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第3章 ~よう
■⑨
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《sideメハ
スペースデブリを彷彿させる浮遊した残骸は、きらきらと光ることはあれどきっちりと視認することは叶わない。そして、歪みきったこの世界に物理法則など、めちゃくちゃになっており、触ること、動くこと、喋ること全てが無価値だと大分前から知っていた。無気力になるのは当然と言えた。
何より、頑張る理由がない。
ふと私の頭上から光る残骸が舞うように近づく。喜ばしいハズだった。だけど、全身は拒絶反応を示していた。度重なる絶望で、もう、限界だった。私の抵抗は虚しく、残骸は私に溶け込む。
瞬間、迸る。
切れたヒューズが突然繋がったような電撃。蘇って膨大なデータは、ダイレクトに脳裏を焦がす。
[私が「啓蒙」っていうカード作った時のこと、Ⅱ▽は覚えてるかな?啓蒙なんて少々人を見下すような、マイナスなことを入れたのか。Ⅱ▽は忘れてるのかもね]
日常の記憶の断片。それくらいはすぐに分かった…。
[Ⅱ▽からどんな障害をも遠ざけようとしちゃうのをさ……Ⅱ▽は望まないんだよね。意識してそれをしないようにしても、そうしてしまう……。…何度もあって……自分が大嫌いになるし、ソウとかにだって嫉妬しちゃう時がある。……でもね…]
パズルのピースが揃いきる前に、一方的で行き場を失った偽りの愛は掻き毟りたくなるむずがゆさと思い出したくても思い出せない虚無感から交互に責められる。自我を失いかけたところで過去は記憶は復元され、少し理解する。
私が殺され、再構築される
私はこれまでの私とは違って、Ⅱ▽もⅡ▽じゃないことはわかる。それ以上の発展なんてなかった》
☆sideシン
アピスの張り付いた笑顔を数秒拝めることになった。
〔言ったハズだぞ…〕
オレは引かない。
〔前の思い通りに行くのはここまでだ!!〕
「…なるほどな。ここだけ隔絶されちまったか……」
アピスは現実を受け入れたような態度を一変させ、啖呵を切る。
「なーーんてな!それを想定していないとでも思ったか?」
〔……押しても、意味なんてない。いい加減分かれよ。オレ達はもう運命に干渉できない。あとは出揃った役者の退場を見送るだけなんだよ…〕
「俺の次の一手で、お前らは瓦解する」
変わらぬ眼は確信と実力がそうさせるのだろう。
〔お前が勝ち誇れる要素を一つも残さない…覚悟しろ〕
これ以上の口撃も、争いも無益だと察して身を引く。これでいい。
「おいおい、お喋りを楽しもうぜ?これから被害に合う子供の話とk」
<もう。惑わされない。オレがブレちゃいけねぇ……>
オレの水面に波は立たない。竜巻や落雷、公害をも受け入れろ。受け入れられる最大の理由は、『知っている』からだ。
<世界は残酷なまでに美しい>
その二面性を知ってるからこそ、人を愛せる。不運を許容し、絶望でも前を向ける。オレがそうするんだ。そうなるんだ。
<どこまでいっても、人間には変わりないこいつくらい、出し抜けないで、神とは名乗れない>
事実でもあり、強がりでもあった。アピスはもう人間を辞めかけていて、人間とは言いづらいこと。そして、リンに頼ってもらえる神にならなきゃいけないというプライドのためと言えた。不安なことは山ほどあった。
<オレがアピスだけは何があっても何とかするから………死なないでくれよ…?>
オレはただただ未来のリンを憂う。
スペースデブリを彷彿させる浮遊した残骸は、きらきらと光ることはあれどきっちりと視認することは叶わない。そして、歪みきったこの世界に物理法則など、めちゃくちゃになっており、触ること、動くこと、喋ること全てが無価値だと大分前から知っていた。無気力になるのは当然と言えた。
何より、頑張る理由がない。
ふと私の頭上から光る残骸が舞うように近づく。喜ばしいハズだった。だけど、全身は拒絶反応を示していた。度重なる絶望で、もう、限界だった。私の抵抗は虚しく、残骸は私に溶け込む。
瞬間、迸る。
切れたヒューズが突然繋がったような電撃。蘇って膨大なデータは、ダイレクトに脳裏を焦がす。
[私が「啓蒙」っていうカード作った時のこと、Ⅱ▽は覚えてるかな?啓蒙なんて少々人を見下すような、マイナスなことを入れたのか。Ⅱ▽は忘れてるのかもね]
日常の記憶の断片。それくらいはすぐに分かった…。
[Ⅱ▽からどんな障害をも遠ざけようとしちゃうのをさ……Ⅱ▽は望まないんだよね。意識してそれをしないようにしても、そうしてしまう……。…何度もあって……自分が大嫌いになるし、ソウとかにだって嫉妬しちゃう時がある。……でもね…]
パズルのピースが揃いきる前に、一方的で行き場を失った偽りの愛は掻き毟りたくなるむずがゆさと思い出したくても思い出せない虚無感から交互に責められる。自我を失いかけたところで過去は記憶は復元され、少し理解する。
私が殺され、再構築される
私はこれまでの私とは違って、Ⅱ▽もⅡ▽じゃないことはわかる。それ以上の発展なんてなかった》
☆sideシン
アピスの張り付いた笑顔を数秒拝めることになった。
〔言ったハズだぞ…〕
オレは引かない。
〔前の思い通りに行くのはここまでだ!!〕
「…なるほどな。ここだけ隔絶されちまったか……」
アピスは現実を受け入れたような態度を一変させ、啖呵を切る。
「なーーんてな!それを想定していないとでも思ったか?」
〔……押しても、意味なんてない。いい加減分かれよ。オレ達はもう運命に干渉できない。あとは出揃った役者の退場を見送るだけなんだよ…〕
「俺の次の一手で、お前らは瓦解する」
変わらぬ眼は確信と実力がそうさせるのだろう。
〔お前が勝ち誇れる要素を一つも残さない…覚悟しろ〕
これ以上の口撃も、争いも無益だと察して身を引く。これでいい。
「おいおい、お喋りを楽しもうぜ?これから被害に合う子供の話とk」
<もう。惑わされない。オレがブレちゃいけねぇ……>
オレの水面に波は立たない。竜巻や落雷、公害をも受け入れろ。受け入れられる最大の理由は、『知っている』からだ。
<世界は残酷なまでに美しい>
その二面性を知ってるからこそ、人を愛せる。不運を許容し、絶望でも前を向ける。オレがそうするんだ。そうなるんだ。
<どこまでいっても、人間には変わりないこいつくらい、出し抜けないで、神とは名乗れない>
事実でもあり、強がりでもあった。アピスはもう人間を辞めかけていて、人間とは言いづらいこと。そして、リンに頼ってもらえる神にならなきゃいけないというプライドのためと言えた。不安なことは山ほどあった。
<オレがアピスだけは何があっても何とかするから………死なないでくれよ…?>
オレはただただ未来のリンを憂う。
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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