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第82話 武闘国家

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拠点を構えた翌日、俺は1人で武闘都市に下見に来た。

まずは情報収集のためにギルドの資料室にやってきた。



『ここは資料が多いな…過去に大きな出来事でもあったのか?』



色々調べてみると、多くは武闘大会の記録だった。

何かがあったわけではなくてよかった。



得た情報をまとめると、

1.フィールドは森林と草原の2つで、ダンジョンが1つある

2.ここの魔物はスライム系と巨人系が多い

3.武闘大会は1年に1度行われている



といった感じだ。



ちなみに巨人系はトロールBやサイクロプスAなどで、基本的に魔物ランクが高い。

つまり、武闘都市で冒険者や傭兵、騎士団をしている人たちは皆猛者ぞろいだということだ。



『…武闘大会が楽しみだな。』



その後、俺は草原フィールドに向かった。

そこはスライムがたくさんおり、中にはポイズンスライムCやアシッドスライムCなどの亜種も存在していた。



『亜種は初めて見たな…倒してみるか。』



それぞれ毒・酸を吐いて攻撃してくるので、俺は”気配遮断”を行使して気づかれる前に”二刀流”で倒した。

”鑑定&略奪”してみると、”毒生成F”と”酸生成F”を習得した。



『予想通りだな。ヘビースネークの”麻痺毒生成”と同じで暗器に使うか。』



ちなみに二刀流のもう1つの剣は、マルコに予備でもらった海王の片手剣だ。

エンチャントも同じように施されているので、感謝しかない。



『そういえば槍・弓スキルも限界突破したし海王シリーズの槍と弓も作ってもらうか。』



武闘大会に備えて槍と弓も十分に力を発揮したいので、俺は装備を優先してマルコのもとへ向かった。



「おうダグラス!!どうしたんだ?」



「海龍の鱗で槍と弓矢も作ってほしい。」



「それなら一通りの武器は作ってあるぜ?ついてきな!!」



余分に渡した素材はこれに使っていたのか。



「こうなることを予想してたのか?」



「いやまさか!!俺の鍛冶とエンチャントの熟練度上げに作ったのさ!」



「だよな!」



「これだ!」



槍には”耐久力SSS”と”自動修復SSS”、”斬撃強化SSS”が、

弓には”耐久力SSS”と”自動修復SSS”、”速度上昇SSS”が、

矢には”耐久力SSS”と”自動修復SSS”、”貫通強化SSS”、”自動帰還SSS”が付与されていた。



「エンチャントの説明はいるか?」



「新しいのだけ頼む。」



まとめると、

”速度上昇”:矢の速度が大幅に上昇する。ただし、耐久力が少し下がる。

”貫通強化”:矢の貫通力が大幅に上昇する。ただし、耐久力が少し下がる。

”自動帰還”:一定時間経過で元々あった場所に戻る。ただし、他のすべての能力が少し下がる。



といった感じだ。



「なぁマルコ、この”自動帰還”の帰る先は正確にわかるのか?」



「ああ。もっと詳しく言うと、使用される寸前にあった場所に戻るんだ。」



「ってことは俺の場合は”アイテムボックス”の中ってことか?」



「ああ!便利だろ?」



「ああ!!気に入った!!!」



「そりゃあよかった!!」



それからマルコと少し話し、今度は森林フィールドの下見に戻った。

探索を始めて数分、トロールを見つけた。



『回復速度が高いからな…Fランクの二刀流と魔法武闘士で倒せるか…?』



試しに攻撃してみると、武器の性能のおかげですっぱり両断できた。



『おぉ…これなら大丈夫そうだな。』



トロールから得られる魔物スキルは既にSランクに到達しているので、標的はノーブルトロール以上にしようと思う。

また、スライムから得られる”物理攻撃耐性”の”限界突破”先である”物理攻撃無効”のランクを上げるためにスライムを倒しまくろうと思う。



『でも”限界突破”先のスキルランクも元のスキルを”鑑定&略奪”するだけで上がるのか…?』



”物理攻撃無効”のスキルを所持している魔物から奪わないとランクが上がらないかもしれないのだ。

その場合、まずこのスキルを所持している魔物を見つけるところから始まるので大変だ。



”魔法武闘”と”二刀流”のスキルが上がりやすいスライム討伐を優先しようと思う。

その後”レーダー”で見つけたスライムすべてを殲滅し、”鑑定&略奪”をしたがスキルランクは上がらなかった。



『奪った数が足りないのか…?それとも…』



今までで612体分を得たので、これ以上は上がらないのだろう。



『やっぱりスキルを所持している魔物を探すしかないか…』



草原の奥に行くと、スライムの進化先であるビッグスライムCが生息していた。

”鑑定”してみると、”物理攻撃無効”のスキルを習得していた。



『…ん!?こんな簡単に見つかるとは思わなかった…嬉しい誤算だな!』



今日はもう日が暮れてきたので、ビッグスライムの生息地を確認したところで帰宅した。
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