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第95話 武闘大会 決勝戦②
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師匠は俺がカウンターを狙っていることに気付いたのか、一度手にした槍を捨てて弓を構えた。
『なっ!?』
遠距離武器だとカウンターができない。
俺は”俊敏”と”敏捷”を使って攻撃に転じた。
「はぁぁぁ!!!!!!」
攻撃の形が固定されている武技スキルは隙に攻撃しない限り間違いなく防がれるだろう。
そう考え通常攻撃をすると、師匠は弓で防御した。
『えっ…!?』
俺は予期していなかった防御方法に驚いたものの、攻撃の目標を師匠から弓に変更して弦を斬った。
これで師匠の武器を1つ減らすことに成功した。
「な、なんと!!!ダグラス選手、攻撃速度に緩急をつけることでカイル選手の武器を1つ破壊することに成功しましたーーー!!!」
「今のは見事でしたね。ダグラス選手は思考速度が実に早い。」
「というと?」
「弓で防がれた瞬間、攻撃目標を武器破壊に変更したんです。」
「あの一瞬の間にそんなことが…」
俺は師匠の武器を破壊した刹那、それを好機だと捉え追撃した。
このまま武器を拾わせなければ、師匠の攻撃手段は体術のみに限定できるのだ。
『絶対に武器は拾わせまい!!』
そう思った次の瞬間、腹に強い衝撃を感じるとともに壁に吹き飛ばされた。
「がはっ!!!」
俺はその攻撃の正体がわからず、困惑した。
「な、なにが起こったのでしょうかーー!!!!攻めていたはずのダグラス選手が壁にめり込んでます!!」
「私の見間違いでなければ弓で槍スキルを行使しましたが…」
「まさかそんな…」
しかし、師匠は弓をあたかも槍のように持っている。
それに、今の素早く強い突きは槍スキルのものだ。
「…師匠、今のは槍スキルC”ラジカルスピア”ですか?」
「ああ。別に弓は弓スキルしか使えないとは限らないからな。思考の転換だ。」
「なるほど…」
やっぱり師匠はすごい人だ。
改めてそう実感した。
「でももう片手剣と短剣は使い物にならないぞ?」
「それはどうかな。」
「なっ!!まさか!!!」
地面に落ちている片手剣を見てみると、徐々に刃こぼれが直っていた。
『”自動修復”のエンチャントか!?いや、でも魔力を流す必要があるはずだ!!』
「”自動修復”のエンチャントを疑ってるだろ?」
「あ、ああ…」
「魔力を流すのに直したい武器に触れる必要があるのか?」
「…っ!!!」
”魔力探知”スキルを行使してみると、師匠から細くて薄い魔力の線が出ていた。
そして、それは壊れた武器に繋がっていた。
「…させない!!」
俺は”力”、”頑丈”等のバフ系魔物スキルを全て行使し、自らの能力を底上げして攻撃を始めた。
「くっ!!急に強くなったな…一体どんな手品を使ったんだ?」
「さてな!!師匠を倒す手品だよ!!」
強がっているものの、師匠には全く隙が無い。
少しでもそれを作るべく、俺は攻撃を一点に集中した。
全ての攻撃を防がれているものの、徐々に師匠の体勢が崩れてきた。
『そこだ!!!』
師匠の右足にできた隙を見逃さず、蹴りを入れた。
「ゴッ!!」
とても鈍い音が鳴った。
しかし、まるで大樹を蹴っているような感覚に襲われた。
『…え?』
俺は師匠の足を粉砕するくらいの気持ちで攻撃した。
それなのに、見てみると骨が折れてすらなかった。
『なっ!!どうして!!』
「…今のは危なかったぜ。ダグラスも”魔力念操作”を習得してたんだな。」
『っ!!そういうことか!!』
どうやら師匠は壊れた武器への魔力供給を辞め、足の防御に集中していたようだ。
「なんと!!!ダグラス選手、カイル選手に渾身の蹴りを入れたように見えましたが効いていないようです!!!」
「カイル選手の防御力は折り紙つきですからね。」
師匠のMP総量は俺よりも圧倒的に少ない。
そのアドバンテージを利用し、俺は師匠の何倍ものMPを消費して魔力を練った。
「…それは食らいたくないな。」
師匠は今もなお、壊れた弓しか持っていない。
仕掛けるには願ってもない好機だ。
『絶対に食らわせてやる!!』
俺は一気に間合いを詰め、片手剣の通常攻撃をした。
魔物スキルの効果によって、既に攻撃力、防御力、素早さ等の戦闘能力は俺の方が上回っている。
それにもかかわらず、師匠に1撃も食らわせることができない。
『くっ…!!』
その原因は戦闘経験の差だ。
今からそれを覆すことはできないので、何か作戦を考えなければならない。
一度攻撃を中断し、考えることに集中したいが隙を作れば師匠の武器は全て直されてしまう。
『どうするか…』
「今だ!!!」
師匠が叫ぶと同時に俺の攻撃がパリィされ、槍スキルS”メテオスピア”を行使してきた。
『まずい!!!』
俺は咄嗟に盾を前に出し、魔鎧を盾に集中して何とか防いだ。
「俺と戦ってる最中に考え事とは随分と余裕そうだな。」
全く持ってその通りだ。
師匠との戦闘中に考えてる余裕はない。
