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第130話 襲撃
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一方そのころヴァルハラでは…
『ダグラス殿とグレイは無事に話を進められているかの…?…ん?来客じゃな。』
目の前から大きな影が、大きな揺れとともに迫ってきた。
昨日と同じ巨人族だ。
『数は…70ちょいってところかの。攻めてくる者は殲滅しろって指示じゃからの…油断せずに行くわい!』
グリムは建物の陰からアンデッド軍の軍勢を呼び出し、隊列を組ませた。
巨人族に比べて数は若干劣っているが、質では圧倒的に勝っている軍隊だ。
「全軍出撃じゃ!!訓練通りに動くのじゃ!!!」
巨人達は一つにまとまったまま、一直線にヴァルハラへと向かってくる。
対するアンデッド軍は前衛、中衛、後衛、遊撃に分かれて陣形を組んでいる。
『巨人たちは能無しかの?ホホッ!!!…じゃが油断大敵!!』
これはグリムにとって召喚後初の戦闘だ。
なので、どうしても初陣は勝ちを納めたいところ。
「グオオオ!!!!」
早速遊撃部隊にいるスケルトンアサシンが攻撃を仕掛けた。
巨人の分厚い首筋を掻っ切るのは難しいので、アキレス腱を狙ったようだ。
アキレス腱が断裂し、倒れたところにスケルトンナイト達が冷静にとどめを刺す。
…実に安全で見事な作戦だ。
『個々の能力は圧倒的に勝っておるがさすがに多勢に無勢じゃ…早いうちにどれだけ数を減らせるかが鍵になるのぅ…』
身体の大きさや力の強さなどの種族的特徴から、接近戦になったらあちらに分がある。
そのため、こちらの被害を可能な限り減らすには近づかれる前に倒し切る必要があるのだ。
「ウィザード隊、広範囲魔法の準備をするのじゃ!!」
スケルトンウィザード全員が火属性魔法の詠唱を開始した。
”ファイヤーボール”を唱える者、”ファイヤーアロー”を唱える者など、火属性魔法と言っても様々だった。
広範囲魔法の実態は、同じ属性の魔法の合成である。
同じ魔法を合成させるだけで威力が大幅に上昇し、時には全く異なる魔法に変貌を遂げるのだ。
「総員、相手の中心に向かって放つのじゃーー!!!火属性広範囲魔法”インフェルノ”!!!!」
ウィザード隊が魔法を放った次の瞬間、目の前は火の海になった。
高温の業火に焼かれて息絶える巨人達。
はたまた突然の広範囲燃焼によって酸素が薄くなり、息絶える巨人。
数分が経過して”インフェルノ”の効果が解けると、目の前にあったのは巨人たちの焼死体の山だった。
しかしその山の中から盛り上がりができ、身体が焦げて死にかけの一体の巨人が出てきた。
「グオオオ!!!!」
「仲間を犠牲にして生き残ったのかのぅ…その生存本能を評価して、儂が相手してやろうぞ!!」
巨人は大きな棍棒を握りしめ、一直線に走ってきた。
それに対し、グリムは何かの魔法詠唱を始めた。
そしてついに巨人がグリムの目の前まで来た。
しかし、グリムは未だ詠唱を続けている。
巨人が棍棒を振り上げた瞬間、ようやくグリムの詠唱が終了した。
今にも攻撃を受けそうだというのに、グリムの顔に焦りの色は見られなかった。
その顔は、勝利を確信している顔だった。
「死魔法”デスタッチ”。安らかに逝け。」
そう言ってグリムが巨人に触れると、巨人は突然倒れた。
巨人の身体にグリムが付けたと思われる傷が全く見当たらない。
ただ一瞬で心臓の鼓動が止まり、死に至ったのだ。
「命とはあっけないのぅ…っと、感慨に耽る前に報告せねばいかんな!」
結果、アンデッド軍は死者0人どころか負傷者0人の完封勝利を収めた。
「ダグラス殿、こちらは制圧完了したぞい!」
「そうか…ご苦労。」
そして舞台は会談場に戻る。
「オレの力の一部になれることを喜ぶんだな!!!」
巨人魔王候補者はその魔力を右手に凝縮させ、殴りかかってきた。
それを難なく回避すると、拳を受けた地面は生命力がなくなって死んだ大地になっていた。
「…ヴァルハラ領じゃないとはいえこの世界の害悪だな。これ以上大地が死んでも可哀そうだ。」
「お前…オレを舐めているのか…?さっさと死ねーー!!!!!」
「…舐めているのはお前の方だろうが!!!!」
俺は死の魔力を最大限に放出し、巨人魔王候補者を魔力の波動で吹き飛ばした。
「な、なんだよそのでたらめな死の魔力は…?」
「…その程度か?」
俺はヴァルハラに危険が及んだことに怒り、相手を睨みつけた。
その眼にはもう悲しみや哀れみの無い、純粋な殺意に満ち満ちていた。
「ま、待ってくれ!!そ、そうだ!!金をやる!!オレの土地もやる!!だ、だから助けてくれ!!!」
「…本当にクズだなお前は。…呆れた。もう死ね。」
そう言って巨人魔王候補者を膨大な死の魔力で完全に覆い、殺した。
