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Hallo! Baby <2>
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まどかさんは予定日直前までお店を手伝うと言ってくれたけど、お腹が大きくなってきてさすがに辛そうなので休んでもらうことにした。
そして遂にその日が来た。
ランチタイムが落ち着いてひと息ついていると携帯が鳴った、まどかさんからだ。
「翔ちゃん…陣痛始まったみたい…生まれるよ…」
「わかった!すぐに迎えに行くから!」
僕はすぐに弦さんに電話をした。
タイミング良く空車だったようですぐに来れるようだ。
そのあと産婦人科へ連絡して受け入れ準備を頼んだ。
「お店のことは大丈夫ですから早く行ってあげてください」
かおるさんがそう言って送り出してくれた。
車に乗り込むと弦さんが言った。
「翔ちゃん、こういう時はな、焦ったら負けだよ、どのみち男にはできることがないんだから」
「そういうもんですか?」
「そうだよ、うちのカミさんの時も、娘の時もそうだったよ、分娩室で手ェ握ってやるだけで安心するからよ」
「弦さん、娘さんいたんですね」
「おうよ、娘三人孫六人全部女の子だ、末の娘の子は先月生まれたばかりだから翔ちゃんとこの子と同級生になるわな」
「そう言ってもらえると心強いです」
やがて家に着いて苦しそうなまどかさんを連れて病院へ向かった。
病院へ着くと産婦人科の看護師さん達が待ち構えてすぐにまどかさんを運んで行く。
僕は受付で手続きを済ませて付き合ってくれた弦さんにお礼を言った。
「長丁場になるかもしれないからその覚悟だけはしておきなよ、ここからは我慢くらべだ」
「ありがとう、弦さん」
しばらくして看護師さんが呼びに来た。
「分娩室で立ち会いご希望でしたね」
「はい、そうです」
そう言って分娩室へと案内された。
「初めてのお産なので少し時間がかかるかもしれません、見守ってあげてください」
まどかさんは苦しそうな顔をしていた、けど弦さんが言った通り僕にはなすすべがない。
とにかく無事に終わるのを祈るだけだ。
まどかさんの手を握っていると苦しそうに握り返してくる。
そして…
大きな泣き声にはっとした。
「産まれました!女の子です!」
看護師さん達がテキパキと赤ちゃんを保育器に入れ、まどかさんの着衣を直してくれている。
看護師さんにうながされていったん廊下のベンチへと移動した。
「新生児室へ移動したので赤ちゃん見に行かれますか?」
「もちろんです」
看護師さんに案内されて新生児室へ行くと、赤ちゃんは眠っているみたいだった。
小さな赤ちゃん…僕の娘だ。
しばらくすると看護師さんが呼びにきた。
「奥さまが病室へ移られました」
病室へ入るとまどかさんは疲れたような、それでいてホッとしたような表情をしていた。
「赤ちゃん見た?」
「うん、見たよ…かわいかった」
「ふふっ、さっそく親バカ全開ね」
そう言ってまどかさんは笑った。
「まどかさん、お疲れさま…ありがとう」
僕はまどかさんを抱きしめた。
大事を取って二日ほどお店は休むことにした。
次の日、かおるさんから聞きつけたありす達が病院へやってきた。
「わーかわいい🩷」
「かわいいねー」
さくらと二人して新生児室の前で盛り上がっていた。
そしてゆき姉とあやちゃん、さらにあきこさんもやってきた。
「かわいいわねー、ベビーモデルお願いしたいわ」
みんなに祝福されて僕の娘は幸せだ。
一週間ほどしてまどかさんと娘は退院してきた。
名前は『あゆみ』と名付けた。
まどかさんの亡くなったご両親、『あきら』と『ゆり』から一文字ずつ取って、何があっても強く歩んで行けるようにとの想いを込めた。
まどかさんも納得してくれた。
「これから大変だね、僕もできるだけ協力するよ」
「ありがとう、でもお店は大丈夫?」
「なんとかなるよ、あゆみのためならがんばれる」
「頼もしくなったわね、その意気よ!」
半年ほどしてまどかさんはあゆみを連れてお店に出てくるようになった。
赤ちゃんは強力な癒やしになるというけれど、
みんな癒やしを求めてるようで、あゆみは瞬く間にお客さんたちの人気者になった。
いろんなことがあったけど、これからは僕たち三人で力を合わせて生きていこう、そう強く思った。
Hallo! baby <了>
そして遂にその日が来た。
ランチタイムが落ち着いてひと息ついていると携帯が鳴った、まどかさんからだ。
「翔ちゃん…陣痛始まったみたい…生まれるよ…」
「わかった!すぐに迎えに行くから!」
僕はすぐに弦さんに電話をした。
タイミング良く空車だったようですぐに来れるようだ。
そのあと産婦人科へ連絡して受け入れ準備を頼んだ。
「お店のことは大丈夫ですから早く行ってあげてください」
かおるさんがそう言って送り出してくれた。
車に乗り込むと弦さんが言った。
「翔ちゃん、こういう時はな、焦ったら負けだよ、どのみち男にはできることがないんだから」
「そういうもんですか?」
「そうだよ、うちのカミさんの時も、娘の時もそうだったよ、分娩室で手ェ握ってやるだけで安心するからよ」
「弦さん、娘さんいたんですね」
「おうよ、娘三人孫六人全部女の子だ、末の娘の子は先月生まれたばかりだから翔ちゃんとこの子と同級生になるわな」
「そう言ってもらえると心強いです」
やがて家に着いて苦しそうなまどかさんを連れて病院へ向かった。
病院へ着くと産婦人科の看護師さん達が待ち構えてすぐにまどかさんを運んで行く。
僕は受付で手続きを済ませて付き合ってくれた弦さんにお礼を言った。
「長丁場になるかもしれないからその覚悟だけはしておきなよ、ここからは我慢くらべだ」
「ありがとう、弦さん」
しばらくして看護師さんが呼びに来た。
「分娩室で立ち会いご希望でしたね」
「はい、そうです」
そう言って分娩室へと案内された。
「初めてのお産なので少し時間がかかるかもしれません、見守ってあげてください」
まどかさんは苦しそうな顔をしていた、けど弦さんが言った通り僕にはなすすべがない。
とにかく無事に終わるのを祈るだけだ。
まどかさんの手を握っていると苦しそうに握り返してくる。
そして…
大きな泣き声にはっとした。
「産まれました!女の子です!」
看護師さん達がテキパキと赤ちゃんを保育器に入れ、まどかさんの着衣を直してくれている。
看護師さんにうながされていったん廊下のベンチへと移動した。
「新生児室へ移動したので赤ちゃん見に行かれますか?」
「もちろんです」
看護師さんに案内されて新生児室へ行くと、赤ちゃんは眠っているみたいだった。
小さな赤ちゃん…僕の娘だ。
しばらくすると看護師さんが呼びにきた。
「奥さまが病室へ移られました」
病室へ入るとまどかさんは疲れたような、それでいてホッとしたような表情をしていた。
「赤ちゃん見た?」
「うん、見たよ…かわいかった」
「ふふっ、さっそく親バカ全開ね」
そう言ってまどかさんは笑った。
「まどかさん、お疲れさま…ありがとう」
僕はまどかさんを抱きしめた。
大事を取って二日ほどお店は休むことにした。
次の日、かおるさんから聞きつけたありす達が病院へやってきた。
「わーかわいい🩷」
「かわいいねー」
さくらと二人して新生児室の前で盛り上がっていた。
そしてゆき姉とあやちゃん、さらにあきこさんもやってきた。
「かわいいわねー、ベビーモデルお願いしたいわ」
みんなに祝福されて僕の娘は幸せだ。
一週間ほどしてまどかさんと娘は退院してきた。
名前は『あゆみ』と名付けた。
まどかさんの亡くなったご両親、『あきら』と『ゆり』から一文字ずつ取って、何があっても強く歩んで行けるようにとの想いを込めた。
まどかさんも納得してくれた。
「これから大変だね、僕もできるだけ協力するよ」
「ありがとう、でもお店は大丈夫?」
「なんとかなるよ、あゆみのためならがんばれる」
「頼もしくなったわね、その意気よ!」
半年ほどしてまどかさんはあゆみを連れてお店に出てくるようになった。
赤ちゃんは強力な癒やしになるというけれど、
みんな癒やしを求めてるようで、あゆみは瞬く間にお客さんたちの人気者になった。
いろんなことがあったけど、これからは僕たち三人で力を合わせて生きていこう、そう強く思った。
Hallo! baby <了>
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