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第二部
64「海魔獣」③
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――魔獣とか大きな生物に食べられてしまった場合、不死者である僕はいったいどうなるんだろう?
そんな疑問とともに、僕は海魔獣の凶悪な口腔の中に放り込まれてしまった。
どうなるのか検証してみたい気持ちはあるものの、やっぱり魔獣の餌になるのは御免被りたく、早急に外へ脱出する術の模索を始める。
だがそこで、そんな思考を中断せざるを得ないレベルの生理現象《ビッグウェーブ》が僕の下半身を蹂躙すると同時に、僕の脳にこう語りかけた。
“今なら誰も見ていない。やるなら、今でしょ―――――!”
謎の声(?)に導かれるまま、僕は口内の無数の牙で咀嚼、あるいはそのままゴックン飲み込まれる前に、行動へ移った。
下着をずり降ろして手に取り、仁王立ち――否、ガニ股体勢をとった。その体勢とは反対に下半身はリラックスさせ、今までかけ続けていたリミッターを全て解除してやった。
そして僕は―――思うがまま全てをぶちまけてやったのだった。
その瞬間、かつてない解放感と快感が、僕にもたらされた気がした。場所が場所なだけあって、声に出す程のテンションまではもっていけなかったが。
『キィシャアァアアアアアアアアッッ』
体内に溜まっていた汚物を下へぶちまけてしばらくしないうちに、中で鼓膜が破れそうな音が響いた。音というよりかは声……それもかなり怒り狂った感じのものだ。
「――って、うわああああ!?外へ、流されるぅううううううう!!」
海魔獣が口腔を開いて吐瀉したお陰で、僕は自分が排出した汚物とともに何とか外…海へ脱出することに成功した。海中に潜り排泄物や海魔獣の体液を洗い落としたところで、海上に出てくるとともに色々解放されたことへの歓喜の雄叫びを上げるのだった。
「――ふう。さーてと……うわあ。何だかスゴい殺気を感じるなー」
現実に向き合うとともに、肌がピリピリするほどの殺気をその身に受ける。その出所が眼前にいる巨大な海獣であることは明白だった。今もその海魔獣は両眼の焦点を僕に定めている(ように見える)。
「何か凄く怒ってる気がする……もしかして尿とか糞とかを垂れ流したから?だとしたらそれはお門違いってやつじゃないかな?ビッグウェーブにさらされ続け暴発寸前だった僕を無警戒に飲み込んだお前に責任があるんだから―――」
ドォオオオオッッ!!
僕が立っていた箇所に火薬を爆破させたような音が鳴り、大きな水柱が生じた。
「~~~~~っ(ガボボ……っ)」
僕はというと、滝壺にでも落ちたかのようにものすごい勢いで海深くに沈んでいった。
何をされたのかははっきりしてないが、おそらく――海魔獣の武器と呼べる体の一部である触手で思いきりひっぱたかれたんだと思う。
「ごぼぼ……っ(ただの触手の叩きつけで、全身の骨にヒビが入ったようだ……何つー威力だよ。やば、内臓にもかなりダメージ入ってる)」
海面から何十メートル沈められたのか、海魔獣や貨物商船からだいぶ離されてしまった。と思ってるとその海魔獣がその巨体には似合わない程の遊泳速度で僕に迫ってきている…!
完全に僕を敵とみなし、ターゲットに絞ってきているな……排泄物を中に流し込まれたのがそんなにご立腹だったのか。
さて……さっきの一撃で僕は全身に重いダメージを負ったわけだけど、ご覧の通り、僕の体はすっかり修復されている。アクティブスキル「身体修復」はどんな怪我、身体の欠損もすぐに治してみせる、最高の自己治癒スキルだ。
さあ今度はこっちの番だ……と言いたいところなのだが、深刻な問題が一つ出てきました。
ここが海の中であるため、身体が思うように動かせないということ…!
「ごぼごぼ……!(陸地と水中とじゃ、ここまで運動能力に違いが出るんだね。上下左右まともに動くことも、ままならない…っ)」
水中で上手く身動きがとれないことに四苦八苦ところを、海魔獣は容赦無く突きにかかりにきた…!奴の口腔が大きく開かれたかと思うと、その周りに海中の水が渦のように密集されていく。
そして、海魔獣の口腔から、一直線に凝縮された大水流が放たれた…!
「ごぼがぼぼ……っ」
膨大な海水を利用し奴自身の魔力をも混合させた、強力な水の魔術《ブレス》……さっきの触手の打撃よりも痛い…!