俺は一旦距離を取り、体勢を立て直した。
その間に師匠も壊れた武器を全て直し、仕切り直しだ。
「再戦と行こうか!!」
『なっ!?』
遠距離武器だとカウンターができない。
俺は”俊敏”と”敏捷”を使って攻撃に転じた。
「はぁぁぁ!!!!!!」
攻撃の形が固定されている武技スキルは隙に攻撃しない限り間違いなく防がれるだろう。
そう考え通常攻撃をすると、師匠は弓で防御した。
『えっ…!?』
俺は予期していなかった防御方法に驚いたものの、攻撃の目標を師匠から弓に変更して弦を斬った。
これで師匠の武器を1つ減らすことに成功した。
「な、なんと!!!ダグラス選手、攻撃速度に緩急をつけることでカイル選手の武器を1つ破壊することに成功しましたーーー!!!」
「今のは見事でしたね。ダグラス選手は思考速度が実に早い。」
「というと?」
「弓で防がれた瞬間、攻撃目標を武器破壊に変更したんです。」
「あの一瞬の間にそんなことが…」
俺は師匠の武器を破壊した刹那、それを好機だと捉え追撃した。
このまま武器を拾わせなければ、師匠の攻撃手段は体術のみに限定できるのだ。
『絶対に武器は拾わせまい!!』
そう思った次の瞬間、腹に強い衝撃を感じるとともに壁に吹き飛ばされた。
「がはっ!!!」
俺はその攻撃の正体がわからず、困惑した。
「な、なにが起こったのでしょうかーー!!!!攻めていたはずのダグラス選手が壁にめり込んでます!!」
「私の見間違いでなければ弓で槍スキルを行使しましたが…」
「まさかそんな…」
しかし、師匠は弓をあたかも槍のように持っている。
それに、今の素早く強い突きは槍スキルのものだ。
「…師匠、今のは槍スキルC”ラジカルスピア”ですか?」
「ああ。別に弓は弓スキルしか使えないとは限らないからな。思考の転換だ。」
「なるほど…」
やっぱり師匠はすごい人だ。
改めてそう実感した。
「でももう片手剣と短剣は使い物にならないぞ?」
「それはどうかな。」
「なっ!!まさか!!!」
地面に落ちている片手剣を見てみると、徐々に刃こぼれが直っていた。
『”自動修復”のエンチャントか!?いや、でも魔力を流す必要があるはずだ!!』
「”自動修復”のエンチャントを疑ってるだろ?」
「あ、ああ…」
「魔力を流すのに直したい武器に触れる必要があるのか?」
「…っ!!!」
”魔力探知”スキルを行使してみると、師匠から細くて薄い魔力の線が出ていた。
そして、それは壊れた武器に繋がっていた。
「…させない!!」
俺は”力”、”頑丈”等のバフ系魔物スキルを全て行使し、自らの能力を底上げして攻撃を始めた。
「くっ!!急に強くなったな…一体どんな手品を使ったんだ?」
「さてな!!師匠を倒す手品だよ!!」
強がっているものの、師匠には全く隙が無い。
少しでもそれを作るべく、俺は攻撃を一点に集中した。
全ての攻撃を防がれているものの、徐々に師匠の体勢が崩れてきた。
『そこだ!!!』
師匠の右足にできた隙を見逃さず、蹴りを入れた。
「ゴッ!!」
とても鈍い音が鳴った。
しかし、まるで大樹を蹴っているような感覚に襲われた。
『…え?』
俺は師匠の足を粉砕するくらいの気持ちで攻撃した。
それなのに、見てみると骨が折れてすらなかった。
『なっ!!どうして!!』
「…今のは危なかったぜ。ダグラスも”魔力念操作”を習得してたんだな。」
『っ!!そういうことか!!』
どうやら師匠は壊れた武器への魔力供給を辞め、足の防御に集中していたようだ。
「なんと!!!ダグラス選手、カイル選手に渾身の蹴りを入れたように見えましたが効いていないようです!!!」
「カイル選手の防御力は折り紙つきですからね。」
師匠のMP総量は俺よりも圧倒的に少ない。
そのアドバンテージを利用し、俺は師匠の何倍ものMPを消費して魔力を練った。
「…それは食らいたくないな。」
師匠は今もなお、壊れた弓しか持っていない。
仕掛けるには願ってもない好機だ。
『絶対に食らわせてやる!!』
俺は一気に間合いを詰め、片手剣の通常攻撃をした。
魔物スキルの効果によって、既に攻撃力、防御力、素早さ等の戦闘能力は俺の方が上回っている。
それにもかかわらず、師匠に1撃も食らわせることができない。
『くっ…!!』
その原因は戦闘経験の差だ。
今からそれを覆すことはできないので、何か作戦を考えなければならない。
一度攻撃を中断し、考えることに集中したいが隙を作れば師匠の武器は全て直されてしまう。
『どうするか…』
「今だ!!!」
師匠が叫ぶと同時に俺の攻撃がパリィされ、槍スキルS”メテオスピア”を行使してきた。
『まずい!!!』
俺は咄嗟に盾を前に出し、魔鎧を盾に集中して何とか防いだ。
「俺と戦ってる最中に考え事とは随分と余裕そうだな。」
全く持ってその通りだ。
師匠との戦闘中に考えてる余裕はない。
俺は一旦距離を取り、体勢を立て直した。
その間に師匠も壊れた武器を全て直し、仕切り直しだ。
「再戦と行こうか!!」
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