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きつねとたぬき<1>
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最近学校で気になる子がいる…と言っても恋心ではなく、もののけ絡みなのだけど。
同じクラスの女の子、まお。
活発で明るい子でいつも何人かの女子生徒の輪の中心にいる。
だけど僕には何か気になる…
言葉にはできないけどちぐささんに抱いていたものと同じ感じがするのだ。
そんなある日のことだった、放課後帰る準備をしているとまおから声をかけられた。
「たけるくん、ちょっといいかな?」
「いいけど?」
「たけるくん神職の学校行くんだって?」
「うん、おじいちゃんが宮司をしてる神社を継ぐことになってね」
「そうなんだ、あたしもそういうの興味あるから今度その神社連れていってくれる?」
「週末はいつも神社で奉仕してるからいつでもいいよ」
「やった!都合ついたら教えるからよろしくねっ!」
そう言ってまおは小躍りした。
しばらくしてまおといっしょに神社に行く日がやってきた。
にあとふたりで駅で待っているとまおがやってきた。
「おはよう、あらっ?かわいい子ね、たけるくんの彼女?」
「まぁね、にあって言うんだ」
「そう、よろしくねっ!」
そういってまおは笑ったけど、にあは警戒気味だった。
「たける…あの子なに?」
「にあも何か感じるかい?」
「うん、普通の人じゃない気がする…」
そう言ってにあの手を握った時、一瞬何かが見えた気がしたけど僕は平静を装うことにした。
やがて隣町の駅でバスに乗り換えて神社に着いた。
「着いたよ」
「へぇ~ここなんだ、いい場所ね」
参道を登って行くとちぐささんが履き清めていた。
「にあちゃん、たけるくんもお疲れさま、あらっ?その子は…」
「こんにちは、たけるくんの同級生でまおっていいます」
「まおちゃんね、うちはちぐさ、よろしくね」
「うちのお社が見たいっていうから連れてきたんだ」
「かわいい子狸さんね」
「えっ!なんでわかったんですか⁉︎」
「ふふっ…すぐにわかったわよ」
どうやらちぐささんには視えていたようだ。
まおが僕の耳元で小さい声でささやいた。
「たけるくん、このことは学校ではナイショでお願いね…」
「わかってる、にあも猫又だし…」
「ええーっ!」
まおはそこで絶句した。
「ぜんぜん気づかなかった…」
「まぁ詳しい話は社務所に着いてからにしよう」
そう言って僕たちは参道を登り始めた。
社務所に着くとみずきさんが迎えてくれた。
「こんにちは、かわいい狸さんね、たけるくんのお友達?」
「同級生のまおさんだよ」
「あら、そうなのね」
ここでもまおは正体が見抜かれていたことに呆然としていた。
「ここって一体?」
「それはね…」
僕はまおにこのお社の由来、そして僕たちの出自について話し始めた。
同じクラスの女の子、まお。
活発で明るい子でいつも何人かの女子生徒の輪の中心にいる。
だけど僕には何か気になる…
言葉にはできないけどちぐささんに抱いていたものと同じ感じがするのだ。
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「たけるくん、ちょっといいかな?」
「いいけど?」
「たけるくん神職の学校行くんだって?」
「うん、おじいちゃんが宮司をしてる神社を継ぐことになってね」
「そうなんだ、あたしもそういうの興味あるから今度その神社連れていってくれる?」
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にあとふたりで駅で待っているとまおがやってきた。
「おはよう、あらっ?かわいい子ね、たけるくんの彼女?」
「まぁね、にあって言うんだ」
「そう、よろしくねっ!」
そういってまおは笑ったけど、にあは警戒気味だった。
「たける…あの子なに?」
「にあも何か感じるかい?」
「うん、普通の人じゃない気がする…」
そう言ってにあの手を握った時、一瞬何かが見えた気がしたけど僕は平静を装うことにした。
やがて隣町の駅でバスに乗り換えて神社に着いた。
「着いたよ」
「へぇ~ここなんだ、いい場所ね」
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「にあちゃん、たけるくんもお疲れさま、あらっ?その子は…」
「こんにちは、たけるくんの同級生でまおっていいます」
「まおちゃんね、うちはちぐさ、よろしくね」
「うちのお社が見たいっていうから連れてきたんだ」
「かわいい子狸さんね」
「えっ!なんでわかったんですか⁉︎」
「ふふっ…すぐにわかったわよ」
どうやらちぐささんには視えていたようだ。
まおが僕の耳元で小さい声でささやいた。
「たけるくん、このことは学校ではナイショでお願いね…」
「わかってる、にあも猫又だし…」
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「あら、そうなのね」
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