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まどかさんの休日
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ある日のこと、晩ごはんを食べてゆっくりしているとまどかさんが、
「ねぇ翔ちゃん、何処か旅行へ行きたいね」
と言い出した。
確かに二人で暮らしだしてから旅行というものをしたことがない。
お店のことがあるし、なかなか二日続けての休みが取りにくいのもあった。
「そうだね、月曜が祝日だったら日,月と休めるから今度何処か行こうか」
「そうね!温泉でも行きましょ!」
まどかさんが身体を乗り出した。
翌日、旅行会社でパンフレットをもらってきて二人でいろいろ考えていた。
良さそうな温泉を見つけたので問い合わせてみるとその日は空室があるとのことだった。
やがて旅行当日、まどかさんはいつもより浮かれた感じだった。
「うれしいね、ふたりではじめての旅行だものね」
電車とバスを乗り継いで山裾の小さな旅館に着くと若女将が出迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいませ、どうぞごゆっくり」
案内された部屋は広々とした和室に縁側があり、用意されていたお茶を淹れて縁側の座椅子に二人で座った。
「すごいね、部屋に露天風呂がついてるのね」
「ここなら気兼ねなくいつでもゆっくり入れるからね」
しばらくして中居さんが夕食を持ってやってきた。
「失礼します、夕食をお持ちいたしました」
御膳いっぱいに盛られた数々の山の幸のお料理がこの宿の売りだそうだ。
中居さんにビールを注いでもらいながらふたりはお料理を味わっていた。
「普段お店の賄いでゆっくり食べてられないからね、こういうの嬉しいね」
「そうね、たまにはいいわね」
夕食を終えてくつろいでいると、
「せっかくだから一緒にお風呂入らない?」
と言ってきた。
「翔ちゃん先に入ってて」
僕は先に浴室へ入った。
しばらくしてまどかさんがバスタオルを巻いて入ってきた。
「あらためてだとなんか照れるね…」
湯船の中で二人は身体を寄せ合った。
「一緒にお風呂入るなんていつ以来だろうね」
「たぶんあの時以来かも…」
「うん…そうだね」
高校卒業を控えたある日、二人で出かけた時になんとなく帰り難くてホテルに泊まったのだ。
初めてキスして以降、なんとなくぎこちなくて進展はなかった、でもケンカするわけでもなかったし、何となく一緒にいることが多かった。
でもお互いに好きだと言う気持ちは強かったのだろう、二人とも自然に抱き合っていた。
家では親の目もあるしお互いに言いたいことが言えなかったのかもしれない。
その日は朝まで語り合った。
まどかさんが両親を亡くして以降、一緒に暮らしてきていろいろと気を使うことも多かっただろうと思う、
だから今はできるだけまどかさんが自由でいられるようにしている。
お風呂に入っている間に仲居さんが寝具の準備をしてくれていたようだ。
布団に枕が二つ並べられているのを見て、
僕たちは顔を見合わせて苦笑いした。
まどかさんの休日 <了>
「ねぇ翔ちゃん、何処か旅行へ行きたいね」
と言い出した。
確かに二人で暮らしだしてから旅行というものをしたことがない。
お店のことがあるし、なかなか二日続けての休みが取りにくいのもあった。
「そうだね、月曜が祝日だったら日,月と休めるから今度何処か行こうか」
「そうね!温泉でも行きましょ!」
まどかさんが身体を乗り出した。
翌日、旅行会社でパンフレットをもらってきて二人でいろいろ考えていた。
良さそうな温泉を見つけたので問い合わせてみるとその日は空室があるとのことだった。
やがて旅行当日、まどかさんはいつもより浮かれた感じだった。
「うれしいね、ふたりではじめての旅行だものね」
電車とバスを乗り継いで山裾の小さな旅館に着くと若女将が出迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいませ、どうぞごゆっくり」
案内された部屋は広々とした和室に縁側があり、用意されていたお茶を淹れて縁側の座椅子に二人で座った。
「すごいね、部屋に露天風呂がついてるのね」
「ここなら気兼ねなくいつでもゆっくり入れるからね」
しばらくして中居さんが夕食を持ってやってきた。
「失礼します、夕食をお持ちいたしました」
御膳いっぱいに盛られた数々の山の幸のお料理がこの宿の売りだそうだ。
中居さんにビールを注いでもらいながらふたりはお料理を味わっていた。
「普段お店の賄いでゆっくり食べてられないからね、こういうの嬉しいね」
「そうね、たまにはいいわね」
夕食を終えてくつろいでいると、
「せっかくだから一緒にお風呂入らない?」
と言ってきた。
「翔ちゃん先に入ってて」
僕は先に浴室へ入った。
しばらくしてまどかさんがバスタオルを巻いて入ってきた。
「あらためてだとなんか照れるね…」
湯船の中で二人は身体を寄せ合った。
「一緒にお風呂入るなんていつ以来だろうね」
「たぶんあの時以来かも…」
「うん…そうだね」
高校卒業を控えたある日、二人で出かけた時になんとなく帰り難くてホテルに泊まったのだ。
初めてキスして以降、なんとなくぎこちなくて進展はなかった、でもケンカするわけでもなかったし、何となく一緒にいることが多かった。
でもお互いに好きだと言う気持ちは強かったのだろう、二人とも自然に抱き合っていた。
家では親の目もあるしお互いに言いたいことが言えなかったのかもしれない。
その日は朝まで語り合った。
まどかさんが両親を亡くして以降、一緒に暮らしてきていろいろと気を使うことも多かっただろうと思う、
だから今はできるだけまどかさんが自由でいられるようにしている。
お風呂に入っている間に仲居さんが寝具の準備をしてくれていたようだ。
布団に枕が二つ並べられているのを見て、
僕たちは顔を見合わせて苦笑いした。
まどかさんの休日 <了>
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