花嫁は猫又⁉︎

みやぢ

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ちぐさとかずま<2>

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「……」

長い沈黙の後、かずま叔父さんが口を開いた。

「父さん、俺はやっぱりこのお社は継げないよ」

「そうか…だがちぐさとのことはどうする?」

「そのことをさっきまでちぐさと話していたんだけど、まだ答えは出てない」

「そうか…」

そこまで言っておじいちゃんはふぅっと息を吐いた。

「お社はたけるに委ねようと思っている、そこでお前にはたけるが一人前になるまでの補佐役を頼みたい」

「それは…」

「母さんの死はあやかしのせいではない」

「それはわかってる…ただ俺が受け入れられなかっただけだ…俺はここにいていいのか?」

「もちろんだ、ここはお前の生まれた家だ」

「父さん…」

「たけるが独り立ちしたらちぐさを連れてどこへでも行くがいいよ」

そう言うとおじいちゃんは僕の方を向いて言った。

「たける、聞いての通りだ、お前には無理を言うかもしれんが頼む」

「おじいちゃん…」

こうしてかずま叔父さんはいったんお社に戻って暮らすことになった、だけど拝み屋としての仕事はすぐにやめるわけにいかないので時々何日か出かけて行くこともあった。

そして僕は神職を目指して高校を卒業したら神職の学校に通うことになった。

その日の夜、にあは僕と並んで横になっていた。

「たける、この先わたしは一緒にいてもいいのか?」

「なんで?」

「たけるの迷惑になるのかなと思って…」

「らしくないな…僕は決めたんだ、ささやかでもいい、あやかしと人が共に暮らせる場所を作りたい」

「たける…」

「もちろんにあ、きみも一緒にね」

にあは僕に抱きついてじっと目を見て言った。

「キス…したい…」

僕はにあの頬にやさしく手を添えて唇を重ねた…

「たける…大好き♡」

「僕もだよ…」

そして翌日、家に戻って母さんに一部始終を話した。

「とりあえずは一件落着というわけね…」

「まぁね、でもこれからやらないといけないことは山積みだけど…」

「そうね、勉強もがんばらないとね」

僕と母さんの話を横で聞いていたにあがふと言った。

「わたしがたけるのためにできることはなんだろう…」

「にあちゃんはそのままでいいのよ、たけるががんばれるように元気づけてあげて」

「わたしも…巫女になれるかな?」

「まぁちぐさちゃんのこともあるから無理ではないと思うけど…」

「たけると一緒に暮らすのに少しでも助けになれば思うんだ」

「そうね、お父さんのお社で少しずつ学んでみる?」

「お願いします…」

「たけると一緒に少しずつ勉強すればいいわ」

僕とにあはおじいちゃんのお社で見習いとして奉仕することになった。

とりあえずは初詣や月次祭などの行事の時に手伝いに行き少しずつ神職の仕事を覚えていく、そしてにあも人との接し方を学んでいった。










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