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第105話 神聖魔法
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『街にいる強い人をスカウトするって言ったけどそもそもどうやって強い人を見つけようか…』
街行く人を一人一人”鑑定”するのは時間がかかりすぎる。
かと言って全員を一気に”鑑定”する手段もない。
『いや…もしかしたら!!』
俺は対象範囲を武闘国家全域に指定して”レーダー”を展開した。
空白部分が無いほど人のマークでいっぱいになっている。
『めちゃくちゃ人いるな…でもこれができれば…!!』
何をしようかというと、”レーダー”に映す人の条件を設けることだ。
Lv.150以上に設定すると、その反応は5人まで減少した。
『5人しかいないのか…』
試しに残った反応を選択して”鑑定”してみると、遠くからでも成功した。
ちなみに5人というのは俺、リヴェリア、師匠、カルファ、ファビオだった。
『流石に大体の選手は帰った後か…』
リヴェリアはおそらくギルドでファビオと会うだろう。
俺は師匠とカルファのいる酒場に向かった。
「おうダグラス!!こんなところに来るとは珍しいな。」
「そうだな。ダグラスが酒場に来るのは意外だ。」
「二人に用があって来たんだ。」
俺が少し真剣な表情をすると、二人も何かを察したようで雰囲気が重くなった。
「…何があった?」
「武闘大会の報酬でもらった宝の地図の在り処に行ってきたんだ。」
「もう場所が分かったのか!!」
「ああ。」
「おいカイル、話の腰を折るな…」
「あ、ああ。すまない。」
師匠は深刻な話をしていてもすぐに他の興味があることに気が向いてしまう。
幼少時代に訓練を受けていた時から直っていないようだ。
『まあそこが師匠らしいか…』
「続けてくれ。」
「ああ。そこは廃墟だったんだが…ヴァンパイアの真祖の住処だった。」
「なっ!?真祖だと!?」
カルファが取り乱して大きな声を出した。
いつも冷静なので驚いた。
「いや…すまなかった。」
「それで、師匠とカルファの協力を求めに来たんだ。」
「なるほど…他に仲間は?」
「リヴェリアだけだ。今ギルドに協力者を探しにいってる。」
「いつの間にリヴェリアの奴と仲良くなってたのか!!」
「あ、ああ。利害の一致でパーティを組んだんだ。」
「そうか…あいつにもついに仲間が…」
師匠がなぜかリヴェリアの父親のように感慨にふけっているのは見なかったことにしよう。
おそらく師匠の、他人を自分の子のように話す癖だろう。
「おいカイル。話を逸らすな。」
「すまん…」
「それで、参加してくれるか?」
「ああ!!」
「もちろん!!」
「集合は正午に俺の屋敷だ。まだ時間があるが…どうする?」
「そうだな…敵の情報を共有してくれないか?」
「リヴェリアの指示で真祖を見つけると同時に撤退したから情報は…」
「そうか…」
最低でももう3回くらいは偵察に行き、敵戦力の把握をする必要があるだろう。
「今からは…流石にできないか。」
「そうだな…いや、できるかもしれない!」
「本当か!?」
「ああ。これをやると無防備になるから周囲を警戒してくれるか?」
「任せろ!!」
俺は宝の地図の場所を”レーダー”で展開し、生体反応一つ一つを”鑑定”した。
1時間ほどかかったが、何とか全員”鑑定”し終えた。
「…ふぅ。終わったぞ。」
「…どうだった?」
「場所は巨大な城を中心に広がった廃墟だ。中央の城に真祖が、警備に3体の公爵級、10体の侯爵級、伯爵級以下計176体で構成されてる。」
この数は俺も目を疑った。
何度も確認したが、間違いない。
「なっ!?そんなにいるのか!?」
「でもさすがは俺の弟子だな!!その偵察力は世界一かもしれん!!」
「ありがとう。みんななら公爵級は1対1で勝てるか?」
「ああ!!厄介なのは数だけだな…」
「そうだな…ダグラス、神聖魔法は使えるか?」
「神聖魔法?」
「光属性魔法がSになると解放されると言われてる魔法だ。教会長が行使できたはずだ。」
「確認してみる。」
俺はステータスを開き、習得可能スキル欄を開いた。
