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第17話 冒険者活動

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翌朝、家族で朝食とったあと俺は武技の訓練をしていた。



『冒険者活動中は周りに人が多いし非常事態に備えたいから訓練できない。

だから午前にその分いっぱい頑張ろう!』



そう思い、師匠との訓練で日課になっていた走り込みと筋トレ・武技スキルの繰り返しをした。



訓練を終えてお風呂で汗を流し、家族で昼食をとってギルドに向かう準備をしていると、



「今日も冒険者活動しに行くのよね?無理せず頑張ってきなさい!」



と母さんが応援してくれた。



「ありがとう!行ってきます!」



「行ってらっしゃい!」



冒険者ギルドに着き、今日も”スライム討伐”のクエストを引き受けた。

早速草原に行き、魔力探知でスライムを探し、順調に狩っては能力略奪してを繰り返した。

20体目を狩って略奪したところで「ピロン!」と鳴り、物理耐性がE→Dに上がった。



やはり略奪で得たスキルのランク上げも通常と同じでF→Eは30、E→Dは50、D→Cは100回・・・で上昇すると思われる。



その後特にトラブルもなく、順調に進み、現在18:30の時点で68匹を狩った。



『門限ちょっと危なくなるけどあと2匹狩ったら報告に行くか。』



魔力探知を使ったのだがなかなか見当たらない。

唯一近くに反応があったのは、森林の浅い部分だった。



『森林はまだ足を踏み入れたことがないしちょっと怖いな…でもあと2匹だけだから狩ってすぐに帰ろう。』



そんなことを考えながら、俺は森林に足を踏み入れた。



『見つけた!』



近くに他の生物の反応はなく、スライム2匹だけのようだ。

俺は最速で仕留めるために短剣を投てきして倒した。



そして、何事もなく冒険者ギルドへとたどり着いた。

ギルド職員にまた討伐数を驚かれたが、無事に報告と換金を終えて家に着いた。



「おかえり。今日はどうだった?」



「ただいま父さん。今日はスライムを70匹狩ったよ。順調!」



「頑張ってるな!でも、冒険者は緊張が解けてきた時ほど命を落としやすいから気を付けるんだぞ?」



「うん。ありがとう。」



それから俺はスライムを狩り続けて1ヶ月くらいが経った頃、物理耐性スキルがSランクになったのでスライム狩りをやめた。

毎日スライムを50匹以上狩っていたので、俺は”スライムキラー”という二つ名がギルド職員の間など一部でつけられた。



「否定できない…ステータスに”スライムの天敵”って称号ついちゃったし…!

でもスライムから得られる”物理耐性”が魅力的だったからしょうがないじゃん!」



”スライムの天敵”の効果は対スライム戦闘でスキル威力+10%。



『もっとかっこいい二つ名がよかったなぁ…』



そんなことを思いつつも、俺は無難に次に周回するクエストはEランクの”ゴブリン討伐”に決めた。



これは10体討伐で報酬は銅貨5枚と、スライムに比べたら断然高い。



同時に、ポーション等を作れる”錬金F”スキルをSP消費で習得したので素材を集めながらスキルランクを上げていくことにした。



『ゴブリンと戦うのも生息地である森林に入るのも初めてだから気を付けよう…』



念のためバフ系スキルをすべて重ねがけした。



『準備は万端だ。じゃあ始めるか!』



”魔力探知”を使うと、早速100mくらい先にゴブリン4匹の集団を見つけた。

俺は奇襲をかけて”投てき”で一匹始末し、ゴブリンたちが困惑している間に後ろから忍び寄り仕留めた。



『あっけなかったな...早速ゴブリンから略奪するか。』



”鑑定&略奪”をすると、”器用F”を獲得した。



『…?あ、でも確かにゴブリンたちは石の斧とか自分たちで作ってるもんな…』



得られたスキルが意外だったので少し困惑したがすぐ納得した。



『”器用”は何事においても重要だから助かる。

もしかしたら”器用”のスキルランク上げたら錬金の成功確率上がったりするかもな。』



そんなことを考えながら狩り続けた。

すると、26匹目を狩ったところで6匹のゴブリンに囲まれている2人の人が魔力感知に引っかかった。



『俺にとっては他人だけど…助けにいくか。』



俺はその現場へ向かった。

近くに着き、気配を消して観察してみるとかわいい女の子一人が昏睡させられ、もう一人も耐えてはいるが限界のようだ。



『かわいいは正義だ!かわいいを犯すのは許さん!』



俺は激怒し、一瞬でゴブリン6匹を葬った。



「…大丈夫ですか?」



女性に話しかけるのに慣れていなくて少し緊張した。



「助けてくれてありがとう。私は大丈夫だけど、リサが…」



強い一撃を食らったのか、気絶している。



俺の回復魔法で治せるけど普通の冒険者は使えないからな…疑われてしまいそうだ。

だが、傷ついた美少女を放置できん!



そう思い、俺はもう一人の少女に気づかれないようリサという少女に”ヒール”をかけた。



「んん…」



「リサ!起きてよ!リサ!」



「ん…ミラ?」



「よかった…目を覚ました…」



「あれ…?私たちゴブリンと戦っててそれで…ゴブリンは?」



「この子が倒してくれたよ!」



「そっか…ありがとう。」



「間に合ってよかったです。」



「改めてお礼をさせて!あ、そうだ!私はミラ。それで倒れてた方がリサ。よろしくね!」



「俺はダグラスです。よろしくお願いします。そういえば、どうしてここにいたんですか?」



「そうだった。ミラたちは冒険者でね、今日はクエストの”ゴブリン討伐”と”薬草採取”でここに来たんだ。ダグラス君は?」



「俺も”ゴブリン討伐”でここに。」



「そっか!偶然だね!もしよかったら今日だけパーティ組んで一緒にやらない?」



正直この子たちは強くないし、足を引っ張るだけだろう。

俺に組むメリットがないし効率落ちるなぁ…

でも一度助けた人たちが明日死んでたら目覚めが悪いしな…



葛藤した結果、



「分かりました。臨時でパーティ組みましょう。」



「ありがとう!でも正直ミラたちは足引っ張っちゃうだろうから冒険者の先輩としてせめて知識をあげるよ。だよね、リサ?」



「うん。」



「ありがとうございます。」



その後俺は薬草の採取方法や魔物が少ないとされる安全地帯、逆に魔物が多いから近づかない方がいい危険地帯などを教わった。



「危険地帯か…レベリングするのにちょうどよさそうだな!今度見に行ってみるか!」



魔物との遭遇率がとても低く、俺はじれったく感じていたのだ。



そして時間が過ぎ、18:30頃になった。



「あの、すみません。俺門限が近いのでそろそろギルドに戻りたいです。」



「そっか。ギリギリまで付き合わせちゃってごめんね。ミラたちもそろそろ切り上げる?」



「そうだね。依頼は達成したし今日はこの辺でやめようか。」



俺たちは何事もなくギルドに着いた。



「ダグラス君、今日はミラたちを助けてくれて本当にありがとね!」



「いえ。こちらこそいろいろ教えてくれてありがとうございました。」



結局あの二人と組んでから4匹しか狩れず、計30匹だったが”器用”のランクがF→Eになった。



「まあ他の冒険者と知り合えたしいっか。」



受付で報告をしていると、ギルド員に話しかけられた。



「今日はゴブリンなんですね。スライムはもういいんですか?」



「はい。そろそろ難易度を上げてもいいかなと思いまして。」



そんな会話を終え、報酬の自宅に帰った。



「おかえり。今日はどうだった?」



「ただいま父さん。ゴブリンを30匹狩ったよ。」



「順調だな。これからも頑張れよ!」



「ありがとう。」



部屋に帰り、



『これからは毎日50匹以上狩ることを目標にして頑張ろう。』



などと考えている途中で俺は人付き合いで疲れたのか、すぐに寝てしまった。
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