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ありすin future
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仕事を終えたありすは夕暮れの繁華街を歩いていた。
「おなか空いたなぁ…今日はセンパイのお店で晩ごはん食べよ」
路地裏でありすはふと足を止めた。
見覚えのある制服の少女が男たちに絡まれていたのだ。
「やめてください!」
不穏な雰囲気に思わず声をかけた。
「やめなさい!嫌がってるじゃない!」
そう言うと男たちはこちらを向いて、
「邪魔すんじゃねえ!」
そう言ってありすの胸元に掴み掛かろうとした男の手を捻って、くるりとひっくり返した
「この野郎!」
もう一人が襲いかかるとありすがハイキックを放つ…が男の鼻先で寸止めした
「ひっ!」
男はその場に尻餅を付いた。
「次は当てるよっ!」
ありすがドスの効いた声で言うと
「覚えてろっ!」
男達は走って逃げ去った
「大丈夫?怪我してない」
「はい、助けてくれてありがとうございます」
「母校の後輩の危機は見逃せないからね」
そう言ってありすは笑った。
「お姉さん、ウチの卒業生なんですか?」
「そうよ、わたしもその制服着てたからね」
「そうなんですねー」
そう言うと女の子は笑った
「カンフー…ですか?凄くカッコよかったです」
「ありがと、詠春拳…中国拳法ね」
「へぇー、わたしも習いたいなぁ…」
ありすは彼女に言った。
「ウチの教室来てみる?」
ありすは大学に入ってから、護身術と体幹トレーニングを兼ねて高校時代の同級生の両親が開く教室へ通っていた。
「そうだ、一緒にご飯食べに行かない?お姉さんが奢るよ」
「いいんですか?」
「教室の話もしたいし、いいお店知ってるから」
「はい!」
「そういえば名前聞いてなかったわね、わたしはありす、よろしくね」
「私ひなっていいます、よろしくお願いします」
「ひなちゃんね、じゃあ行こうか」
「はい!」
「今から行くお店のマスターと奥様もうちの学校の先輩なんだよ」
「そうなんですね、楽しみです」
二人は連れ立って歩き始めた。
やがて二人はオフィス街にあるレストランに着いた。
「ここよ、高校大学とここでバイトしてたんだ」
「ロマン亭、素敵な名前ですね」
中に入ると小学生くらいの女の子が笑顔で出迎えてくれた。
「ありすお姉ちゃん、いらっしゃいませー」
「あゆみちゃん、こんばんは」
「さぁ好きなの頼んでいいよ」
そう言われてひなはメニューを捲った
「どれも美味しそうですね」
しばらくしてまどかが料理を持ってきた。
「あら、懐かしい制服ね、お友達?」
「街でトラブってたのを助けたんです」
「そうなの、ゆっくりして行ってね」
そう言ってまどかは微笑んだ
話を聞くとひなは駅前の図書館へ行った帰りにさっきの男たちに絡まれたらしかった
「最近あの辺りも治安が悪くなってるからね、気をつけた方がいいよ」
「そうなんですね」
「とりあえず教室の住所渡しとくね、気が向いたら見にいらっしゃい」
そう言ってありすはメモを渡した
「素敵なお店ですね、ご夫婦も仲良しで娘さんも可愛いし」
「そうでしょ、また一緒に来ようね」
そう言って二人は店を出た。
「ありす先輩、何のお仕事してるんですか?」
「いろいろしてるけど一応本業はモデルかな」
「へぇー、スタイル良いですもんね」
「ありがと」
ありすは嬉しそうに笑った
それからしばらくして、ありすが教室に顔を出すと真新しい道着を着たひなが初級コースの小中学生に混ざって練習していた
「ふふっ、来たのね」
先生がありすを呼び止めてひなを紹介してくれた
「今日からお世話になります、よろしくお願いします」
ありすin futuer <了>
「おなか空いたなぁ…今日はセンパイのお店で晩ごはん食べよ」
路地裏でありすはふと足を止めた。
見覚えのある制服の少女が男たちに絡まれていたのだ。
「やめてください!」
不穏な雰囲気に思わず声をかけた。
「やめなさい!嫌がってるじゃない!」
そう言うと男たちはこちらを向いて、
「邪魔すんじゃねえ!」
そう言ってありすの胸元に掴み掛かろうとした男の手を捻って、くるりとひっくり返した
「この野郎!」
もう一人が襲いかかるとありすがハイキックを放つ…が男の鼻先で寸止めした
「ひっ!」
男はその場に尻餅を付いた。
「次は当てるよっ!」
ありすがドスの効いた声で言うと
「覚えてろっ!」
男達は走って逃げ去った
「大丈夫?怪我してない」
「はい、助けてくれてありがとうございます」
「母校の後輩の危機は見逃せないからね」
そう言ってありすは笑った。
「お姉さん、ウチの卒業生なんですか?」
「そうよ、わたしもその制服着てたからね」
「そうなんですねー」
そう言うと女の子は笑った
「カンフー…ですか?凄くカッコよかったです」
「ありがと、詠春拳…中国拳法ね」
「へぇー、わたしも習いたいなぁ…」
ありすは彼女に言った。
「ウチの教室来てみる?」
ありすは大学に入ってから、護身術と体幹トレーニングを兼ねて高校時代の同級生の両親が開く教室へ通っていた。
「そうだ、一緒にご飯食べに行かない?お姉さんが奢るよ」
「いいんですか?」
「教室の話もしたいし、いいお店知ってるから」
「はい!」
「そういえば名前聞いてなかったわね、わたしはありす、よろしくね」
「私ひなっていいます、よろしくお願いします」
「ひなちゃんね、じゃあ行こうか」
「はい!」
「今から行くお店のマスターと奥様もうちの学校の先輩なんだよ」
「そうなんですね、楽しみです」
二人は連れ立って歩き始めた。
やがて二人はオフィス街にあるレストランに着いた。
「ここよ、高校大学とここでバイトしてたんだ」
「ロマン亭、素敵な名前ですね」
中に入ると小学生くらいの女の子が笑顔で出迎えてくれた。
「ありすお姉ちゃん、いらっしゃいませー」
「あゆみちゃん、こんばんは」
「さぁ好きなの頼んでいいよ」
そう言われてひなはメニューを捲った
「どれも美味しそうですね」
しばらくしてまどかが料理を持ってきた。
「あら、懐かしい制服ね、お友達?」
「街でトラブってたのを助けたんです」
「そうなの、ゆっくりして行ってね」
そう言ってまどかは微笑んだ
話を聞くとひなは駅前の図書館へ行った帰りにさっきの男たちに絡まれたらしかった
「最近あの辺りも治安が悪くなってるからね、気をつけた方がいいよ」
「そうなんですね」
「とりあえず教室の住所渡しとくね、気が向いたら見にいらっしゃい」
そう言ってありすはメモを渡した
「素敵なお店ですね、ご夫婦も仲良しで娘さんも可愛いし」
「そうでしょ、また一緒に来ようね」
そう言って二人は店を出た。
「ありす先輩、何のお仕事してるんですか?」
「いろいろしてるけど一応本業はモデルかな」
「へぇー、スタイル良いですもんね」
「ありがと」
ありすは嬉しそうに笑った
それからしばらくして、ありすが教室に顔を出すと真新しい道着を着たひなが初級コースの小中学生に混ざって練習していた
「ふふっ、来たのね」
先生がありすを呼び止めてひなを紹介してくれた
「今日からお世話になります、よろしくお願いします」
ありすin futuer <了>
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