283 / 287
第十二章
腕(かいな)の中のリリアーナ 129(後日談)その交換条件は…(中)
しおりを挟む
誘うように…薄く開いたリリアーナの唇を、カイトが熱っぽく見つめて、親指でなぞる……。
リリアーナの耳に、掠れた彼の低い声が響いた。
「リリアーナから、して……俺に」
吐息が混じりあうほどに近く、触れそうな唇。しかしカイトは無情にも、リリアーナの両頬から手を離し、顔と身体を遠ざけてしまった。
そして時は遡る――
朝食を持ってきたフランに会いたくて、リリアーナはカイトの腕の中でじたばたしていた。けれど抵抗は簡単にあしらわれ、終しまいには疲れ果て、はぁはぁと肩で息をする事となる。
覆いかぶさってきたカイトを見上げ、潤んだ瞳でお願いをした。
「カイト、お願い――。フランは命がけで私を守ってくれたの! お礼を言うだけだから……」
皆様ご存じだとは思うが、ただでさえカイトは、リリアーナのお願いに弱い。その上、大きな瞳でうるうるされた日には……。
はぁ……、と溜息を吐きながら、カイトが上体を起こす。
「分かった。廊下に出てフランと会おう」
「ありがとう!」
嬉しそうに抱きついてきたリリアーナを、微笑んで優しく抱き留める。指先で金の髪を掻き分けて後頭部を掴み、リリアーナの細い首筋に顔を埋めた。唇を這わせながら……何事かを呟く。
「聞こえな……んっ、…やぁ、……」
貝殻のような可愛らしい耳を、優しく噛みながらもう一度呟いた。
「その代わりにリリアーナから…」
***
そう、あの時に言われたのだ。交換条件として、リリアーナからキスをして欲しいと――
思い出したリリアーナの頬が、ボッと熟れたリンゴのように紅く染まった。
(耳を噛まれて、甘く…身体が痺れて、カイトの吐息も――だめ!)
ブンブンと頭を振り、優しく噛まれた耳の事など、頭から追い払う。
(私からキスをするのだから、集中しないと――)
彼女はキスを強請ったことはあるが自らカイトにしたことはない……。
リリアーナの頬が、またボッと熟れたリンゴの…(以下略)
(カイトはフランと会わせてくれた。私も約束を守らなくては)←真面目なリリアーナ
扉に凭れ、リリアーナを足の間に挟んだカイトが、彼女の百面相を面白そうに、悠然と見下ろしている。
必死なリリアーナはそれに気付かず、カイトの胸に手を当てて、そろそろと爪先立った。
「カイトお願い。屈んで……目も、瞑って……?」
リリアーナに覆い被さるように、上体を倒してきたカイトが目を瞑った。精悍な顔つきにドギマギしながら、リリアーナは少しづつ顔を近づけていく。見られたら恥ずかしいので、カイトが目を閉じているかどうかも、しっかりと確認した。
(すごい……睫毛が長くてバサバサしている)
少ぉしずつ伸びをして、寸前でギュっと目を瞑り、チュッと唇を押し付けた。その後はすぐさま顔を離し、”どう?”とばかりに誇らしげに、満面の笑みを浮かべてカイトを見上げる。それを見たカイトがクスリと笑った。
「リリアーナ、とても可愛いけど、違う」
「………え、」
「これは親愛のキス。俺が言ったのは恋人達のキス」
「?」
「俺がいつもしているキスをして」
「――えっ、」
カイトがリリアーナの頬に、自分の頬を重ね合わせて囁く。
「俺がリリアーナに、いつもしているキス」
***
ジャネットと兵士とビアンカは、三人がかりでフランチェスカを押さえつけていた……いや、正しくは、ジャネットはフランの前で説得に当たり、後の二人が押さえつけていた。
「フランチェスカ、お願いだから落ち着いて……。そうだわ、深呼吸をしましょう!」
「息してる間にリリアーナ様がぁあ!!」
「ダメね」
「ダメだな」
「そこ! ダメ出ししない!!」
取り押さえ役の二人にジャネットが怒鳴る。そこに誰かが駆けてくる足音が……。フランチェスカ、以下一同が、期待に満ちた表情で振り返った。
「イフリー……! チッ、スティーブか……」
「フランチェスカ! お前いま舌打ちしただろ!!」
「スティーブ、来てくれたのね!!」
涙ながらのジャネットの声に、スティーブが気を取り直して進み出ると、フランチェスカを真っ直ぐに見据えた。
優しさが滲んだ深みのある声で、フランチェスカに語り掛ける。
「フラン、本当はカイトの事を信頼しているんだろう? でも、血を分けた姉妹のように、愛情を持ってお仕えしてきたリリアーナ様の事が心配で、その上、自分から離れていくようで寂しくて、……そんな諸々の気持ちを、上手く処理できないでいるんじゃないのか?」
フランチェスカが、唇を噛んでぷいっと横を向いた。
「心配なだけで……寂しくなんかないし……」
「話を聞いてやるぞ?」
スティーブが両腕を広げる。フランチェスカの表情を見たジャネットが、ビアンカと兵士に向かって頷き、二人はフランから手を離した。顔をそむけたままではあるが、フランはててて…とスティーブに歩み寄り、腕の中に収まった。
「スティーブのくせに……」
「それ、前にも言われたな」
ふくれっ面のまま、スティーブを見上げる。
「お昼は、……もう食べたの?」
「丁度これからだ」
連れだって歩き出すフランとスティーブ。
「良かった。上手く……いったみたいね……さすがスティーブ」
ジャネット以下一同が、感心して二人を見送っていると、”あっ、”とビアンカが声を上げた。
「フランに殴られたわよ……床に倒れてのたうち回ってる……」
「また余計なことを口にしたな」
「……さすがスティーブ」
さて、スティーブの”いつものお約束”が終わったところで、リリアーナの部屋の中……
***
カイトがリリアーナの頬に、自分の頬を重ね合わせて囁く。
「俺がリリアーナに、いつもしているキス」
重ね合わせたリリアーナの頬が、熱くなる
「深い…キス?」
「そうだ」
「………」
「リリアーナ?」
返事がないのを不審に思ったカイトが、顔を離してみた。
(しまった――)
リリアーナは頬を赤らめて唇を噛み、身体を固まらせていた。
宥めようと手を伸ばしたが、避けるように俯いてしまう。一度、もうリリアーナからキスをさせたというのに、彼女の反応が思っていた以上に愛らしく、からかうのをやめなかった自分は罰が当たったようだ。
「リリアーナ……」
カイトは真っ赤になって固まっているリリアーナの顎を掴んで上向かせると、視線を合わせて謝るために顔を近づけた。
細いしなやかな指が伸びてきて、カイトの両頬が包まれる。
「え……」
きょとんと目を見開くカイトに、リリアーナが顔を寄せてきた。そっと……カイトの唇に、柔らかい唇が押し当てられる。
時が止まったカイトに向かって、リリアーナが恥ずかしそうに言った。
「……キスを頑張ったら……」
頬を桃色に染めて、リリアーナは続ける。
「深いキスを、頑張ったら、カイトからもキスして、抱きしめて……くれる……?」
あ、だめだ。これは、破壊的に可愛い――
リリアーナの耳に、掠れた彼の低い声が響いた。
「リリアーナから、して……俺に」
吐息が混じりあうほどに近く、触れそうな唇。しかしカイトは無情にも、リリアーナの両頬から手を離し、顔と身体を遠ざけてしまった。
そして時は遡る――
朝食を持ってきたフランに会いたくて、リリアーナはカイトの腕の中でじたばたしていた。けれど抵抗は簡単にあしらわれ、終しまいには疲れ果て、はぁはぁと肩で息をする事となる。
覆いかぶさってきたカイトを見上げ、潤んだ瞳でお願いをした。
「カイト、お願い――。フランは命がけで私を守ってくれたの! お礼を言うだけだから……」
皆様ご存じだとは思うが、ただでさえカイトは、リリアーナのお願いに弱い。その上、大きな瞳でうるうるされた日には……。
はぁ……、と溜息を吐きながら、カイトが上体を起こす。
「分かった。廊下に出てフランと会おう」
「ありがとう!」
嬉しそうに抱きついてきたリリアーナを、微笑んで優しく抱き留める。指先で金の髪を掻き分けて後頭部を掴み、リリアーナの細い首筋に顔を埋めた。唇を這わせながら……何事かを呟く。
「聞こえな……んっ、…やぁ、……」
貝殻のような可愛らしい耳を、優しく噛みながらもう一度呟いた。
「その代わりにリリアーナから…」
***
そう、あの時に言われたのだ。交換条件として、リリアーナからキスをして欲しいと――
思い出したリリアーナの頬が、ボッと熟れたリンゴのように紅く染まった。
(耳を噛まれて、甘く…身体が痺れて、カイトの吐息も――だめ!)
ブンブンと頭を振り、優しく噛まれた耳の事など、頭から追い払う。
(私からキスをするのだから、集中しないと――)
彼女はキスを強請ったことはあるが自らカイトにしたことはない……。
リリアーナの頬が、またボッと熟れたリンゴの…(以下略)
(カイトはフランと会わせてくれた。私も約束を守らなくては)←真面目なリリアーナ
扉に凭れ、リリアーナを足の間に挟んだカイトが、彼女の百面相を面白そうに、悠然と見下ろしている。
必死なリリアーナはそれに気付かず、カイトの胸に手を当てて、そろそろと爪先立った。
「カイトお願い。屈んで……目も、瞑って……?」
リリアーナに覆い被さるように、上体を倒してきたカイトが目を瞑った。精悍な顔つきにドギマギしながら、リリアーナは少しづつ顔を近づけていく。見られたら恥ずかしいので、カイトが目を閉じているかどうかも、しっかりと確認した。
(すごい……睫毛が長くてバサバサしている)
少ぉしずつ伸びをして、寸前でギュっと目を瞑り、チュッと唇を押し付けた。その後はすぐさま顔を離し、”どう?”とばかりに誇らしげに、満面の笑みを浮かべてカイトを見上げる。それを見たカイトがクスリと笑った。
「リリアーナ、とても可愛いけど、違う」
「………え、」
「これは親愛のキス。俺が言ったのは恋人達のキス」
「?」
「俺がいつもしているキスをして」
「――えっ、」
カイトがリリアーナの頬に、自分の頬を重ね合わせて囁く。
「俺がリリアーナに、いつもしているキス」
***
ジャネットと兵士とビアンカは、三人がかりでフランチェスカを押さえつけていた……いや、正しくは、ジャネットはフランの前で説得に当たり、後の二人が押さえつけていた。
「フランチェスカ、お願いだから落ち着いて……。そうだわ、深呼吸をしましょう!」
「息してる間にリリアーナ様がぁあ!!」
「ダメね」
「ダメだな」
「そこ! ダメ出ししない!!」
取り押さえ役の二人にジャネットが怒鳴る。そこに誰かが駆けてくる足音が……。フランチェスカ、以下一同が、期待に満ちた表情で振り返った。
「イフリー……! チッ、スティーブか……」
「フランチェスカ! お前いま舌打ちしただろ!!」
「スティーブ、来てくれたのね!!」
涙ながらのジャネットの声に、スティーブが気を取り直して進み出ると、フランチェスカを真っ直ぐに見据えた。
優しさが滲んだ深みのある声で、フランチェスカに語り掛ける。
「フラン、本当はカイトの事を信頼しているんだろう? でも、血を分けた姉妹のように、愛情を持ってお仕えしてきたリリアーナ様の事が心配で、その上、自分から離れていくようで寂しくて、……そんな諸々の気持ちを、上手く処理できないでいるんじゃないのか?」
フランチェスカが、唇を噛んでぷいっと横を向いた。
「心配なだけで……寂しくなんかないし……」
「話を聞いてやるぞ?」
スティーブが両腕を広げる。フランチェスカの表情を見たジャネットが、ビアンカと兵士に向かって頷き、二人はフランから手を離した。顔をそむけたままではあるが、フランはててて…とスティーブに歩み寄り、腕の中に収まった。
「スティーブのくせに……」
「それ、前にも言われたな」
ふくれっ面のまま、スティーブを見上げる。
「お昼は、……もう食べたの?」
「丁度これからだ」
連れだって歩き出すフランとスティーブ。
「良かった。上手く……いったみたいね……さすがスティーブ」
ジャネット以下一同が、感心して二人を見送っていると、”あっ、”とビアンカが声を上げた。
「フランに殴られたわよ……床に倒れてのたうち回ってる……」
「また余計なことを口にしたな」
「……さすがスティーブ」
さて、スティーブの”いつものお約束”が終わったところで、リリアーナの部屋の中……
***
カイトがリリアーナの頬に、自分の頬を重ね合わせて囁く。
「俺がリリアーナに、いつもしているキス」
重ね合わせたリリアーナの頬が、熱くなる
「深い…キス?」
「そうだ」
「………」
「リリアーナ?」
返事がないのを不審に思ったカイトが、顔を離してみた。
(しまった――)
リリアーナは頬を赤らめて唇を噛み、身体を固まらせていた。
宥めようと手を伸ばしたが、避けるように俯いてしまう。一度、もうリリアーナからキスをさせたというのに、彼女の反応が思っていた以上に愛らしく、からかうのをやめなかった自分は罰が当たったようだ。
「リリアーナ……」
カイトは真っ赤になって固まっているリリアーナの顎を掴んで上向かせると、視線を合わせて謝るために顔を近づけた。
細いしなやかな指が伸びてきて、カイトの両頬が包まれる。
「え……」
きょとんと目を見開くカイトに、リリアーナが顔を寄せてきた。そっと……カイトの唇に、柔らかい唇が押し当てられる。
時が止まったカイトに向かって、リリアーナが恥ずかしそうに言った。
「……キスを頑張ったら……」
頬を桃色に染めて、リリアーナは続ける。
「深いキスを、頑張ったら、カイトからもキスして、抱きしめて……くれる……?」
あ、だめだ。これは、破壊的に可愛い――
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる