21 / 25
21
しおりを挟む
ルルちゃんの部屋まで、私たちは並んで歩いて帰った。会話はなかった。私はずっと、ミシマに本当に故意はなかったのだろうかと、そのことばかりを考えていた。ミシマにとって、ルルちゃんは世界で一番傷つけたりしたくない人のはずで、でも、それを傷つけずにはいられない。そんなふうになったら、きっとずっと苦しいだろう。
ミシマとルルちゃんがなにを考えていたのかは分からない。ミシマは、じっと前を向いていた。ただ、一心に正面を向いて黙り込んでいた。ルルちゃんは、もう泣きはしなかったけれど、時々目を潤ませては俯き、涙が落ち着いたら前に向き直ることを繰り返していた。
ルルちゃんの部屋につくと、ルルちゃんはいつものように奥の寝室に入って行った。部屋着に着替えるのだ。いつもなら一分しないで出てくるはずなのに、今日の着替えは長かった。ソファに座った私と、ソファの肘掛に腰を引っかけたミシマは、黙ったままルルちゃんを待った。居心地の悪い沈黙だった。それならそんなにくっついて座っていなければいいと思いもするのだけれど、いつもと違うことをするのが怖かった。そこからなにもかもがずれていってしまいそうで。
「……三人でいられないのかな。」
ルルちゃんを待って数分経った頃、私が沈黙に耐えられずに、ひそめた声でミシマに言った。小さいはずの声は、静かな部屋の中で妙に響いて変な感じがした。
ミシマは私を軽く見下ろすと、微かに唇を曲げた。それは、笑みのようにも見える表情だった。
「3Pしたいってこと?」
さらりと吐き出された言葉に、私は心底びっくりして、弾かれたようにミシマを見上げた。ミシマは平然とした顔で私を見下ろしており、視線がかちんとかみ合った。
「そんなこと、言ってないよ。」
唖然としたままの私の言いように、ミシマは間髪入れずに返した。
「でも、ルルはそういう意味であんたのことが好きだし、俺はそういう意味でルルが好きだぞ。あんたは?」
あんたは? と訊かれても、なにも答えられなかった。私はどういう意味でミシマが好きなのか。それは簡単なことのようでいて、曖昧に濁ってしまっていた。元彼を思い出しても、彼とそういうことがしたくて付き合っていたようには思われなかったし、ミシマだってそうだろう、と思ったのは一瞬で、でも、私はミシマに触ってほしい、と思いもした。頭の中は混乱してぐちゃぐちゃだった。
ミシマとルルちゃんがなにを考えていたのかは分からない。ミシマは、じっと前を向いていた。ただ、一心に正面を向いて黙り込んでいた。ルルちゃんは、もう泣きはしなかったけれど、時々目を潤ませては俯き、涙が落ち着いたら前に向き直ることを繰り返していた。
ルルちゃんの部屋につくと、ルルちゃんはいつものように奥の寝室に入って行った。部屋着に着替えるのだ。いつもなら一分しないで出てくるはずなのに、今日の着替えは長かった。ソファに座った私と、ソファの肘掛に腰を引っかけたミシマは、黙ったままルルちゃんを待った。居心地の悪い沈黙だった。それならそんなにくっついて座っていなければいいと思いもするのだけれど、いつもと違うことをするのが怖かった。そこからなにもかもがずれていってしまいそうで。
「……三人でいられないのかな。」
ルルちゃんを待って数分経った頃、私が沈黙に耐えられずに、ひそめた声でミシマに言った。小さいはずの声は、静かな部屋の中で妙に響いて変な感じがした。
ミシマは私を軽く見下ろすと、微かに唇を曲げた。それは、笑みのようにも見える表情だった。
「3Pしたいってこと?」
さらりと吐き出された言葉に、私は心底びっくりして、弾かれたようにミシマを見上げた。ミシマは平然とした顔で私を見下ろしており、視線がかちんとかみ合った。
「そんなこと、言ってないよ。」
唖然としたままの私の言いように、ミシマは間髪入れずに返した。
「でも、ルルはそういう意味であんたのことが好きだし、俺はそういう意味でルルが好きだぞ。あんたは?」
あんたは? と訊かれても、なにも答えられなかった。私はどういう意味でミシマが好きなのか。それは簡単なことのようでいて、曖昧に濁ってしまっていた。元彼を思い出しても、彼とそういうことがしたくて付き合っていたようには思われなかったし、ミシマだってそうだろう、と思ったのは一瞬で、でも、私はミシマに触ってほしい、と思いもした。頭の中は混乱してぐちゃぐちゃだった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる