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第四章
女子会と狙われる訳
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「それで相談事があって私の所に来た訳ね?」
サファイアがニッコリと笑った。
「ええ、そうなの。姉さま達に聞いてほしい事があって」
「いいわねぇ! 今日は一晩中語り合いましょう! もうすぐクリスティアナ姉様も来るわよ。イフリートとデートだったけど、こちらのほうが楽しそうだからって」
「イフリート泣いちゃうわね――って、私は相談事で来たのよ!」
「いいじゃない。言わばこれは・・・あの噂の女子会よ! 私達は自由に出歩けないし、女子会をした事がないでしょう? 侍女達から話を聞いてずっと憧れていたの! リリィも楽しみましょうよ。相談事は善処するから」
「善処って――」
そんな事務仕事みたいな・・・って思っていた所にクリスティアナも合流して女子会が始まった。二人の姉は私的な場所では親しみを込めてリリアーナを`リリィ‘と呼ぶ。
話はサファイア中心で進んでいく。
「ふ・・・ん・・・話を要約すると、カイトが好きで、カイトもリリィが好きで、キスされて、恥かしくて顔が見れない・・・と」
要約しすぎではあるがリリアーナはこくんと頷いた。もちろん濃厚なキスの場面は省いた。
「恥かしがっているのはリリィだけでしょう? 時間が解決すると思うわよ?」
「カイトから、ちゃんと返事ももらってないし・・・」
「いや、話を聞く限り、返事をもらったも同じだから」
クリスティアナもうんうんと頷いている。
「それにカイトが自分は一介の騎士だから、私の相手になれないって、主に当たる私に手出しできないとも言ってたの」
姉姫たちは顔を見合わせた。
「カイトったら何を言ってるのかしら!? 彼には価値があると思うわよ? カイトの強さってもう化け物級じゃない。あの空手馬鹿相手に勝てる奴なんてこの世にいないし、それなのにまだ毎日鍛錬してるのよ?」
サファイアが呆れたようにまくし立てた。若干褒めているようには聞こえないが――
その後をクリスティアナが続ける。
「そうね、イフリートも一目置いてるし『何か困った時に意見を聞くといいヒントが出たり、解決したりもするし、何より信用できる』って言ってたわよ」
サファイアが身を乗り出した。
「私はカイトをこれでも買っているのよ! 家族以外で私に意見するなんてイフリートとサイラスとカイト位ですもの。三人ともちゃんと話しに筋が通っているし、多分お父様とアレクセイ兄様も同じ意見だと思うけど・・・でもカイトって謙虚すぎる所がちょっとね。他の騎士達の図々しさを分けてもらえばいいのに」
「実は・・・もう一つ気になっている事があるの・・・」
「まだあるの? 一体何?」
サファイアが焦れ始めた。
「わっ・・・私って、何で変な人にばかり攫われるの!?」
「は・・・?」
サファイアとクリスティアナはリリアーナが何を言いたいのかよく分からない。
「クリスティアナ姉様もサファイア姉様も攫われた事なんてないのに、私ばかり・・・。それも天使の格好をさせたいだの、ずっと少女のままでいてほしいだの、他の誰にも見せたくないから閉じ込めるだの、みんな異常な人ばかりで、私がそういう人達を惹きつける何か変な物を持っているとしか思えないの!」
リリアーナは今にも泣きそうである。クリスティアナが口を開いた。
「私もあるわよ」
「――えっ!?」
そんなの初耳である。妹姫二人が驚いた。
「攫われたわけではないんだけど・・・私って外見がこうでしょう? それに公務に出ると、プリンセスモードに入るから・・・氷の姫君のイメージが強いみたいで――」
確かに現代でいえばスーパーモデル並みの容姿に身長も180cmとこの世界でも高く、プリンセスモードに入ると歯に衣着せぬ物言いとなり、氷の姫君にピッタリだ。
「一昨年だったかしら、ある国の王子に部屋に連れ込まれて渡されたの。『そのハイヒールを履いて鞭で打ってくれ』って」
「え!? それでどうなったの!?」サファイアが相当食いついてる。
