボクは歯を食いしばってピアス野郎を睨みつけた。
「ククク。利口ぶって、強がって、忙しいもんだねぇ……。あぁ、つくづく面白いよ」
ピアス野郎の言うことを途中から無視して布団に籠ろうとすると
「体洗いたいんだろう?」
ピアス野郎はそう言ってきた。
確かにボクは水を浴びていた。大量の……。それは、お坊さんや仙人とかがやってそうな『滝行』である。
「ぁァあA!&嗚呼#*@!!」
言語にならない叫びは滝の音にかき消され、音は遠いし目も開かない。脳から揺さぶられるような激しい衝撃は思考の処理を正常に行わせてくれない。序盤のうちに、あっという間に体温は奪われ、身体は震えている。が、それを抑えつけるかの如く滝が被さる。
<縮こまりたかったな> 〈拘束されてできないけど〉
<当たり方を試行錯誤できたらな> 〈動けなくて無理だけど〉
し、死んでしまう…!!
何度も意識が飛び続ける。でも、叩き起こされたような最悪の目覚め。その繰り返し。なぜ、死なないのか、こんなことさせられているのか、何もわからないが、一先ず、当面の目標は、決まった気がする。
<ピアス野郎はいつかぶん殴る!>
滝行が終わり、やっとのことで部屋に帰された。7時間?いや、多分6時間なのだろうか。長い時間あの空間に閉じこめられた。自分で歩くこともできず、ご飯は何とか喉を通した。滝行中に水を何度も飲んだせいか、空腹ではなかったが、明日からの(検査などの)可能性も考えて、ほぼ意地で食べた。例の独特なソースは、水でタプタプになったボクのお腹には合わなかった。生死を彷徨ったせいか、
ここが、この時間が、これまでの生活が天国に見える。
<ダメだ。落ち着け。思考放棄はしてはいけない………。まだ今かr……>
考えを整理したかったが、それは多大な疲労感と強大な睡魔によって進展しなかった。
結果のところ、検査後の2日間はいつも通りだった。違うところはいつもの身体検査をより厳しくされたことくらいだ。だが、検査後3日目はそうはいかなかった。
「うぃーっす。検査の前の気分はどうだ?」
ピアス野郎が来た。よく見ると名札が……『アピス・カーセ』と書かれているが、切り替える。
<関係ない。こいつはピアス野郎だ>
無意識に力んでしまう。嫌悪感故に……。このままじゃいけない。
「フーーー……」
息を吐く。威嚇ではない。余計な肩の力を抜くためだ。丁寧に、状況を整理した。
〈ピアス野郎が来るなら前と一緒?〉
〈それとも段階踏んで何かをしている?〉
それ以上の思考は纏まらなかった。
「ククク。警戒するのは結構だが、賢明な判断を頼むぜ?まだ、死ぬなよ?」
ピアス野郎に連れていかれたのは、開けた空間。解放感があった。いや、ありすぎた。『風』は冷たく、空気は薄く、身体が重い。足が震える。推測だが、地表1000mつまり1kmはありそうである。
「早くトべよ」
ピアス野郎は軽くそう言うが、キレたい。足は竦むし、肝は冷える。死を間近に感じる。綱はつけてあるが、この程度じゃ信用できない。魔術や科学、医療と邂逅する際、初めはきっと同じように感じるものだ。
〈ここから落ちる?それは自殺行為では?〉
〈この高さからの落下ダメージはそれこそゲームオーバーものだ〉
〈どうする?ピアス野郎に助けを乞うか?〉
〈いや、そもそも…………〉
〈わざわざこいつらに従う必要はないだろう〉
パンパァン!
