6 / 7
予想外にも程がある
しおりを挟む
成人の儀を終えてから更に年月が流れた。
私に必要な令嬢としての知識を教える事を終えた家庭教師とは手紙のやり取りをして近況を報告し合える仲になった。叔父や彼らから教えて貰った事を活かしつつ貴族としての責務や仕事を全うしている。
年齢もそろそろ結婚の適齢期から過ぎてしまうだろうと言われている頃だが、オーガやその本能がある私には無理な話である。
本能の兆しがあれば、なるべく人里離れた別荘に身を隠すして、治まる時を過ごしていた。
そんなある日、王城からの手紙が届いた。
内容は、現国王の後妻として嫁ぐようにという王命であった。
「……は?」
思わず間抜けな声が出た。叔父も手紙の内容を見て、どう返答すれば良いのか困った顔をした。
内容として、昨年事故で無くなった前国王の後を王子が継ぐのだが、その王子はまだ未成年であり、すぐに継承するには難しい。そこで、王弟が繋ぎとして現国王として即位する事になった。王子が即位するまでの繋ぎではあるが、前王妃は2、3年前に病で亡くなっており、現国王の妻も同じく病でいないため王妃の務めをする者が空席状態となっている。余りにも長い間空席状態にする事は良くないので、一時的ではあるが王妃としての役割が必要である。その一時的役目として必要なのが後継者争いを行わないようにしないといけない。その条件を満たしているのが、自分であると書かれているのである。
つまり、王子が成人して即位する迄の繋ぎ役に王妃も欲しい。けど、後継者争いを起こしたくない。それなら姿が化け物で後継者をつくるなんて出来そうにない令嬢の自分が最適だからお願いねっと言う事である。
苛立ちより、それって良いのか?疑いたくなった。
数日後に王からの使者が来て、手紙と同じ内容で王命を伝えた。
その事にこの国は大丈夫なのかと少し心配した。
自分の跡継ぎについては以前叔父とその息子と相談していたので、後は彼らに任せる事になり、あれよあれよと現国王との結婚を終えてしまった。
結婚式は、盛大には行わず身内のみ行う形となった。
私に必要な令嬢としての知識を教える事を終えた家庭教師とは手紙のやり取りをして近況を報告し合える仲になった。叔父や彼らから教えて貰った事を活かしつつ貴族としての責務や仕事を全うしている。
年齢もそろそろ結婚の適齢期から過ぎてしまうだろうと言われている頃だが、オーガやその本能がある私には無理な話である。
本能の兆しがあれば、なるべく人里離れた別荘に身を隠すして、治まる時を過ごしていた。
そんなある日、王城からの手紙が届いた。
内容は、現国王の後妻として嫁ぐようにという王命であった。
「……は?」
思わず間抜けな声が出た。叔父も手紙の内容を見て、どう返答すれば良いのか困った顔をした。
内容として、昨年事故で無くなった前国王の後を王子が継ぐのだが、その王子はまだ未成年であり、すぐに継承するには難しい。そこで、王弟が繋ぎとして現国王として即位する事になった。王子が即位するまでの繋ぎではあるが、前王妃は2、3年前に病で亡くなっており、現国王の妻も同じく病でいないため王妃の務めをする者が空席状態となっている。余りにも長い間空席状態にする事は良くないので、一時的ではあるが王妃としての役割が必要である。その一時的役目として必要なのが後継者争いを行わないようにしないといけない。その条件を満たしているのが、自分であると書かれているのである。
つまり、王子が成人して即位する迄の繋ぎ役に王妃も欲しい。けど、後継者争いを起こしたくない。それなら姿が化け物で後継者をつくるなんて出来そうにない令嬢の自分が最適だからお願いねっと言う事である。
苛立ちより、それって良いのか?疑いたくなった。
数日後に王からの使者が来て、手紙と同じ内容で王命を伝えた。
その事にこの国は大丈夫なのかと少し心配した。
自分の跡継ぎについては以前叔父とその息子と相談していたので、後は彼らに任せる事になり、あれよあれよと現国王との結婚を終えてしまった。
結婚式は、盛大には行わず身内のみ行う形となった。
0
あなたにおすすめの小説
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。
いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。
「僕には想い合う相手いる!」
初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。
小説家になろうさまにも登録しています。
【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。
彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。
目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
【完結】どうか私を思い出さないで
miniko
恋愛
コーデリアとアルバートは相思相愛の婚約者同士だった。
一年後には学園を卒業し、正式に婚姻を結ぶはずだったのだが……。
ある事件が原因で、二人を取り巻く状況が大きく変化してしまう。
コーデリアはアルバートの足手まといになりたくなくて、身を切る思いで別れを決意した。
「貴方に触れるのは、きっとこれが最後になるのね」
それなのに、運命は二人を再び引き寄せる。
「たとえ記憶を失ったとしても、きっと僕は、何度でも君に恋をする」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる