【書籍化決定】愛など初めからありませんが。

ましろ

文字の大きさ
34 / 67

33.疑わしきは

しおりを挟む
「ミッチェ、どうしたの?」

子供達に会うなり心配されてしまいました。

「すみません、ちょっと疲れる話し合いを頑張っただけですよ」
「ミッチェちかれたの?おひるねする?」
「大丈夫です。お二人のお顔を見たら、疲れなんて吹っ飛んでしまいましたから!」

本気でそうお伝えしたのに、何故か不審げな顔をされてしまいました。

「あ、そうですわ。お二人にお話したいことがあったのです」
「なぁに?」
「ダイアナ様のことです」
「お母様に何かあったの?」

凄く心配そうです。よかったわ。全然会いたいと言わないから、何かあったのかと思いましたが思い違いのようです。

「いえ。お二人は会いたいのを我慢しているのかなと思いまして。フェミィ様達は誰に気兼ねすることなく会いに行っていいのですよ?」
「……でも」
「勝手に会いに行ってはいけないのは旦那様だけですから」
「え!父さま、おしごとないとき母さまのそばよ?いっつもよ?」

なるほど。旦那様にお時間がある時はダイアナ様を独占していたのですね?だから、帰って来てからコニー様達は遠慮して会いに行かなかったのですか。
本当に駄目な旦那様です。

「残念ながらルールが変わりました」
「ルールって?」
「今まで旦那様がダイアナ様の側にいることが許されていたのは、お二人が結婚していたからです。
でも、今はサヨナラしてしまいましたので、旦那様は側にいてはいけない人になりました。
ですから、フェミィ様達がダイアナ様の一番です。会いたい時に会いたいと言っていいのですよ」

妻としての自覚が足りなくてうっかり許していた私がいけないのです。フェミィ様達に申し訳ないことをしてしまいました。

「……父さま、母さまとなかよしできないの?ないちゃうよ?」
「仕方がないのです。旦那様は私と結婚してしまいましたからね。今回、ダイアナ様を探しにいかれたのはちゃんとお別れするためですよ」

私は勘違いしていたのですよね。確かにダイアナ様を探すようお願いしましたけど、それは、よりを戻す為ではなく、けじめをつけてもらう為でした。
旦那様があまりにもダイアナ様愛に戻っていたせいで、すっかりと流されておりましたよ。

「旦那様は暫く落ち込んでしまうと思いますから、お二人が慰めてあげてくださいね」
「3人なの」
「え?」
「そうね。コニーの言う通り。慰めるのは私達3人の間違いでしょ?だってミッチェは妻なのだから」
「ん゛!?」
「どしておどろくの?ミッチェがいったよ?『わたしとけっこんしたから』って」

……合ってるけど合っていません。
妻ですけど愛は無いのですよ。さすがに言えませんけど。

「残念ながら、ダイアナ様程仲良しではありませんので、私が慰めても喜びませんよ」
「父さま、ミッチェのことすきだよ?」
「……ありえません」
「何て顔しているのよ。淑女のしていい顔じゃ無いわ」

だって!コニー様が恐ろしいことを仰るから!!

「でも、ミッチェはここにいてくれるのでしょう?」
「それはもちろん……」
「それなら今まで通り仲良くしないと」
「……いままでどおり?」
「そうよ」
「父さま、おしごと?それならおかしおとどけいく!」
「え?……ああっ、そういう!」

ご飯やお菓子のお届けみたいな仲良しですか。ビックリしました。そうですよね、お二人が男女としての仲良しを求めるはずありません。
自分の勘違いに、恥ずかしさで顔が赤くなりそうです。

「では、ダイアナ様にもお届けに行きますか?」
「いいの?」
「ポーラに体調を確認してからですけどね」
「はーい!」

持って行くお菓子の相談をしているところに、ブレイズ様がやってきました。

「ブレイズだ!」
「お久しぶりです。ユーフェミア様、コンラッド様」
「久しぶりね。どうしたの?」

あら?もしかして、ダイアナ様と駆け落ちという話は聞いていなかったのでしょうか?
ややこしい設定を増やすから、説明が面倒臭いことになってます。

「俺は今、ダイアナ様の専属執事なんです」

……そう来ましたか。

「そうなの?」
「はい。それにしてもお二人とも大きくなりましまね!」
「うん!父さまくらいおおきくなるの!」
「それは楽しみだ」

上手く話をそらしましね。執事が腹黒ってこんな感じでしょうか。ノーランのイメージは合っているかもしれません。
残念ながら、私はブレイズを信用していません。だってこの方、絶対にダイアナ様に恋心を抱いていますよね?
亡きお兄様の無念をはらす為、と、もっともらしいことを言ってましたけど、どこまで信じてよいのやら。
何なら、お二人の仲が進展しなかった原因なのでは?と思ったりするのですけど、どうなのでしょう。



しおりを挟む
感想 259

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。 だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。 「もう!どうしてなのよ!!」 クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!? 天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】 白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語 ※他サイトでも投稿中

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~

marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」 「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」 私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。 暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。 彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。 それなのに……。 やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。 ※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。 ※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。

転生先がヒロインに恋する悪役令息のモブ婚約者だったので、推しの為に身を引こうと思います

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【だって、私はただのモブですから】 10歳になったある日のこと。「婚約者」として現れた少年を見て思い出した。彼はヒロインに恋するも報われない悪役令息で、私の推しだった。そして私は名も無いモブ婚約者。ゲームのストーリー通りに進めば、彼と共に私も破滅まっしぐら。それを防ぐにはヒロインと彼が結ばれるしか無い。そこで私はゲームの知識を利用して、彼とヒロインとの仲を取り持つことにした―― ※他サイトでも投稿中

愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。

石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。 ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。 それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。 愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。 この作品は他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。

処理中です...