両頬を両手で強く叩いた。正気で、冷静に考えるために、その考えを止めた。引きずらないためにも、先ほどまでの考えを否定していく。
〈恐怖心に怯えて自殺するのは愚かだ〉
〈さっきまでの考えは逃げだ。他人は他人でしかなく、検査からの逃亡も、リアルからの逃避も、
いずれも、今、すべきではない。
かと言って、砂漠も滝行も死ななかったからといって、脳死で落ちるのも違う……。
ボクのすべきことは…………!〉
――sideリューセー
僕は寝ぼけた目で時計を見るが、その瞬間、眠気が飛ぶ。
「は?8時だと!??」
大急ぎで服を着替え部屋を出ていこうとして、
「忘れもの……」
《あなたは出会ったころに比べて笑顔が増えたよね♪まぁ代わりに、顔に出やすいから短所ともいえるけど……。あたしは好きだよ。今の方が……》
ふと亡き妻の記憶が甦る。手に取ったサングラスに力がこもる。再度、玄関に赴き、
「鍵が開いてる……。アピスが一番怪しいし、あいつに会いに行こう」
小さく独り言をこぼしながら思案する。今日は検査日だ。嫌な予感がする。急いで鍵を閉めて、今から始まるであろう『風の検査室』に駆け出した。
そこでは、あの子がバンジージャンプのようなことをさせられているところだった。
「ハハッ八八ッノヽノヽノヽッノ \ / \/ \」
高笑いが響いていた。それは悲鳴という方が正しいと感じた。時折、詰まるその息つきは僕の心臓を強く絞める。
〈やめてくれ。許してくれ。僕を代わりに吊るしてくれたらいいのに……〉
すぐに正気に戻り、アピスの元へと走り出した。だが、バンジーを止めるには至らないことを、薄々分かっていた。僅かにでも、あの子の苦しみを減らせる方へと…――
☆side??
ボクは、笑った。この身体を騙すために。ビリビリと空気を顔で感じる。そして、笑いながら頭を回転させ始める。
〈落ち着け〉
何度も地上付近と上空を往復して、自分を納得させるための時間を作った。
〈まだ、死にはしない〉
頭からダイブしただけで、ずっと宙吊りではないのだが、十分血の巡りが悪かった。
〈思いだせ!ボクのすべきことを!!〉
何度目かの引き上げをされながら、クールダウンを図る。
〈ボクのすべきことは、情報収集。これに尽きる〉
そして、今分かったことを整理する。
〈❶この部屋はガラスの球体に近い〉
〈❷球体の中心でバンジーや振り子のように弄ばれる〉
〈❸ここには他の被害者がいた可能性が高い〉
❶は厳密に言えば違う。ガラス越しに見えるあの空は偽物だ。太陽の日周運動のように光源が移動しているせいで気づきにくいが、小さく、でも確実に、そして外から漏れている雨の音が聞こえたのだ。確信に近いが、薄い壁なんかじゃない。ここからは出られない。また、地上100mほどだろうか、ネットがある。命綱が千切れたらといった転落対策で二重に張られているし強度もありそうだ。だが、これも信頼する気はない。
❷はそのままの意味だ。ふとその操縦主のピアス野郎のいる部屋を見ると、グラさんが悲痛で、どこかやるせない顔をしていた。
〈やめてくれよ。完全な悪の方が気が楽なのに……〉
そう思わずにはいられなかった。
❸には証拠がある。この部屋の球面の内側、主に下側には汚れが目立つ。この汚れは、吐瀉物や血痕などだ。その鮮度はバラバラだ。まぁ、過去の自分の可能性が拭えないから確証はないが、ほぼいるだろう。
また、恐らく6時間の検査を終えて、食事が用意された。少し豪華な気もしたが、正直食欲がない。未だ血の巡りは悪く、血痕と吐瀉物をずっと見ていたら、希望には違いないが、食事の気分にはならなかった。ご飯を少し残し、ピアス野郎との移動中、いや、もっと前から、同行していたグラさんが文句を言っているようだ。
「お前の検査は単純に違反だ!」
「分かった、分かった、落ち着けってリューセー」
「いーや、ここで黙ったらお前の思い通りにされちまう。だから、次の検査では僕が仕切らせてもらう」
「はいはい。好きにしろ」
ピアス野郎は適当に手をぶらぶらと、まるで嘲笑するかのように振る……。グラさんは部屋に着くと、ボクの肩を掴み、真剣に見つめて、そのサングラスの奥の瞳が泣き叫ぶかのように潤い、その激情を隠し切れずに、声を絞り出す。
「ここが一番危険なんだ。諦めちゃ駄目だからな!」
「おい」
「諦めちゃ駄目だからな!!」
「早く来い、リューセー」
グラさんは引きずられて行った。その優しさがボクを苦しめることを彼は知らない。
次の検査は、何もない……ように見える部屋だった。裏の部屋から正面の窓のある部屋にグラさん達は入る。足下に仄かな温もりを感じて首を傾げる。窓から見えるグラさんは苦悶の表情で何かに手を伸ばす。その瞬間、
ビリリィ!
「あああああ!」
全身に『電流』が走る!膝から崩れ落ちる。
「まずい!」
自分が言ったのだろうか?その言葉通り、よくない状況だった。感電した影響か全身が動かない。痙攣しかできない。逆に、怖いほど冷静な思考になってしまうのだ。それを望んでいいものだったのかは、分かりはしない。
〈あれ?もしかしなくても絶体絶命では?〉
全身が着いたのでより表面積が増えている。その結果、身体に流れる電気量は必然的に増加する!
プツンッ!!
ホワイトアウト。視界が白く染まり、何も見えない。感覚もない。これが死なのだろうか…………?
――sideリューセー
あの子が倒れた……。
「え?」
思考が停止しそうになり、自分のしたことを思い出す。『仕掛け』の作動スイッチを押した。一定の間隔で床に『電流』が走る仕組みだ。どうしても、気持ちが割り切れず、出力を最小にしてしまった。
この検査で昔、同じように死んだ子を思い出す。施設では簡単に人は死ぬ。分かっていたし、なれたはずだった。こう思わずにいられなかった…………。
僕のせいで、あの子は動かなくなった。
「僕が殺した?」
理解ができなくなった。僕が混乱している横で、アピスは口角を吊り上げた。
「神子がこの程度で死ぬわけがない」
冷静じゃない僕に聞こえるわけがなかった――
☆side??
白かった空間に文字が浮かぶ。
[死に抗いますか?]
その言葉に頭は即答する。
「No」
まるで、ずっと思ってたかのように……。もし、あの現実に戻れても、生き残る道が見えない。読めない意図が沢山で手に負えない。発達しすぎた科学に、ちょっとでもミスったらゲームオーバーの施設、何より怖いのはピアス野郎の精神だ。ずっといるからだろうか?わかるのだ。あの男は危険だ。
常人が銃やナイフを持っても、ただ所有しているだけだ。あいつは使う。行使できる。その躊躇が欠如している。それは恐らくトドメを刺す、つまり生死を担ったら迷わず殺すのだ。そういう人間だ。
そんなヤバイやつと科学が結びつくとかなり勝機は減る。そもそも相手はあいつだけじゃない。未知数すぎる。情報が足りないが、勝ち筋が見つからないのが本音。だから、最適解は………。楽に死ねるのは……今だけかもしれない。
《諦めちゃ駄目だからな》
グラさんの叫びが脳裏に甦る。悪い人と、一区切りでは言えない。まぁ、善行を目の当たりにしたわけじゃないわけだが、嫌いではない。嫌いではない、だけなんだ。
〈ごめんなさい〉
楽にさせてくれと願いも込めて……。
ガコンッ!
突如、今いる空間が暗くなっていく。直感的に暗闇が現実世界だとわかってしまう。だから、反射的に駆け出した。逃げ出したい。この人生から、この運命から、彼の期待から……。
〈ボクには何もできないのに……〉
世界が黒く塗り潰されていく。せめて光が欲しい。
「戻りたくない……」
ありもしない空間に手を伸ばす。妬みや渇望を込めて……。それとは裏腹に、これは不可避だと、理不尽だと頭の何処かで訴えていた。似て非なる想いが渦巻く中、意識は次第にかすんでいった。
残された昏き空間にうっすらと人魂のような、プラズマのようなモノが舞うように暫くその場を漂った。
体の周りには蘇生機械らしきものがあったが、すぐに部屋に収納される。窓を見やれば、安堵した表情のグラさんと目が合う。心のどこかで見たくなかったと思ってしまう。
「んおぃ!なにsっ!」
そんなグラさんの声が聞こえた気がした。
甦るトラウマ。
〈来るッ!〉
ビリリィリ!
床に電気が迸る。反射的にジャンプして回避したのだが、
ピッシャン!!
