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第十二章
腕(かいな)の中のリリアーナ 78 泉の中の自分が口角を上げ、挑むように鋭い眼差しで見据えてきた
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カイトは拳を当てたまま、大樹に額を擦り付けるように凭れかかった。
リリアーナの笑顔に、泣き顔が重なって見える――
左手に持っていたハンカチに目を落すと、哀しみを湛えた碧い瞳が頭を掠めた。乱暴にハンカチをポケットに突っ込み、辛そうに息を吐く。
くちづけて確信をした。
彼女の愛は得られない…多分、これからも……ずっと……
覚悟をした上での承諾だった。例え愛されなくてもずっと傍にいると。しかし報われない想いがこんなに苦しいものだったとは――
カイトはリリアーナに思いを馳せる。
傍にいると誓ったにも拘らず、彼女も恐れている。カイトが愛されない事に業を煮やし、誓いを違えて、リリアーナの許から去ってしまう事を。
必要以上に楽しそうにはしゃいで笑みを見せ、カイトを気遣い歩み寄ろうとするリリアーナ。
その気遣いが無性に腹立たしい。所詮12歳の自分は身代わりで、恋人にはなり得ないのだと、その都度思い知らされる。
やがてカイトは口の端を上げて仄暗い笑みを浮かべた。
それならそれで構わないのかもしれない。彼女がそう考えている間は独占していられる。全神経は彼に集中をし、彼の事だけを考え、リリアーナはカイトで満ちるのだ。
いっそこのまま、洗脳するように自分の存在を刻み付けて……
その時、影が落ちるように、ホーラの言葉が胸に蘇った。苦い思いで唇を噛む。
その為にも気持ちを強く持たなければ――
”頭を冷やしてから戻ろう”と、凭れかかっていた身体を起こして森の奥へ進み始めた。
奥深い場所に清水が湧き出る泉がある。そこは空気がひんやりとして、澄み切ったエメラルドブルーの水を湛え、神聖な雰囲気も漂わせていた。
喉の渇きを覚えたカイトは、身体を屈め、手に水を掬おうとして動きを止める。
泉に映った姿、それは確かに自分ではあるが……
泉の中の自分が口角を上げ、挑むように鋭い眼差しで見据えてきた。
***
リリアーナが不安げに森を見返す。
カイトがまだ帰ってこない……こんな事は珍しい。いつも影のように傍にいて、片時も離れなかったのに。何か彼の気に障ったのだろうか……。
真の恋人にはなれなくても、せめて心を通い合わせたいと思うのだが、上手くいかないでいる。
彼に去られてしまう怖さに、阿るような態度になってしまうのも否めない。
カタン、と東屋の入り口で音がした。
「カイト……?」
笑顔で顔を向けると、そこにはルイス王子が立っていた。
リリアーナは身を強張らせ、消えかけた笑みを咄嗟に取り繕う。
「ルイス王子……何か御用ですか?」
「少し話したいと思って……カイトはどうしたんだい?」
呼吸は浅く、動悸が高まり、カタカタと身体が震え始めるのを止められない。大好きなサファイアの手前、平静を装っていたけれど、こうして対峙するとやはり恐怖心が先に立つ。攫われた時の光景がまざまざと蘇り、リリアーナは怯えて後ずさった。
「すぐに…すぐに、戻ってきます…!」
「良かった。今はいないんだね?……ちょうどいい……」
ルイスが口元に笑みを浮かべ、リリアーナに近付いてきた。
***
「兄様、お呼び?」
ノックの音と共にサファイアが執務室に入ってきた。アレクセイが書類から顔を上げ、机の前に置いてある椅子を指し示す。
「そこに座ってくれ」
「どうしたの? 深刻な話?」
アレクセイの眉間には皺が寄っている。
「深刻と言うか……カーディスが……」
「私が会議でやり込めたオルブライト公?」
「そうだ。お前に自分の息子との縁談を勧めてきた」
「……………私の聞き間違いかしら?」