さらに追い打ちをかけるように、奴の触手が何本も襲い掛かり、容赦の無い鞭打攻撃を何度も受けてしまう。
「………!!(ま、マズい!息が、もう………)」
水のブレス、触手の強打撃によるダメージもヤバいが、それ以上に僕を死の淵に立たせたのは、長時間水中にいることによる酸素供給の欠乏だ。
海魔獣の攻撃でかなりの海水を飲んでしまい、酸素はもう砂粒くらいしか残っていない。というか、意識が朦朧としてきた……ヤバい、これもう………溺れ、死……ぬ……………………
意識が遠のくとともに、体中の力が抜けてしまい、僕の身体はぷらーんと水中に浮んだ。文字通り、僕は水死体と化してしまったのだ。
何一つ反撃を為せないまま、僕は海魔獣との戦闘に敗れ、無惨な水死体となってしまうのだった…………………………
なんてね。
全身の力が抜けてから数秒後、両目を刮目させ、息を吹き返したのだった!
僕は不死者……水中で溺れ殺されようとも死なない、何度でも蘇るのさ!
「ごぼぼ…!(死の淵に突き落とされて死の境をさまよったせいか、この劣勢を覆す秘策を思いついたぞ!
早速やってみよう……いくぞ!)」
死に追いやられて臨界点やら何やらを超えたことで、僕の中にある閃きが舞い降りた。この圧倒的不利と言える状況をどうにかする方法が……。
「ごがぼっ(まずは“魔力エンチャント”――生身に己の魔力を纏わせる)」
アクティブスキル「魔力エンチャント」で普通は出来ないらしい生身への魔力直接付与を行う。ここまでは今まで通りだ。
秘策を発揮するのは、ここから―――!
「~~~~~っ(ぷくーーーぅ)」
体内の空気をありったけ吸い上げ、身に纏っている魔力を風船と同じイメージで膨張させる!
すると思った通り、僕の身の周囲に膜状の魔力が展開された!
「っしゃ!成功した!息も出来るし、しかも喋れる!」
「魔力エンチャント」のさらなる応用。水中でも地上と同じように呼吸が出来るよう、自身の周囲に魔力を膜状に展開するというもの。
しかも、可能となったのは呼吸だけではない。
「おお、地上とほぼ同じように動けるようになってる!こりゃ良いや!」
海の中を僕は陸地と同じように自由に駆け回ってみせた。膜状の魔力展開の恩恵その2、地上と同等の運動パフォーマンスが可能となる。
「さて、テストはこの辺にしておき、そろそろ反撃に移らせてもらうよっっ!」
アクティブスキル「身体強化」「心肺強化」を同時に発動して身体能力を極限まで高め、さっきからこちらの様子を伺っている海魔獣までひとっ跳びしてみせる。
そしてこれまでやられた分の恨みを込めた、魔力を纏った一撃を、海魔獣のど真ん中にぶち当ててやった!
僕の時とは反対に、海魔獣の全身は海面に向かって勢いよく打ち上げられていった。
そんな疑問とともに、僕は海魔獣の凶悪な口腔の中に放り込まれてしまった。
どうなるのか検証してみたい気持ちはあるものの、やっぱり魔獣の餌になるのは御免被りたく、早急に外へ脱出する術の模索を始める。
だがそこで、そんな思考を中断せざるを得ないレベルの生理現象《ビッグウェーブ》が僕の下半身を蹂躙すると同時に、僕の脳にこう語りかけた。
“今なら誰も見ていない。やるなら、今でしょ―――――!”
謎の声(?)に導かれるまま、僕は口内の無数の牙で咀嚼、あるいはそのままゴックン飲み込まれる前に、行動へ移った。
下着をずり降ろして手に取り、仁王立ち――否、ガニ股体勢をとった。その体勢とは反対に下半身はリラックスさせ、今までかけ続けていたリミッターを全て解除してやった。
そして僕は―――思うがまま全てをぶちまけてやったのだった。
その瞬間、かつてない解放感と快感が、僕にもたらされた気がした。場所が場所なだけあって、声に出す程のテンションまではもっていけなかったが。
『キィシャアァアアアアアアアアッッ』
体内に溜まっていた汚物を下へぶちまけてしばらくしないうちに、中で鼓膜が破れそうな音が響いた。音というよりかは声……それもかなり怒り狂った感じのものだ。
「――って、うわああああ!?外へ、流されるぅううううううう!!」
海魔獣が口腔を開いて吐瀉したお陰で、僕は自分が排出した汚物とともに何とか外…海へ脱出することに成功した。海中に潜り排泄物や海魔獣の体液を洗い落としたところで、海上に出てくるとともに色々解放されたことへの歓喜の雄叫びを上げるのだった。
「――ふう。さーてと……うわあ。何だかスゴい殺気を感じるなー」
現実に向き合うとともに、肌がピリピリするほどの殺気をその身に受ける。その出所が眼前にいる巨大な海獣であることは明白だった。今もその海魔獣は両眼の焦点を僕に定めている(ように見える)。
「何か凄く怒ってる気がする……もしかして尿とか糞とかを垂れ流したから?だとしたらそれはお門違いってやつじゃないかな?ビッグウェーブにさらされ続け暴発寸前だった僕を無警戒に飲み込んだお前に責任があるんだから―――」
ドォオオオオッッ!!
