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殿下の存在にも慣れ、賑やかに馬車は進む。
ラファも楽しそう。リコにもうすぐ会えるね。
「リカルド、馬車を止めろ」
え?何の前触れも無く殿下が命じた。何?
「止めればいいか?進路も変えるか?」
「いや、ここだな」
「わかった」
リカルド様は不審に思う事なく馭者に止まるよう命じる。
「どっちだ?」
「私かな。父上だろう。すまない」
「大丈夫だ。バレリアノを信じろ。
ラファ、ルシア。悪いが二人とも馬車から出ないように。絶対に守るから安心して」
「わかりました。ラファのことはお任せを」
「頼んだ。すぐ終わらせる」
終わらせるとは……襲撃か。
二人が出てすぐ、馬車に守護と防音の結界が張られる。よかった。ラファには聞かせたくない。
「ラファおいで、二人に内緒でお菓子食べちゃおうか!見て?美味しそうでしょ。でも、2個しかないの。だから、ね?」
「……ん、ありがとるーちゃん」
ラファも何となく気付いてる。でも泣かないのね。偉い!大丈夫。リカルド様は強いもの。あれ?でも、殿下まで出て行ってよかったの?
しばらく待っていると、結界が解除された。軽いノックと共に、イリス様の声が掛かる。
「イリスです。開けますよ?」
「どうぞ。お疲れ様!」
「少しだけルシア様のお力を貸してください。ラファエル様は私といましょうね」
「わかった。ちょっと行ってくるね!」
外に出ると、戦闘は終了し、襲撃者達は捕縛されていた。見た所こちらの陣営に大きな怪我人はいないみたいで安心する。
「お待たせしました。何します?」
「すまん、こいつらのチェックを頼む。あと、あの時の拘束魔法は何人位いける?」
「そうですね、逃亡を防げばいいんですよね?それなら四肢にする必要はないかな。足裏の感覚異常なら30人くらいまとめ掛けできます」
「感覚異常?」
「一定の負荷が掛かると激痛が走るとか。くすぐったくて悶え死ぬとか?そんな感じです」
「……それもオルティス家の魔法か」
「はい、面白そうだったので覚えました」
「まあいい。それで頼む」
「分かりました。チェックから始めます」
ん~、なんで歯に毒を仕込むかなぁ。命を粗末にするなよムカつく。問答無用で全員の仕込み歯を一気に抜く。
「「ギャーッ!!」」
痛み有りで。奥歯抜くと痛いよね。止血はしたから大丈夫。
「……何をした?」
「歯に毒を仕込んでいたので除去しました。解毒は面倒なので抜きました。死ぬ気でいたなら痛くてもいいでしょう?たぶん痛がってる3名が襲撃の情報を知っている者達です。他は使われているだけの下っ端でしょう」
「分かりやすくなったよ」
リカルド様が軽くため息をつく。やり過ぎたかな。でも、命を粗末にする人が大嫌いなのだ。反省はしない。
その後、怪我人の治療も終え、馬車に戻る。
なんとなくさっきのことを思い出す。
嫌われたかな。ちょっと辛いかも。
私は本当に気が強い。可愛げがないと自覚している。それが私だと、考えを曲げる気も無くここまで頑張ってきた。そしたら……振られたのよね。
振られたんだよなぁ。結局は。
彼のプライドを傷付けているなんて気付かなかった。でも、気付いても何もできなかっただろう。私は医療魔法士をやめたくない。セシリオのことが大好きだったけど、彼を一番に考えて生きることはできなかった。
クラウディア様の言う事は悔しいけど合ってる。彼の為だけには生きられない。でも、順位付けって何?ただ大切なだけではどうして駄目なの?彼のことが大事だった。それだけでは足りないの?
駄目だな。さっきまで平気だったのに。
皆で楽しくおしゃべりして、笑っていたのに。
また、嫌われたかな……
「るーちゃん、だいじょぶ?いたい?」
ラファは本当にいい子だ。こんな小さな子が私の痛みに気付いてくれる。それなのに……
「違うの。私、優しくないなぁって。ラファはこんなに良い子なのに。私は悪い子みたい」
「どして?るーちゃんやさしいよ。だいすきよ。えんえんしないのよ!」
ラファが困ってる。なのに涙が止まらない。
「ルシア?!何があった!」
もう、なんでこのタイミングでふたりとも戻って来るの。情けなくて余計に涙が止まらない。
「違う、違うんです。ただ自己嫌悪で……」
「どうした?さっきまで惚れ惚れするくらい格好良かったのに。ルシアの魔法は初めてみたけど凄いね。魔力操作が上手い」
あれ?嫌われてない?でも腹黒だから気にならない?
「ルシア、すまなかった。君は医療魔法士なのにあんな事をさせて。命を粗末にする者が許せなかったんだろう?悪かったな」
優しく頭を撫でてくれる。ラファも真似して必死に撫でてくれる。殿下まで一緒にやるから髪の毛がクシャクシャだわ。
でも、私に呆れたんじゃなくて、悪いと思ってくれていただけ?
「……違うんです、いや、そうなんですけど。私が残酷なことを平気でやったから。その、嫌われたかと……」
「それを言ったら俺達は襲撃者を切り捨てたぞ。こちらも命がかかっているからな」
「ルシア、すまない。今回の襲撃は私のせいなんだ。嫌な思いをさせたな」
もう、なんで皆で慰めてくれるの。余計に泣けてくる。嫌われてなくてよかった。
人に嫌われるのが怖いなんて初めて思った……
ラファも楽しそう。リコにもうすぐ会えるね。
「リカルド、馬車を止めろ」
え?何の前触れも無く殿下が命じた。何?
