私はビーストだと気がついた時

紙面挿花

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私はおそらく1人である

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月日は流れ、デビュタントを行う歳となった。
相変わらず王族から届くお茶会に続き夜会のお断りも書くようになった。どの道、私はそんなものに出ることができないので、最新のドレスやアクセサリーには軽く目を通すだけで終わらせていた。

そんな時、叔父から王城へ共に行くように言われた。理由は、貴族の令嬢が成人の儀として行うデビュタントを私個別で行う為である。いくら怪物の容姿だからと言って、何もさせないのは王族としての恥なのだそうだ。

謝罪する叔父の為に、乗り気では無いものの王城に行く為に色々と使用人に用意してもらい、王族に対してのマナー再確認を家庭教師に見てもらった。

王城へと登城した日、叔父にエスコートしてもらいながら城の中を見回した。初めての光景に少し胸を躍らせつつ、多くの人に見られる事にかなり緊張した。多くの人間にとって自分は物珍しい事には変わりは無い。向けてくる視線の多くは醜くく、恐ろしい容姿に対しての恐怖や嫌悪感を感じた。叔父に時折声を掛けてくれた事でそれを何とか凌いだ。本来なら、叔父の息子がエスコートするはずであるが、未だに私の容姿に怯えてしまった為であるが、むしろ叔父のおかげで安心してまうことはなんとまぁ、現金なものであると思った。

王が座る玉座の間に入ると同時に従者が私と叔父の名を読み上げる。
赤い絨毯の奥に王と王妃が鎮座している。彼らの前へと進み、令嬢のお辞儀をした。

「よくぞ参った」

低く響く声が聞こえた。よく聞くと、少しだけ震えていた。面を上げるように言われ、顔をあげると、王は静かに見下ろし、王妃は微笑んでいた。しかし、目には怯えていることが理解した。成人の儀を終え、帰路に着くまで馬車で揺られている中、私は叔父に告げた。

「今後、私にもしもの事があれば、叔父か叔父の息子に家督を継ぐ様に手続きをお願いします」
「急にどうしたのかね?」
「前から考えていたのですが、私は恐らく生涯1人でいることなります。」
「分かっていると思いますが、私は容姿もですがオーガとしての本能が強く出る事があります。そんな者と結婚することは難しいでしょう」
「だからと言って、私や息子でいいのかい?養子を迎える事も出来るはずだが」
「それも難しいと思いますし、まだ信用のおける叔父と彼がいいです」

なんとも言えない叔父の視線を逸らして、馬車の外を眺めた。
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