「聞き間違いではない。こうなったら、一から話すか……」
アレクセイが溜息を吐いて、持っていた書類を無造作に机の上に置いた。
「今カーディスの身辺調査をしているところだ。お前の言っていた血税問題が目に余るようになったのと、大麻の密売にも手を出していると情報が入ってな」
「大麻にまで……」
「ギャンブルの借金で首が回らなくなったようだ。他にも”処女は領主に捧げろ”なんて事まで言い出したし」
「……下衆の極みね」
サファイアの瞳が、ブリザードが吹き荒れるが如く険しくなった。
「ただここに来て急に用心深くなり、大麻密売の尻尾がなかなか掴めないんだ。こちらの動きに気付いたのか、それともたまたまなのか………じっとしていても埒が明かないから、接触して反応を見る事にした」
「接触?」
「あー、怒るなよ? ”会議で女性騎士のジャネットの肩を持ったのは、馬鹿な女を煽ててこちらのいいように使う為だ。お前には悪い事をした” と話したのさ………だから、本気じゃないって! そんな怖い顔をして睨むな。奴の口を軽くする為だ」(16話 ジャネットの意見)
「ちゃんと分かってるわよ。でも、フェミニストの兄様がいきなりそんな話……カーディスは信じたの?」
「ああ、意外にあっさりと。自分の考えが正しいと自信を持っているから、他人もそう考えると思うんだろうな。”やはりアレクセイ様もそのようにお考えでしたか”って、ホクホク顔で近づいてきた。こちらの動きには気付いていないようだし、このまま油断させて証拠を掴む」
「それで、何で私にゲス息子との縁談が?」
「カーディスは臣民公爵で、王族との縁戚関係がない。だからここで、がっつり繋がっておきたいのだろう。お前と息子を結婚させれば、今以上に好き放題ができる」
「でも会議の席で高い鼻を折られて、私の事を恨んでいるでしょうに。いくら姫君と言えどもそんな私を息子の嫁に欲しいものかしら? それにルイス王子もプロポーズしているのよ? 王子に対抗する気?」
「ルイスの件はお前がなかなか返事をしないし、リリアーナを攫った件もあるから、断ると思っているようだ。鼻を折られた事は、降嫁してからネチネチ仕返しするつもりでいるんじゃないか?」
「うへぇ、最悪……。まさか私に降嫁しろと言うんじゃないでしょうね?」
「さっきも言ったように、証拠を掴むまではカーディスを油断させておきたい。だから…」
「分かった! 私が婚約する振りをして相手の懐に入り込み、色々と探り出すのね!」
ワクワク顔のサファイアに、アレクセイが呆れ顔で釘を刺す。
「誰が可愛い妹をそんな目に合わすか、危険すぎるだろう。今度の舞踏会でその息子と一曲、嫌そうに踊ってくれればそれでいい」
「踊るだけでいいの? それも嫌そうに?」
「ああ、俺に言われたから嫌々踊る――というスタンスで行く。俺は降嫁に乗り気だが、お前は断固拒否だと、奴等の目には映るだろう」
「確かにそれが一番自然ね」
「問題はルイスだな。お前が他の男と踊ったら目を剥いて怒りそうだ」
「べ、別に婚約した訳ではないんだから、ルイスの事なんて気にしなくても……」
「まあ、そのほうが信憑性が出ていいか。ルイスがあんまりうるさかったら俺の命令だと言えばいい。実際そうなんだから……サファイア、どうするんだプロポーズの返事は? そろそろタイムリミットだぞ」
「それなんだけど……断ろうと思ってはいるんだけど……」
予想と異なる答えに、アレクセイが一瞬黙り込んだ。
「……承諾するかと思ったが……しかし悩むなんて、スパッと決めるお前らしくもない」
「正直、ルイスの事は気にはなるわ……でも、私はできれば結婚しないで、隠居したお祖母様の許に身を寄せて、気ままに暮らしたいと思っていたの。それに…」
「それに?」
「リリアーナを攫った事がやはりまだ引っ掛かって」
「……そこを見て見ぬ振りはできないか……確かに俺も引っ掛かっている。いくら改心したとしても妹を――何だか外が騒がしいな」
二人して窓から覗くと、何人かの騎士が東屋の方向に、険しい顔つきで駆けて行くのが見えた。
リリアーナの笑顔に、泣き顔が重なって見える――
左手に持っていたハンカチに目を落すと、哀しみを湛えた碧い瞳が頭を掠めた。乱暴にハンカチをポケットに突っ込み、辛そうに息を吐く。
くちづけて確信をした。
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覚悟をした上での承諾だった。例え愛されなくてもずっと傍にいると。しかし報われない想いがこんなに苦しいものだったとは――
カイトはリリアーナに思いを馳せる。
傍にいると誓ったにも拘らず、彼女も恐れている。カイトが愛されない事に業を煮やし、誓いを違えて、リリアーナの許から去ってしまう事を。
必要以上に楽しそうにはしゃいで笑みを見せ、カイトを気遣い歩み寄ろうとするリリアーナ。
その気遣いが無性に腹立たしい。所詮12歳の自分は身代わりで、恋人にはなり得ないのだと、その都度思い知らされる。
やがてカイトは口の端を上げて仄暗い笑みを浮かべた。
それならそれで構わないのかもしれない。彼女がそう考えている間は独占していられる。全神経は彼に集中をし、彼の事だけを考え、リリアーナはカイトで満ちるのだ。
いっそこのまま、洗脳するように自分の存在を刻み付けて……
その時、影が落ちるように、ホーラの言葉が胸に蘇った。苦い思いで唇を噛む。
その為にも気持ちを強く持たなければ――
”頭を冷やしてから戻ろう”と、凭れかかっていた身体を起こして森の奥へ進み始めた。
奥深い場所に清水が湧き出る泉がある。そこは空気がひんやりとして、澄み切ったエメラルドブルーの水を湛え、神聖な雰囲気も漂わせていた。
喉の渇きを覚えたカイトは、身体を屈め、手に水を掬おうとして動きを止める。
泉に映った姿、それは確かに自分ではあるが……
泉の中の自分が口角を上げ、挑むように鋭い眼差しで見据えてきた。
***
リリアーナが不安げに森を見返す。
カイトがまだ帰ってこない……こんな事は珍しい。いつも影のように傍にいて、片時も離れなかったのに。何か彼の気に障ったのだろうか……。
真の恋人にはなれなくても、せめて心を通い合わせたいと思うのだが、上手くいかないでいる。
彼に去られてしまう怖さに、阿るような態度になってしまうのも否めない。
カタン、と東屋の入り口で音がした。
「カイト……?」
笑顔で顔を向けると、そこにはルイス王子が立っていた。
リリアーナは身を強張らせ、消えかけた笑みを咄嗟に取り繕う。
「ルイス王子……何か御用ですか?」
「少し話したいと思って……カイトはどうしたんだい?」
呼吸は浅く、動悸が高まり、カタカタと身体が震え始めるのを止められない。大好きなサファイアの手前、平静を装っていたけれど、こうして対峙するとやはり恐怖心が先に立つ。攫われた時の光景がまざまざと蘇り、リリアーナは怯えて後ずさった。
「すぐに…すぐに、戻ってきます…!」
「良かった。今はいないんだね?……ちょうどいい……」
ルイスが口元に笑みを浮かべ、リリアーナに近付いてきた。
***
「兄様、お呼び?」
ノックの音と共にサファイアが執務室に入ってきた。アレクセイが書類から顔を上げ、机の前に置いてある椅子を指し示す。
「そこに座ってくれ」
「どうしたの? 深刻な話?」
アレクセイの眉間には皺が寄っている。
「深刻と言うか……カーディスが……」
「私が会議でやり込めたオルブライト公?」
「そうだ。お前に自分の息子との縁談を勧めてきた」
「……………私の聞き間違いかしら?」
「聞き間違いではない。こうなったら、一から話すか……」
アレクセイが溜息を吐いて、持っていた書類を無造作に机の上に置いた。