「かっは!」
それはまさに『雷』だ。天井からボクを狙って擬似落雷だと後で知った。ボクはふと『イカロスの翼』と重ねていた。人間が空を、天を、自由を、望むのはおこがましいと言わんばかりに……。
気が付いたら時間は経っていた。この経験は、滝行にも近いが、あれ以上。あっちはただただ無心になる。言ってしまえばそれだけ。
死と隣り合わせではない
ギュゥウウ……
ベッドで縮こまるように布団を抱き締める。ボクは忘却したがっている記憶が反芻しようとする徴候。思い出したいわけがない。だが、抗う術などない…。
《電気をたくさん浴びた。ピアス野郎が介入してからはもっと酷い。どうにもグラさんから主導権を横暴に奪い『仕掛け』をより凶悪化。ピアス野郎に容赦はない。グラさんの時の電流がかわいく見える程……。それが下からも、上からも、逃げ場なくボクを苛め抜く》
身体に染み付いたトラウマが何度も鮮明に甦る。
<生きた心地がしない>
感情を抑えようとか『検査』の前は言っていたが、無理だ。あの死地が抜けきれない。
<生きてるのは…偶々としか…>
「はぁはぁ……!」
体を小さく縮めても、止まらない震え、消えない幻影、鳴りやまない幻聴、それらは確実にボクを追い詰めた。1秒が1時間、1分は久遠を思わせた。
ガチャ
グラさんがボクの部屋に入り、ゆっくりと近づく。ボクはそれに気づくと、
「あの時、なんで楽にしてくれなかったんだよ!!」
ボクは彼へはっきりと言い捨てた。ボクは彼以上に、感情が隠せないのかもしれない。そう、突然、我に返った。
静寂が訪れた。ピリついた静けさを割って、彼はそっと告げる。
「僕は、君に謝らなければならない。今日の『風の検査室』では遅れ、『雷の検査室』ではアイツに眠らされた。それらのせいで、心身ともに傷つけ続けてしまった……!!本当に申し訳ない。すまなかった」
「………」
ボクは何も言えない。子供のボクに土下座を、本気でする。それが他の大人とは、たぶん大きく異なる気はした。だから、続きは気になった。
「今後の『検査』も…直接的な手助けはできない……。僕にできることは、まだ、死ぬ確率を何%か下げるだけだと思う…」
彼はゆっくりと顔をあげ、真剣な眼差しでこちらを見る。本音で語り合うつもりなのだろう。ここの時点で小さく、でも、強く引っかかることがあった。
「でも、誠意が見せたいんだ。だから、せめて君の質問に1つだけ答えさせて欲しい……」
頭がまだ回り切れていない状態かつ、この憔悴しきった心身は、
「あなたは敵ですか?味方ですか?」
その言葉をほぼ無意識に言ってしまった。それは光を、希望を、未来を求めてしまったからだろう。彼は固まる。それが答えではあったのだが、そう感づかれないために逡巡して、いい言葉が見つからず顔を歪ませ、を数度繰り返す。まるで泣くかのように、力なく言葉を零す。
「……僕は敵だ……」
そう、きっとそこでだろう。ボクが壊れてしまったのは……。
久遠。そう思わされたのは何度目だろう。1年。たかが1年、されど1年。もう総検査数は、100を超える。
そうして気づいた。自身の能力も、施設の陰謀も……。
――sideアピス
俺は少し息を吐いてヘッドホンを弄ぶ。自分の名前をもじったような『ピアス』には運命を感じるほど気に入っていた。モニターが発する光が耳元で揺れるピアスに更なる色味を生み出している。
状況が想定通り過ぎて、気分が良い
込み上げる笑いを手で押さえながら、正確に言うなら、いつもの癖を少し抑えながら呟く。
「検証は済んだ……。さぁどうする?」
モニターに映る少年たちが足掻く様を嘲笑った――
この施設は色々な機能が備わっている。それは重々分かっていたつもりだった。だからといって、この状況が読めるわけがない。
「うぐぐ……」
ボクは砂嵐にのまれていた。砂漠だ。ギラギラな太陽と、からっからに乾いた空気や熱とで、ホンモノと思い込みそうになる。
だが、
異様に吹き荒れる風や生きてるかと思うくらいすり寄ってくる砂は、異常気象のレベルを超えていた。砂嵐や蟻地獄のようなことが頻繁に起こることがなければ、完全に天然だと思ったことだ。
視界不良。水分不足。クソ暑い。
<なんで火傷しそうなくらい熱い砂の上を歩かせるんだよ!>
気を失ったら、誰かが助けてくれるだろうかと淡い期待を抱いてしまう。砂嵐は虚弱体質なボクを容赦なく打ちのめし、動くのも考えるのも止めたくなる。だが、誘惑には乗らなかった。足場は悪く、砂に何度も転げ落ち、意識ごと飲み込まれそうになる度に、
《精々死ぬなよ?》
ピアス野郎の言葉を思い出す。身体の奥が熱く感じる……。これの原因は、きっと怒りだ
<…………くそったれが>
あいつへの反骨精神でボクは奮闘する。何か脱出のヒントがないかを探して……。
ボクは、いつの間にか意識を失い、今はベッドの上だ。あの砂漠から救出してくれるような人間なんて、恐らく一人だけだ。
<それでも……>
頼る気は……ない。チラッとグラさんの出会いが脳裏に浮かぶ。
「……」
無言でベッドから起き上がり、用意された椅子に座る。体力をかなり持っていかれ、腹ペコになったボクは、
<気持ち悪い、全身からいつまでたっても砂利が出てくる>
心の中で愚痴をこぼしながら用意された飯を食べ始めた。
「やーやーやーどうだったかね?初めての検査の気分は」
見ずとも分かるピアス野郎だ。あからさまな挑発に、
「……!」
ボクは無言で応えた。ボクはこいつが嫌いなのだろう。だが、それを簡単に表に出すほど子どもではなかった。なにより、自分及びピアス野郎の立場、現状況を把握するまでは何もしてはいけない。それで自分の首を絞めるのは、嫌だから。またしても、グラさんの出会いが脳裏に浮かんでしまう。
<……もう誰も信じるつもりはないんだ>
ボクの思惑とは裏腹に、平然を装うことはできなかった。さらに言えば、怖かった。自分の安全地帯が分からないから。だから、身体は震え、目頭が熱くなる。それも隠すために、ボクは歯を食いしばってピアス野郎を睨みつけた。
「ククク。利口ぶって、強がって、忙しいもんだねぇ……。あぁ、つくづく面白いよ」
ピアス野郎の言うことを途中から無視して布団に籠ろうとすると
「体洗いたいんだろう?」
ピアス野郎はそう言ってきた。
確かにボクは水を浴びていた。大量の……。それは、お坊さんや仙人とかがやってそうな『滝行』である。
「ぁァあA!&嗚呼#*@!!」
言語にならない叫びは滝の音にかき消され、音は遠いし目も開かない。脳から揺さぶられるような激しい衝撃は思考の処理を正常に行わせてくれない。序盤のうちに、あっという間に体温は奪われ、身体は震えている。が、それを抑えつけるかの如く滝が被さる。
<縮こまりたかったな> 〈拘束されてできないけど〉
<当たり方を試行錯誤できたらな> 〈動けなくて無理だけど〉
し、死んでしまう…!!
何度も意識が飛び続ける。でも、叩き起こされたような最悪の目覚め。その繰り返し。なぜ、死なないのか、こんなことさせられているのか、何もわからないが、一先ず、当面の目標は、決まった気がする。
<ピアス野郎はいつかぶん殴る!>
滝行が終わり、やっとのことで部屋に帰された。7時間?いや、多分6時間なのだろうか。長い時間あの空間に閉じこめられた。自分で歩くこともできず、ご飯は何とか喉を通した。滝行中に水を何度も飲んだせいか、空腹ではなかったが、明日からの(検査などの)可能性も考えて、ほぼ意地で食べた。例の独特なソースは、水でタプタプになったボクのお腹には合わなかった。生死を彷徨ったせいか、
ここが、この時間が、これまでの生活が天国に見える。
<ダメだ。落ち着け。思考放棄はしてはいけない………。まだ今かr……>
考えを整理したかったが、それは多大な疲労感と強大な睡魔によって進展しなかった。
結果のところ、検査後の2日間はいつも通りだった。違うところはいつもの身体検査をより厳しくされたことくらいだ。だが、検査後3日目はそうはいかなかった。
「うぃーっす。検査の前の気分はどうだ?」
ピアス野郎が来た。よく見ると名札が……『アピス・カーセ』と書かれているが、切り替える。
<関係ない。こいつはピアス野郎だ>
無意識に力んでしまう。嫌悪感故に……。このままじゃいけない。
「フーーー……」
息を吐く。威嚇ではない。余計な肩の力を抜くためだ。丁寧に、状況を整理した。
〈ピアス野郎が来るなら前と一緒?〉
〈それとも段階踏んで何かをしている?〉
それ以上の思考は纏まらなかった。
「ククク。警戒するのは結構だが、賢明な判断を頼むぜ?まだ、死ぬなよ?」
ピアス野郎に連れていかれたのは、開けた空間。解放感があった。いや、ありすぎた。『風』は冷たく、空気は薄く、身体が重い。足が震える。推測だが、地表1000mつまり1kmはありそうである。
「早くトべよ」
ピアス野郎は軽くそう言うが、キレたい。足は竦むし、肝は冷える。死を間近に感じる。綱はつけてあるが、この程度じゃ信用できない。魔術や科学、医療と邂逅する際、初めはきっと同じように感じるものだ。
〈ここから落ちる?それは自殺行為では?〉
〈この高さからの落下ダメージはそれこそゲームオーバーものだ〉
〈どうする?ピアス野郎に助けを乞うか?〉
〈いや、そもそも…………〉
〈わざわざこいつらに従う必要はないだろう〉
パンパァン!
両頬を両手で強く叩いた。正気で、冷静に考えるために、その考えを止めた。引きずらないためにも、先ほどまでの考えを否定していく。
〈恐怖心に怯えて自殺するのは愚かだ〉
〈さっきまでの考えは逃げだ。他人は他人でしかなく、検査からの逃亡も、リアルからの逃避も、
いずれも、今、すべきではない。
かと言って、砂漠も滝行も死ななかったからといって、脳死で落ちるのも違う……。
ボクのすべきことは…………!〉
――sideリューセー
僕は寝ぼけた目で時計を見るが、その瞬間、眠気が飛ぶ。
「は?8時だと!??」
大急ぎで服を着替え部屋を出ていこうとして、
「忘れもの……」
《あなたは出会ったころに比べて笑顔が増えたよね♪まぁ代わりに、顔に出やすいから短所ともいえるけど……。あたしは好きだよ。今の方が……》
ふと亡き妻の記憶が甦る。手に取ったサングラスに力がこもる。再度、玄関に赴き、
「鍵が開いてる……。アピスが一番怪しいし、あいつに会いに行こう」
小さく独り言をこぼしながら思案する。今日は検査日だ。嫌な予感がする。急いで鍵を閉めて、今から始まるであろう『風の検査室』に駆け出した。
そこでは、あの子がバンジージャンプのようなことをさせられているところだった。
「ハハッ八八ッノヽノヽノヽッノ \ / \/ \」
高笑いが響いていた。それは悲鳴という方が正しいと感じた。時折、詰まるその息つきは僕の心臓を強く絞める。
〈やめてくれ。許してくれ。僕を代わりに吊るしてくれたらいいのに……〉
すぐに正気に戻り、アピスの元へと走り出した。だが、バンジーを止めるには至らないことを、薄々分かっていた。僅かにでも、あの子の苦しみを減らせる方へと…――
☆side??
ボクは、笑った。この身体を騙すために。ビリビリと空気を顔で感じる。そして、笑いながら頭を回転させ始める。
〈落ち着け〉
何度も地上付近と上空を往復して、自分を納得させるための時間を作った。
〈まだ、死にはしない〉
頭からダイブしただけで、ずっと宙吊りではないのだが、十分血の巡りが悪かった。
〈思いだせ!ボクのすべきことを!!〉
何度目かの引き上げをされながら、クールダウンを図る。
〈ボクのすべきことは、情報収集。これに尽きる〉
そして、今分かったことを整理する。
〈❶この部屋はガラスの球体に近い〉
〈❷球体の中心でバンジーや振り子のように弄ばれる〉
〈❸ここには他の被害者がいた可能性が高い〉
❶は厳密に言えば違う。ガラス越しに見えるあの空は偽物だ。太陽の日周運動のように光源が移動しているせいで気づきにくいが、小さく、でも確実に、そして外から漏れている雨の音が聞こえたのだ。確信に近いが、薄い壁なんかじゃない。ここからは出られない。また、地上100mほどだろうか、ネットがある。命綱が千切れたらといった転落対策で二重に張られているし強度もありそうだ。だが、これも信頼する気はない。
❷はそのままの意味だ。ふとその操縦主のピアス野郎のいる部屋を見ると、グラさんが悲痛で、どこかやるせない顔をしていた。
〈やめてくれよ。完全な悪の方が気が楽なのに……〉
そう思わずにはいられなかった。
❸には証拠がある。この部屋の球面の内側、主に下側には汚れが目立つ。この汚れは、吐瀉物や血痕などだ。その鮮度はバラバラだ。まぁ、過去の自分の可能性が拭えないから確証はないが、ほぼいるだろう。
また、恐らく6時間の検査を終えて、食事が用意された。少し豪華な気もしたが、正直食欲がない。未だ血の巡りは悪く、血痕と吐瀉物をずっと見ていたら、希望には違いないが、食事の気分にはならなかった。ご飯を少し残し、ピアス野郎との移動中、いや、もっと前から、同行していたグラさんが文句を言っているようだ。
「お前の検査は単純に違反だ!」
「分かった、分かった、落ち着けってリューセー」
「いーや、ここで黙ったらお前の思い通りにされちまう。だから、次の検査では僕が仕切らせてもらう」
「はいはい。好きにしろ」
ピアス野郎は適当に手をぶらぶらと、まるで嘲笑するかのように振る……。グラさんは部屋に着くと、ボクの肩を掴み、真剣に見つめて、そのサングラスの奥の瞳が泣き叫ぶかのように潤い、その激情を隠し切れずに、声を絞り出す。
「ここが一番危険なんだ。諦めちゃ駄目だからな!」
「おい」
「諦めちゃ駄目だからな!!」
「早く来い、リューセー」
グラさんは引きずられて行った。その優しさがボクを苦しめることを彼は知らない。
次の検査は、何もない……ように見える部屋だった。裏の部屋から正面の窓のある部屋にグラさん達は入る。足下に仄かな温もりを感じて首を傾げる。窓から見えるグラさんは苦悶の表情で何かに手を伸ばす。その瞬間、
ビリリィ!
