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【8】
しおりを挟む慣らし作戦開始。
ハルは俺の好みすぎた。
愛想が悪いと誤解されがちな目つきも、周囲からクールと評される性格も、実際は甘えたがりで周りの目をやけに気にする不器用な性格だ。野良猫を手懐けてるこの感じが堪らない。黒猫のハル。可愛くないわけがない。
が、俺と違って裏の無い優しさを持つハルのお人好しっぷりには時々文句も言いたくなる。フった男の事でいつまでも頭悩ませる必要なんてないってのに。
潔く諦められない野郎の狙いにまんまと乗っかって、セフレ関係に持ってかれそうになっても気づきもしない。本人にその自覚がなくても、思わせ振りな態度は未練がましい野郎を調子づかせるだけなのに。
『──先輩。それ、洒落になんないやつです』
下駄箱からこっそりハルの上履きを取るなり、スーハー嗅ぎながらナニし始めたイカれ野郎発見。気色悪いったらない。
『みっ、三和……!? ち、ちがっ』
『俺の大事な子の上履きなんで、汚さないでもらえますか』
頭の沸いた発情猿に呼び出される度に、後始末して回るのもいい加減ダルい。本人は呑気にふらりと自由行動で消えるし目が離せない。
もっと早く予防線張ればよかったと反省しつつ、ランチイムに告白を決行。すぐに返事は貰えなかったけど、顔にイエスって書いてあったので大丈夫。いけると確信した。
『待ってたよ、ハル』
『ごめんな急に……お邪魔します』
待ち望んだ日がやってきた。
やっと……! やっと手に入れられる!!
思い詰めたような表情で俯くハルに今すぐ襲いかかりたい衝動に耐え、平常心を装いながら話を聞いた。全部知ってるけどな。というか、変な男に好かれる自覚あったならもうちょい気をつけな?
話し終えて、緊張が解けたのか安堵した様子のハルには悪いが、背中を擦って覗いた記憶の中で、俺で夢精して抱かれる事を想像しながらヌくハルの恥態に勃起不可避なんだが。責任とってくれ。
ハルに好きって言われた。
幸せすぎて死にそう。
ラブホに行くと思ったらしい。何でだよ?
行くわけない。部屋のベッドで抱くに決まってる。
風呂で挙動不審になりながら、色白の肢体をピンクに色づかせて俺に洗われるハルは……最高にエロ可愛いかった。
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