僕が立っていた箇所に火薬を爆破させたような音が鳴り、大きな水柱が生じた。
「~~~~~っ(ガボボ……っ)」
僕はというと、滝壺にでも落ちたかのようにものすごい勢いで海深くに沈んでいった。
何をされたのかははっきりしてないが、おそらく――海魔獣の武器と呼べる体の一部である触手で思いきりひっぱたかれたんだと思う。
「ごぼぼ……っ(ただの触手の叩きつけで、全身の骨にヒビが入ったようだ……何つー威力だよ。やば、内臓にもかなりダメージ入ってる)」
海面から何十メートル沈められたのか、海魔獣や貨物商船からだいぶ離されてしまった。と思ってるとその海魔獣がその巨体には似合わない程の遊泳速度で僕に迫ってきている…!
完全に僕を敵とみなし、ターゲットに絞ってきているな……排泄物を中に流し込まれたのがそんなにご立腹だったのか。
さて……さっきの一撃で僕は全身に重いダメージを負ったわけだけど、ご覧の通り、僕の体はすっかり修復されている。アクティブスキル「身体修復」はどんな怪我、身体の欠損もすぐに治してみせる、最高の自己治癒スキルだ。
さあ今度はこっちの番だ……と言いたいところなのだが、深刻な問題が一つ出てきました。
ここが海の中であるため、身体が思うように動かせないということ…!
「ごぼごぼ……!(陸地と水中とじゃ、ここまで運動能力に違いが出るんだね。上下左右まともに動くことも、ままならない…っ)」
水中で上手く身動きがとれないことに四苦八苦ところを、海魔獣は容赦無く突きにかかりにきた…!奴の口腔が大きく開かれたかと思うと、その周りに海中の水が渦のように密集されていく。
そして、海魔獣の口腔から、一直線に凝縮された大水流が放たれた…!
「ごぼがぼぼ……っ」
膨大な海水を利用し奴自身の魔力をも混合させた、強力な水の魔術《ブレス》……さっきの触手の打撃よりも痛い…!
さらに追い打ちをかけるように、奴の触手が何本も襲い掛かり、容赦の無い鞭打攻撃を何度も受けてしまう。
「………!!(ま、マズい!息が、もう………)」
水のブレス、触手の強打撃によるダメージもヤバいが、それ以上に僕を死の淵に立たせたのは、長時間水中にいることによる酸素供給の欠乏だ。
海魔獣の攻撃でかなりの海水を飲んでしまい、酸素はもう砂粒くらいしか残っていない。というか、意識が朦朧としてきた……ヤバい、これもう………溺れ、死……ぬ……………………
意識が遠のくとともに、体中の力が抜けてしまい、僕の身体はぷらーんと水中に浮んだ。文字通り、僕は水死体と化してしまったのだ。
何一つ反撃を為せないまま、僕は海魔獣との戦闘に敗れ、無惨な水死体となってしまうのだった…………………………
なんてね。
全身の力が抜けてから数秒後、両目を刮目させ、息を吹き返したのだった!
僕は不死者……水中で溺れ殺されようとも死なない、何度でも蘇るのさ!
「ごぼぼ…!(死の淵に突き落とされて死の境をさまよったせいか、この劣勢を覆す秘策を思いついたぞ!
早速やってみよう……いくぞ!)」
死に追いやられて臨界点やら何やらを超えたことで、僕の中にある閃きが舞い降りた。この圧倒的不利と言える状況をどうにかする方法が……。
「ごがぼっ(まずは“魔力エンチャント”――生身に己の魔力を纏わせる)」
アクティブスキル「魔力エンチャント」で普通は出来ないらしい生身への魔力直接付与を行う。ここまでは今まで通りだ。
秘策を発揮するのは、ここから―――!
「~~~~~っ(ぷくーーーぅ)」
体内の空気をありったけ吸い上げ、身に纏っている魔力を風船と同じイメージで膨張させる!
すると思った通り、僕の身の周囲に膜状の魔力が展開された!
「っしゃ!成功した!息も出来るし、しかも喋れる!」
「魔力エンチャント」のさらなる応用。水中でも地上と同じように呼吸が出来るよう、自身の周囲に魔力を膜状に展開するというもの。
しかも、可能となったのは呼吸だけではない。
「おお、地上とほぼ同じように動けるようになってる!こりゃ良いや!」
海の中を僕は陸地と同じように自由に駆け回ってみせた。膜状の魔力展開の恩恵その2、地上と同等の運動パフォーマンスが可能となる。
「さて、テストはこの辺にしておき、そろそろ反撃に移らせてもらうよっっ!」
アクティブスキル「身体強化」「心肺強化」を同時に発動して身体能力を極限まで高め、さっきからこちらの様子を伺っている海魔獣までひとっ跳びしてみせる。
そしてこれまでやられた分の恨みを込めた、魔力を纏った一撃を、海魔獣のど真ん中にぶち当ててやった!
僕の時とは反対に、海魔獣の全身は海面に向かって勢いよく打ち上げられていった。
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