悪女のレシピ〜略奪愛を添えて〜

ましろ

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第一章

小話その1 リボン

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何やら視線を感じます。

「パスカル。何を見ているの?」

食事中に相手をジロジロ見るのはマナー違反だと思います。

「………リボン」

ん?確かに今日はナタリーが髪に水色のリボンを結んでくれました。それが?

「欲しいの?」
「違うっ!」

叱られた。せぬ。

「…それ、自分で結んだのか?」
「いいえ?ナタリー……私のメイドがやってくれたわ」

すると、あからさまにホッとした顔をしました。

「だよな!自分でなんか結べないよな!」
「? そうね。鏡を見ながら結んでも、左右同じように結ぶのは難しいわ」
「え?!」
「え?」

わたし、何かおかしいことを言ったかしら。

「ぷはっ」

どうしたの?突然マイルズが笑い出しました。

「なあに?」
「パスカルは靴ひもが上手く結べなかったんだ」
「マイルズ!」
「なんでか縦結びになるんだよね!」
「この裏切り者ぉぉおっ!!」

あらあら。パスカルが真っ赤だわ。

「でも自分でやろうと努力したのでしょう?人の努力を笑うものでは無いわ」

どうせ今まで侍従が全てやっていたのなら仕方がないじゃない。…………たぶん?

「う、うるさい!明日にはできるようになってやるっ!」
「うん、がんばって。すぐ上手になるよ」
「……純粋な応援の方がツライよな?」
「くそおっ!覚えてろよっ!」

キッと私を睨みつけ、真っ赤な顔で席を立ってしまいました。
…………私が悪いの?なんで?

「マイルズ?」
「え、ごめん。怒った?」
「……私は悪くなかったもん」
「ごめん、悪いのは僕だ」
「ちゃんと謝って」
「大変申し訳ありませんでした」
「ちがう。パスカルに!」
「はーい、行ってくるよ」

パタパタと走っていったけど、パスカルの機嫌は直るかしら。

「ナタリー。なんでパスカルは私に怒ったの?」
「えぇっと、難しいですね」
「格好付けたがる年頃なんだと思いますよ」
「……マルクにもそんな年頃はあったの?」
「どうでしょう。あの年頃にはすでに剣術にハマっていましたから、女の子と関わることがあまりなく」
「いちおう私は妹なのに格好つけるの?」
「でも最近出会ったばかりの可愛い女の子ですから」

マルクも結構サラリと褒め言葉を口にするわね。それは恥ずかしくないのかしら。

「男の子って謎ね」




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