「逃げようとして思わず鞭で攻撃したら、恍惚とした表情を浮かべるからもう気持ち悪くて、無理やりハイヒールを履かされそうになった時にイフリートが助けに来てくれたの。凄い怒ってすぐにつまみ出してくれたわ」
クリスティアナは嬉しそうだ。
「でも何でイフリートだったのかしら? 私の騎士ではないのに・・・そのすぐ後に私の騎士も駆けつけてくれたんだけど。そういえば、その前の危ない時に助けてくれたのもイフリートだったような・・・」
クリスティアナは外では一応完璧なプリンセスを演じているが、実はおっとりしていて少~し鈍かったりする。
「イフリートも苦労するわよね・・・」
サファイアの呟きに同意してしまうクリスティアナであった。
「とにかくよく鞭とハイヒールは頂くわよ」
「お姉さま、そんなプレゼントのように・・・」
しかし自分だけではないと知り、ちょっぴり嬉しいリリアーナである。
「私も似たような事ならあるわよ」
「ええ!!」
これには、姉と妹が驚いた。
「そこまで驚かなくてもいいじゃない! どこかの国の宰相が、あんまり自分の裁量の素晴らしさを自慢するから、完膚なきまで論破してやったの。その時は黙ってしまったから、まずかったかな~って思ってたんだけど、後で赤い薔薇とメッセージが送られてきて・・・」
サファイアはそこで溜息をついた。
「口汚く罵ってほしいって・・・」
姉と妹は肩を震わせて笑いそうなのを我慢している。
「ちょっと、笑わないでよ!」
珍しくサファイアの顔が赤い。
「もう! この話はこれでおしまい! リリィだけじゃないのよ!? どう、安心した?」
「ええ、とっても」
リリアーナがニッコリと笑った。
「カイトの件はどうする? 私が暫く彼を預かる?」
「――やめておく。サファイア姉さまカイトを苛めそうだもの。」
苛められるような玉じゃない、と姫様らしかぬ言葉が浮かんだサファイアであった。
「でもまだ顔を見る自信がないから、明後日の孤児院の慰問は女性騎士にお願いしようと思うの」
「それがいいわね。男性騎士も付いて行くんでしょう?」
「ええ、私の周りは女性騎士で固めて、後は何人か男性騎士が付いてきてくれると思う」
この時姫君達は知らなかった。あのカミラ伯爵未亡人が影でよからぬ計画を立てている事を――
サファイアがニッコリと笑った。
「ええ、そうなの。姉さま達に聞いてほしい事があって」
「いいわねぇ! 今日は一晩中語り合いましょう! もうすぐクリスティアナ姉様も来るわよ。イフリートとデートだったけど、こちらのほうが楽しそうだからって」
「イフリート泣いちゃうわね――って、私は相談事で来たのよ!」
「いいじゃない。言わばこれは・・・あの噂の女子会よ! 私達は自由に出歩けないし、女子会をした事がないでしょう? 侍女達から話を聞いてずっと憧れていたの! リリィも楽しみましょうよ。相談事は善処するから」
「善処って――」
そんな事務仕事みたいな・・・って思っていた所にクリスティアナも合流して女子会が始まった。二人の姉は私的な場所では親しみを込めてリリアーナを`リリィ‘と呼ぶ。
話はサファイア中心で進んでいく。
「ふ・・・ん・・・話を要約すると、カイトが好きで、カイトもリリィが好きで、キスされて、恥かしくて顔が見れない・・・と」
要約しすぎではあるがリリアーナはこくんと頷いた。もちろん濃厚なキスの場面は省いた。
「恥かしがっているのはリリィだけでしょう? 時間が解決すると思うわよ?」
「カイトから、ちゃんと返事ももらってないし・・・」
「いや、話を聞く限り、返事をもらったも同じだから」
クリスティアナもうんうんと頷いている。
「それにカイトが自分は一介の騎士だから、私の相手になれないって、主に当たる私に手出しできないとも言ってたの」
姉姫たちは顔を見合わせた。
「カイトったら何を言ってるのかしら!? 彼には価値があると思うわよ? カイトの強さってもう化け物級じゃない。あの空手馬鹿相手に勝てる奴なんてこの世にいないし、それなのにまだ毎日鍛錬してるのよ?」
サファイアが呆れたようにまくし立てた。若干褒めているようには聞こえないが――
その後をクリスティアナが続ける。
「そうね、イフリートも一目置いてるし『何か困った時に意見を聞くといいヒントが出たり、解決したりもするし、何より信用できる』って言ってたわよ」
サファイアが身を乗り出した。
「私はカイトをこれでも買っているのよ! 家族以外で私に意見するなんてイフリートとサイラスとカイト位ですもの。三人ともちゃんと話しに筋が通っているし、多分お父様とアレクセイ兄様も同じ意見だと思うけど・・・でもカイトって謙虚すぎる所がちょっとね。他の騎士達の図々しさを分けてもらえばいいのに」
「実は・・・もう一つ気になっている事があるの・・・」
「まだあるの? 一体何?」
サファイアが焦れ始めた。
「わっ・・・私って、何で変な人にばかり攫われるの!?」
「は・・・?」
サファイアとクリスティアナはリリアーナが何を言いたいのかよく分からない。
「クリスティアナ姉様もサファイア姉様も攫われた事なんてないのに、私ばかり・・・。それも天使の格好をさせたいだの、ずっと少女のままでいてほしいだの、他の誰にも見せたくないから閉じ込めるだの、みんな異常な人ばかりで、私がそういう人達を惹きつける何か変な物を持っているとしか思えないの!」
リリアーナは今にも泣きそうである。クリスティアナが口を開いた。
「私もあるわよ」
「――えっ!?」
そんなの初耳である。妹姫二人が驚いた。
「攫われたわけではないんだけど・・・私って外見がこうでしょう? それに公務に出ると、プリンセスモードに入るから・・・氷の姫君のイメージが強いみたいで――」
確かに現代でいえばスーパーモデル並みの容姿に身長も180cmとこの世界でも高く、プリンセスモードに入ると歯に衣着せぬ物言いとなり、氷の姫君にピッタリだ。
「一昨年だったかしら、ある国の王子に部屋に連れ込まれて渡されたの。『そのハイヒールを履いて鞭で打ってくれ』って」
「え!? それでどうなったの!?」サファイアが相当食いついてる。
「逃げようとして思わず鞭で攻撃したら、恍惚とした表情を浮かべるからもう気持ち悪くて、無理やりハイヒールを履かされそうになった時にイフリートが助けに来てくれたの。凄い怒ってすぐにつまみ出してくれたわ」
クリスティアナは嬉しそうだ。
「でも何でイフリートだったのかしら? 私の騎士ではないのに・・・そのすぐ後に私の騎士も駆けつけてくれたんだけど。そういえば、その前の危ない時に助けてくれたのもイフリートだったような・・・」
クリスティアナは外では一応完璧なプリンセスを演じているが、実はおっとりしていて少~し鈍かったりする。
「イフリートも苦労するわよね・・・」
サファイアの呟きに同意してしまうクリスティアナであった。
「とにかくよく鞭とハイヒールは頂くわよ」
「お姉さま、そんなプレゼントのように・・・」
しかし自分だけではないと知り、ちょっぴり嬉しいリリアーナである。
「私も似たような事ならあるわよ」
「ええ!!」
これには、姉と妹が驚いた。
「そこまで驚かなくてもいいじゃない! どこかの国の宰相が、あんまり自分の裁量の素晴らしさを自慢するから、完膚なきまで論破してやったの。その時は黙ってしまったから、まずかったかな~って思ってたんだけど、後で赤い薔薇とメッセージが送られてきて・・・」
サファイアはそこで溜息をついた。
「口汚く罵ってほしいって・・・」
姉と妹は肩を震わせて笑いそうなのを我慢している。
「ちょっと、笑わないでよ!」
珍しくサファイアの顔が赤い。
「もう! この話はこれでおしまい! リリィだけじゃないのよ!? どう、安心した?」
「ええ、とっても」
リリアーナがニッコリと笑った。
「カイトの件はどうする? 私が暫く彼を預かる?」
「――やめておく。サファイア姉さまカイトを苛めそうだもの。」
苛められるような玉じゃない、と姫様らしかぬ言葉が浮かんだサファイアであった。
「でもまだ顔を見る自信がないから、明後日の孤児院の慰問は女性騎士にお願いしようと思うの」
「それがいいわね。男性騎士も付いて行くんでしょう?」
「ええ、私の周りは女性騎士で固めて、後は何人か男性騎士が付いてきてくれると思う」
この時姫君達は知らなかった。あのカミラ伯爵未亡人が影でよからぬ計画を立てている事を――
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