洋食屋ロマン亭

みやぢ

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Hallo! Baby<1>

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結婚パーティーからしばらくして、まどかさんは事務所を退所して僕のお店を手伝い始めた。

かおるさんとありすに教わりながら不慣れな接客にも生来の勘の良さも手伝って徐々に馴染んできた。

そんなある日のことだった。

「ちょっと調子がおかしいから病院へ行ってくるね」
そう言って出かけたまどかさんから珍しく電話がかかってきた。
「どうしたの?何かあった?」
「翔ちゃん…あのね、赤ちゃんできたみたい」
「えっ!」
「いま産婦人科で診てもらったら妊娠してるって」
「そうか…まずはお祝いしないとな」
「まだ早いよ、安定期に入ってないからあまり無理しないようにって言われたの、詳しいことは帰ってから話すね」
「わかった、とりあえず気を付けて帰っておいで」

なるべく早い時期に子供は欲しいと思っていたけどついにその時が来たみたいだ。

お店を開ける支度をしていると、まどかさんが帰ってきた。
「これから大変になるね、あまり無理はさせたくないからできることは何でも言ってよ」
「ありがと、でもせっかく慣れてきたからしばらくはお店手伝うわ、じっとしてるより適度に身体は動かしておいた方がいいそうだから」

そんな話をしているとかおるさんが出勤してきた。

「どうかしました?」
「かおるさん、実はね…」

訝しげにしていたかおるさんだが、まどかさんの妊娠を告げると表情がぱあっと変わった。

「おめでとうございます!一人だけとはいえ子育ては経験してるのでわからないことがあったら何でも聞いてくださいね」
「ありがとうございます、そう言ってもらえると助かります」

そうだった、今おふくろは海外にいるのでその『わからないこと』を聞ける人がいなかったのだ…身近にいる経験者はかおるさんだけだからなにかとお世話になりそうだ。

「とりあえず予定日直前くらいまではお店に出てくるのでいろいろ教えてください」
「わかりました、あまりご無理なさらないようにね」

いつも通りにランチタイムを捌き、かおるさんは帰っていった。

替わってありすが出勤してきたので、まどかさんの妊娠のことを話すと…

「えええぇーっ!それで赤ちゃんはいつ見られるんですか?」
「まだ半年以上も先だよ」
「楽しみー!」

ありすのリアクションを見てるとやっぱり女の子だなと思った。

「だからあまり無理させないように気をつけてあげて欲しいんだ」
「わかりましたー!」

とりあえず仕事も適度にセーブさせないと彼女の性格だと頑張り過ぎてしまうから流産でもしたらおおごとだ。

あとはうちの両親にいつ報告するかだな。
親父のことだから出産に立ち会うとか言いかねないからな。

しばらく考えたがもう少し黙っておくことにした。

次の休日、僕はまどかさんのご両親のお墓があるお寺を訪ねた。

『お義父さん、お義母さん、あなた達の孫となる子供を授かりました、無事に生まれるまでまどかさんとお腹の子を全力で守ります、お空の上から見守っていてください』

そう心の中でつぶやいてお墓の前で手を合わせた。

帰り際、本堂の方へ歩いて行こうとすると住職がいた。

「こんにちは、そちらのお墓は御夫婦が事故で一度に亡くなって…確か娘さんがひとりおられたはずだがご縁の方ですかな?」
「そうです、僕はその娘のまどかさんと結婚してもうすぐ子供が生まれるのでその報告に来ました」
「そうでしたか、大変なご苦労をされたようですが幸せに暮らせているようですね」
「はい!ありがとうございます」
「御仏のご加護がありますように」

そう言って住職は手を合わせた。




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