「止めればいいか?進路も変えるか?」
「いや、ここだな」
「わかった」
リカルド様は不審に思う事なく馭者に止まるよう命じる。
「どっちだ?」
「私かな。父上だろう。すまない」
「大丈夫だ。バレリアノを信じろ。
ラファ、ルシア。悪いが二人とも馬車から出ないように。絶対に守るから安心して」
「わかりました。ラファのことはお任せを」
「頼んだ。すぐ終わらせる」
終わらせるとは……襲撃か。
二人が出てすぐ、馬車に守護と防音の結界が張られる。よかった。ラファには聞かせたくない。
「ラファおいで、二人に内緒でお菓子食べちゃおうか!見て?美味しそうでしょ。でも、2個しかないの。だから、ね?」
「……ん、ありがとるーちゃん」
ラファも何となく気付いてる。でも泣かないのね。偉い!大丈夫。リカルド様は強いもの。あれ?でも、殿下まで出て行ってよかったの?
しばらく待っていると、結界が解除された。軽いノックと共に、イリス様の声が掛かる。
「イリスです。開けますよ?」
「どうぞ。お疲れ様!」
「少しだけルシア様のお力を貸してください。ラファエル様は私といましょうね」
「わかった。ちょっと行ってくるね!」
外に出ると、戦闘は終了し、襲撃者達は捕縛されていた。見た所こちらの陣営に大きな怪我人はいないみたいで安心する。
「お待たせしました。何します?」
「すまん、こいつらのチェックを頼む。あと、あの時の拘束魔法は何人位いける?」
「そうですね、逃亡を防げばいいんですよね?それなら四肢にする必要はないかな。足裏の感覚異常なら30人くらいまとめ掛けできます」
「感覚異常?」
「一定の負荷が掛かると激痛が走るとか。くすぐったくて悶え死ぬとか?そんな感じです」
「……それもオルティス家の魔法か」
「はい、面白そうだったので覚えました」
「まあいい。それで頼む」
「分かりました。チェックから始めます」
ん~、なんで歯に毒を仕込むかなぁ。命を粗末にするなよムカつく。問答無用で全員の仕込み歯を一気に抜く。
「「ギャーッ!!」」
痛み有りで。奥歯抜くと痛いよね。止血はしたから大丈夫。
「……何をした?」
「歯に毒を仕込んでいたので除去しました。解毒は面倒なので抜きました。死ぬ気でいたなら痛くてもいいでしょう?たぶん痛がってる3名が襲撃の情報を知っている者達です。他は使われているだけの下っ端でしょう」
「分かりやすくなったよ」
リカルド様が軽くため息をつく。やり過ぎたかな。でも、命を粗末にする人が大嫌いなのだ。反省はしない。
その後、怪我人の治療も終え、馬車に戻る。
なんとなくさっきのことを思い出す。
嫌われたかな。ちょっと辛いかも。
私は本当に気が強い。可愛げがないと自覚している。それが私だと、考えを曲げる気も無くここまで頑張ってきた。そしたら……振られたのよね。
振られたんだよなぁ。結局は。
彼のプライドを傷付けているなんて気付かなかった。でも、気付いても何もできなかっただろう。私は医療魔法士をやめたくない。セシリオのことが大好きだったけど、彼を一番に考えて生きることはできなかった。
クラウディア様の言う事は悔しいけど合ってる。彼の為だけには生きられない。でも、順位付けって何?ただ大切なだけではどうして駄目なの?彼のことが大事だった。それだけでは足りないの?
駄目だな。さっきまで平気だったのに。
皆で楽しくおしゃべりして、笑っていたのに。
また、嫌われたかな……
「るーちゃん、だいじょぶ?いたい?」
ラファは本当にいい子だ。こんな小さな子が私の痛みに気付いてくれる。それなのに……
「違うの。私、優しくないなぁって。ラファはこんなに良い子なのに。私は悪い子みたい」
「どして?るーちゃんやさしいよ。だいすきよ。えんえんしないのよ!」
ラファが困ってる。なのに涙が止まらない。
「ルシア?!何があった!」
もう、なんでこのタイミングでふたりとも戻って来るの。情けなくて余計に涙が止まらない。
「違う、違うんです。ただ自己嫌悪で……」
「どうした?さっきまで惚れ惚れするくらい格好良かったのに。ルシアの魔法は初めてみたけど凄いね。魔力操作が上手い」
あれ?嫌われてない?でも腹黒だから気にならない?
「ルシア、すまなかった。君は医療魔法士なのにあんな事をさせて。命を粗末にする者が許せなかったんだろう?悪かったな」
優しく頭を撫でてくれる。ラファも真似して必死に撫でてくれる。殿下まで一緒にやるから髪の毛がクシャクシャだわ。
でも、私に呆れたんじゃなくて、悪いと思ってくれていただけ?
「……違うんです、いや、そうなんですけど。私が残酷なことを平気でやったから。その、嫌われたかと……」
「それを言ったら俺達は襲撃者を切り捨てたぞ。こちらも命がかかっているからな」
「ルシア、すまない。今回の襲撃は私のせいなんだ。嫌な思いをさせたな」
もう、なんで皆で慰めてくれるの。余計に泣けてくる。嫌われてなくてよかった。
人に嫌われるのが怖いなんて初めて思った……
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