「今カーディスの身辺調査をしているところだ。お前の言っていた血税問題が目に余るようになったのと、大麻の密売にも手を出していると情報が入ってな」
「大麻にまで……」
「ギャンブルの借金で首が回らなくなったようだ。他にも”処女は領主に捧げろ”なんて事まで言い出したし」
「……下衆の極みね」
サファイアの瞳が、ブリザードが吹き荒れるが如く険しくなった。
「ただここに来て急に用心深くなり、大麻密売の尻尾がなかなか掴めないんだ。こちらの動きに気付いたのか、それともたまたまなのか………じっとしていても埒が明かないから、接触して反応を見る事にした」
「接触?」
「あー、怒るなよ? ”会議で女性騎士のジャネットの肩を持ったのは、馬鹿な女を煽ててこちらのいいように使う為だ。お前には悪い事をした” と話したのさ………だから、本気じゃないって! そんな怖い顔をして睨むな。奴の口を軽くする為だ」(16話 ジャネットの意見)
「ちゃんと分かってるわよ。でも、フェミニストの兄様がいきなりそんな話……カーディスは信じたの?」
「ああ、意外にあっさりと。自分の考えが正しいと自信を持っているから、他人もそう考えると思うんだろうな。”やはりアレクセイ様もそのようにお考えでしたか”って、ホクホク顔で近づいてきた。こちらの動きには気付いていないようだし、このまま油断させて証拠を掴む」
「それで、何で私にゲス息子との縁談が?」
「カーディスは臣民公爵で、王族との縁戚関係がない。だからここで、がっつり繋がっておきたいのだろう。お前と息子を結婚させれば、今以上に好き放題ができる」
「でも会議の席で高い鼻を折られて、私の事を恨んでいるでしょうに。いくら姫君と言えどもそんな私を息子の嫁に欲しいものかしら? それにルイス王子もプロポーズしているのよ? 王子に対抗する気?」
「ルイスの件はお前がなかなか返事をしないし、リリアーナを攫った件もあるから、断ると思っているようだ。鼻を折られた事は、降嫁してからネチネチ仕返しするつもりでいるんじゃないか?」
「うへぇ、最悪……。まさか私に降嫁しろと言うんじゃないでしょうね?」
「さっきも言ったように、証拠を掴むまではカーディスを油断させておきたい。だから…」
「分かった! 私が婚約する振りをして相手の懐に入り込み、色々と探り出すのね!」
ワクワク顔のサファイアに、アレクセイが呆れ顔で釘を刺す。
「誰が可愛い妹をそんな目に合わすか、危険すぎるだろう。今度の舞踏会でその息子と一曲、嫌そうに踊ってくれればそれでいい」
「踊るだけでいいの? それも嫌そうに?」
「ああ、俺に言われたから嫌々踊る――というスタンスで行く。俺は降嫁に乗り気だが、お前は断固拒否だと、奴等の目には映るだろう」
「確かにそれが一番自然ね」
「問題はルイスだな。お前が他の男と踊ったら目を剥いて怒りそうだ」
「べ、別に婚約した訳ではないんだから、ルイスの事なんて気にしなくても……」
「まあ、そのほうが信憑性が出ていいか。ルイスがあんまりうるさかったら俺の命令だと言えばいい。実際そうなんだから……サファイア、どうするんだプロポーズの返事は? そろそろタイムリミットだぞ」
「それなんだけど……断ろうと思ってはいるんだけど……」
予想と異なる答えに、アレクセイが一瞬黙り込んだ。
「……承諾するかと思ったが……しかし悩むなんて、スパッと決めるお前らしくもない」
「正直、ルイスの事は気にはなるわ……でも、私はできれば結婚しないで、隠居したお祖母様の許に身を寄せて、気ままに暮らしたいと思っていたの。それに…」
「それに?」
「リリアーナを攫った事がやはりまだ引っ掛かって」
「……そこを見て見ぬ振りはできないか……確かに俺も引っ掛かっている。いくら改心したとしても妹を――何だか外が騒がしいな」
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