「お疲れ様でした、ダグラス様。」
「ああ。グレイ、帰るぞ。」
「はっ!」
『ダグラス殿とグレイは無事に話を進められているかの…?…ん?来客じゃな。』
目の前から大きな影が、大きな揺れとともに迫ってきた。
昨日と同じ巨人族だ。
『数は…70ちょいってところかの。攻めてくる者は殲滅しろって指示じゃからの…油断せずに行くわい!』
グリムは建物の陰からアンデッド軍の軍勢を呼び出し、隊列を組ませた。
巨人族に比べて数は若干劣っているが、質では圧倒的に勝っている軍隊だ。
「全軍出撃じゃ!!訓練通りに動くのじゃ!!!」
巨人達は一つにまとまったまま、一直線にヴァルハラへと向かってくる。
対するアンデッド軍は前衛、中衛、後衛、遊撃に分かれて陣形を組んでいる。
『巨人たちは能無しかの?ホホッ!!!…じゃが油断大敵!!』
これはグリムにとって召喚後初の戦闘だ。
なので、どうしても初陣は勝ちを納めたいところ。
「グオオオ!!!!」
早速遊撃部隊にいるスケルトンアサシンが攻撃を仕掛けた。
巨人の分厚い首筋を掻っ切るのは難しいので、アキレス腱を狙ったようだ。
アキレス腱が断裂し、倒れたところにスケルトンナイト達が冷静にとどめを刺す。
…実に安全で見事な作戦だ。
『個々の能力は圧倒的に勝っておるがさすがに多勢に無勢じゃ…早いうちにどれだけ数を減らせるかが鍵になるのぅ…』
身体の大きさや力の強さなどの種族的特徴から、接近戦になったらあちらに分がある。
そのため、こちらの被害を可能な限り減らすには近づかれる前に倒し切る必要があるのだ。
「ウィザード隊、広範囲魔法の準備をするのじゃ!!」
スケルトンウィザード全員が火属性魔法の詠唱を開始した。
”ファイヤーボール”を唱える者、”ファイヤーアロー”を唱える者など、火属性魔法と言っても様々だった。
広範囲魔法の実態は、同じ属性の魔法の合成である。
同じ魔法を合成させるだけで威力が大幅に上昇し、時には全く異なる魔法に変貌を遂げるのだ。
「総員、相手の中心に向かって放つのじゃーー!!!火属性広範囲魔法”インフェルノ”!!!!」
ウィザード隊が魔法を放った次の瞬間、目の前は火の海になった。
高温の業火に焼かれて息絶える巨人達。
はたまた突然の広範囲燃焼によって酸素が薄くなり、息絶える巨人。
数分が経過して”インフェルノ”の効果が解けると、目の前にあったのは巨人たちの焼死体の山だった。
しかしその山の中から盛り上がりができ、身体が焦げて死にかけの一体の巨人が出てきた。
「グオオオ!!!!」
「仲間を犠牲にして生き残ったのかのぅ…その生存本能を評価して、儂が相手してやろうぞ!!」
巨人は大きな棍棒を握りしめ、一直線に走ってきた。
それに対し、グリムは何かの魔法詠唱を始めた。
そしてついに巨人がグリムの目の前まで来た。
しかし、グリムは未だ詠唱を続けている。
巨人が棍棒を振り上げた瞬間、ようやくグリムの詠唱が終了した。
今にも攻撃を受けそうだというのに、グリムの顔に焦りの色は見られなかった。
その顔は、勝利を確信している顔だった。
「死魔法”デスタッチ”。安らかに逝け。」
そう言ってグリムが巨人に触れると、巨人は突然倒れた。
巨人の身体にグリムが付けたと思われる傷が全く見当たらない。
ただ一瞬で心臓の鼓動が止まり、死に至ったのだ。
「命とはあっけないのぅ…っと、感慨に耽る前に報告せねばいかんな!」
結果、アンデッド軍は死者0人どころか負傷者0人の完封勝利を収めた。
「ダグラス殿、こちらは制圧完了したぞい!」
「そうか…ご苦労。」
そして舞台は会談場に戻る。
「オレの力の一部になれることを喜ぶんだな!!!」
巨人魔王候補者はその魔力を右手に凝縮させ、殴りかかってきた。
それを難なく回避すると、拳を受けた地面は生命力がなくなって死んだ大地になっていた。
「…ヴァルハラ領じゃないとはいえこの世界の害悪だな。これ以上大地が死んでも可哀そうだ。」
「お前…オレを舐めているのか…?さっさと死ねーー!!!!!」
「…舐めているのはお前の方だろうが!!!!」
俺は死の魔力を最大限に放出し、巨人魔王候補者を魔力の波動で吹き飛ばした。
「な、なんだよそのでたらめな死の魔力は…?」
「…その程度か?」
俺はヴァルハラに危険が及んだことに怒り、相手を睨みつけた。
その眼にはもう悲しみや哀れみの無い、純粋な殺意に満ち満ちていた。
「ま、待ってくれ!!そ、そうだ!!金をやる!!オレの土地もやる!!だ、だから助けてくれ!!!」
「…本当にクズだなお前は。…呆れた。もう死ね。」
そう言って巨人魔王候補者を膨大な死の魔力で完全に覆い、殺した。
「お疲れ様でした、ダグラス様。」
「ああ。グレイ、帰るぞ。」
「はっ!」
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