「あああああ!」
全身に『電流』が走る!膝から崩れ落ちる。
「まずい!」
自分が言ったのだろうか?その言葉通り、よくない状況だった。感電した影響か全身が動かない。痙攣しかできない。逆に、怖いほど冷静な思考になってしまうのだ。それを望んでいいものだったのかは、分かりはしない。
〈あれ?もしかしなくても絶体絶命では?〉
全身が着いたのでより表面積が増えている。その結果、身体に流れる電気量は必然的に増加する!
プツンッ!!
ホワイトアウト。視界が白く染まり、何も見えない。感覚もない。これが死なのだろうか…………?
――sideリューセー
あの子が倒れた……。
「え?」
思考が停止しそうになり、自分のしたことを思い出す。『仕掛け』の作動スイッチを押した。一定の間隔で床に『電流』が走る仕組みだ。どうしても、気持ちが割り切れず、出力を最小にしてしまった。
この検査で昔、同じように死んだ子を思い出す。施設では簡単に人は死ぬ。分かっていたし、なれたはずだった。こう思わずにいられなかった…………。
僕のせいで、あの子は動かなくなった。
「僕が殺した?」
理解ができなくなった。僕が混乱している横で、アピスは口角を吊り上げた。
「神子がこの程度で死ぬわけがない」
冷静じゃない僕に聞こえるわけがなかった――
☆side??
白かった空間に文字が浮かぶ。
[死に抗いますか?]
その言葉に頭は即答する。
「No」
まるで、ずっと思ってたかのように……。もし、あの現実に戻れても、生き残る道が見えない。読めない意図が沢山で手に負えない。発達しすぎた科学に、ちょっとでもミスったらゲームオーバーの施設、何より怖いのはピアス野郎の精神だ。ずっといるからだろうか?わかるのだ。あの男は危険だ。
常人が銃やナイフを持っても、ただ所有しているだけだ。あいつは使う。行使できる。その躊躇が欠如している。それは恐らくトドメを刺す、つまり生死を担ったら迷わず殺すのだ。そういう人間だ。
そんなヤバイやつと科学が結びつくとかなり勝機は減る。そもそも相手はあいつだけじゃない。未知数すぎる。情報が足りないが、勝ち筋が見つからないのが本音。だから、最適解は………。楽に死ねるのは……今だけかもしれない。
《諦めちゃ駄目だからな》
グラさんの叫びが脳裏に甦る。悪い人と、一区切りでは言えない。まぁ、善行を目の当たりにしたわけじゃないわけだが、嫌いではない。嫌いではない、だけなんだ。
〈ごめんなさい〉
楽にさせてくれと願いも込めて……。
ガコンッ!
突如、今いる空間が暗くなっていく。直感的に暗闇が現実世界だとわかってしまう。だから、反射的に駆け出した。逃げ出したい。この人生から、この運命から、彼の期待から……。
〈ボクには何もできないのに……〉
世界が黒く塗り潰されていく。せめて光が欲しい。
「戻りたくない……」
ありもしない空間に手を伸ばす。妬みや渇望を込めて……。それとは裏腹に、これは不可避だと、理不尽だと頭の何処かで訴えていた。似て非なる想いが渦巻く中、意識は次第にかすんでいった。
残された昏き空間にうっすらと人魂のような、プラズマのようなモノが舞うように暫くその場を漂った。
体の周りには蘇生機械らしきものがあったが、すぐに部屋に収納される。窓を見やれば、安堵した表情のグラさんと目が合う。心のどこかで見たくなかったと思ってしまう。
「んおぃ!なにsっ!」
そんなグラさんの声が聞こえた気がした。
甦るトラウマ。
〈来るッ!〉
ビリリィリ!
床に電気が迸る。反射的にジャンプして回避したのだが、
ピッシャン!!
「かっは!」
それはまさに『雷』だ。天井からボクを狙って擬似落雷だと後で知った。ボクはふと『イカロスの翼』と重ねていた。人間が空を、天を、自由を、望むのはおこがましいと言わんばかりに……。
気が付いたら時間は経っていた。この経験は、滝行にも近いが、あれ以上。あっちはただただ無心になる。言ってしまえばそれだけ。
死と隣り合わせではない
ギュゥウウ……
ベッドで縮こまるように布団を抱き締める。ボクは忘却したがっている記憶が反芻しようとする徴候。思い出したいわけがない。だが、抗う術などない…。
《電気をたくさん浴びた。ピアス野郎が介入してからはもっと酷い。どうにもグラさんから主導権を横暴に奪い『仕掛け』をより凶悪化。ピアス野郎に容赦はない。グラさんの時の電流がかわいく見える程……。それが下からも、上からも、逃げ場なくボクを苛め抜く》
身体に染み付いたトラウマが何度も鮮明に甦る。
<生きた心地がしない>
感情を抑えようとか『検査』の前は言っていたが、無理だ。あの死地が抜けきれない。
<生きてるのは…偶々としか…>
「はぁはぁ……!」
体を小さく縮めても、止まらない震え、消えない幻影、鳴りやまない幻聴、それらは確実にボクを追い詰めた。1秒が1時間、1分は久遠を思わせた。
ガチャ
グラさんがボクの部屋に入り、ゆっくりと近づく。ボクはそれに気づくと、
「あの時、なんで楽にしてくれなかったんだよ!!」
ボクは彼へはっきりと言い捨てた。ボクは彼以上に、感情が隠せないのかもしれない。そう、突然、我に返った。
静寂が訪れた。ピリついた静けさを割って、彼はそっと告げる。
「僕は、君に謝らなければならない。今日の『風の検査室』では遅れ、『雷の検査室』ではアイツに眠らされた。それらのせいで、心身ともに傷つけ続けてしまった……!!本当に申し訳ない。すまなかった」
「………」
ボクは何も言えない。子供のボクに土下座を、本気でする。それが他の大人とは、たぶん大きく異なる気はした。だから、続きは気になった。
「今後の『検査』も…直接的な手助けはできない……。僕にできることは、まだ、死ぬ確率を何%か下げるだけだと思う…」
彼はゆっくりと顔をあげ、真剣な眼差しでこちらを見る。本音で語り合うつもりなのだろう。ここの時点で小さく、でも、強く引っかかることがあった。
「でも、誠意が見せたいんだ。だから、せめて君の質問に1つだけ答えさせて欲しい……」
頭がまだ回り切れていない状態かつ、この憔悴しきった心身は、
「あなたは敵ですか?味方ですか?」
その言葉をほぼ無意識に言ってしまった。それは光を、希望を、未来を求めてしまったからだろう。彼は固まる。それが答えではあったのだが、そう感づかれないために逡巡して、いい言葉が見つからず顔を歪ませ、を数度繰り返す。まるで泣くかのように、力なく言葉を零す。
「……僕は敵だ……」
そう、きっとそこでだろう。ボクが壊れてしまったのは……。
久遠。そう思わされたのは何度目だろう。1年。たかが1年、されど1年。もう総検査数は、100を超える。
そうして気づいた。自身の能力も、施設の陰謀も……。
――sideアピス
俺は少し息を吐いてヘッドホンを弄ぶ。自分の名前をもじったような『ピアス』には運命を感じるほど気に入っていた。モニターが発する光が耳元で揺れるピアスに更なる色味を生み出している。
状況が想定通り過ぎて、気分が良い
込み上げる笑いを手で押さえながら、正確に言うなら、いつもの癖を少し抑えながら呟く。
「検証は済んだ……。さぁどうする?」
モニターに映る少年たちが足掻く様を嘲笑った――
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