すると、たくさんの新しいスキルが解放されていた。
その中に神聖魔法も含まれていた。
「あった!!!」
俺は神聖魔法をSランクまで習得した。
神聖魔法は不浄な者に特化した魔法のようで、”ピュリフィケーション”などのアンデッドの浄化魔法ばかりだ。
ちなみにアンデッドの浄化は光属性魔法でも可能だが、神聖魔法の方が威力が強いようだ。
「それで、使えるか?」
「ああ!!」
「…そうか!!これでだいぶ戦況が変わるぞ!!」
カルファの意見が聞けて良かった。
神聖魔法A”オールエリアパーフェクトピュリフィケーション”で指定範囲すべての不浄な存在を浄化できる。
しかし強力なアンデッドまでは浄化できず、能力低下を与えるようだ。
「っ!!」
「どうしたダグラス!?」
「い、いやなんでもない。」
俺は神聖魔法Sに驚いて取り乱してしまった。
そこには”リザレクション”と書かれていたのだ。
効果は死んだ対象をHP1の状態に甦らせるようだ。
ただし、行使できるのは死亡後5分以内だけだ。
『これは世の理を壊しそうな気がするが…まあいいか。』
街行く人を一人一人”鑑定”するのは時間がかかりすぎる。
かと言って全員を一気に”鑑定”する手段もない。
『いや…もしかしたら!!』
俺は対象範囲を武闘国家全域に指定して”レーダー”を展開した。
空白部分が無いほど人のマークでいっぱいになっている。
『めちゃくちゃ人いるな…でもこれができれば…!!』
何をしようかというと、”レーダー”に映す人の条件を設けることだ。
Lv.150以上に設定すると、その反応は5人まで減少した。
『5人しかいないのか…』
試しに残った反応を選択して”鑑定”してみると、遠くからでも成功した。
ちなみに5人というのは俺、リヴェリア、師匠、カルファ、ファビオだった。
『流石に大体の選手は帰った後か…』
リヴェリアはおそらくギルドでファビオと会うだろう。
俺は師匠とカルファのいる酒場に向かった。
「おうダグラス!!こんなところに来るとは珍しいな。」
「そうだな。ダグラスが酒場に来るのは意外だ。」
「二人に用があって来たんだ。」
俺が少し真剣な表情をすると、二人も何かを察したようで雰囲気が重くなった。
「…何があった?」
「武闘大会の報酬でもらった宝の地図の在り処に行ってきたんだ。」
「もう場所が分かったのか!!」
「ああ。」
「おいカイル、話の腰を折るな…」
「あ、ああ。すまない。」
師匠は深刻な話をしていてもすぐに他の興味があることに気が向いてしまう。
幼少時代に訓練を受けていた時から直っていないようだ。
『まあそこが師匠らしいか…』
「続けてくれ。」
「ああ。そこは廃墟だったんだが…ヴァンパイアの真祖の住処だった。」
「なっ!?真祖だと!?」
カルファが取り乱して大きな声を出した。
いつも冷静なので驚いた。
「いや…すまなかった。」
「それで、師匠とカルファの協力を求めに来たんだ。」
「なるほど…他に仲間は?」
「リヴェリアだけだ。今ギルドに協力者を探しにいってる。」
「いつの間にリヴェリアの奴と仲良くなってたのか!!」
「あ、ああ。利害の一致でパーティを組んだんだ。」
「そうか…あいつにもついに仲間が…」
師匠がなぜかリヴェリアの父親のように感慨にふけっているのは見なかったことにしよう。
おそらく師匠の、他人を自分の子のように話す癖だろう。
「おいカイル。話を逸らすな。」
「すまん…」
「それで、参加してくれるか?」
「ああ!!」
「もちろん!!」
「集合は正午に俺の屋敷だ。まだ時間があるが…どうする?」
「そうだな…敵の情報を共有してくれないか?」
「リヴェリアの指示で真祖を見つけると同時に撤退したから情報は…」
「そうか…」
最低でももう3回くらいは偵察に行き、敵戦力の把握をする必要があるだろう。
「今からは…流石にできないか。」
「そうだな…いや、できるかもしれない!」
「本当か!?」
「ああ。これをやると無防備になるから周囲を警戒してくれるか?」
「任せろ!!」
俺は宝の地図の場所を”レーダー”で展開し、生体反応一つ一つを”鑑定”した。
1時間ほどかかったが、何とか全員”鑑定”し終えた。
「…ふぅ。終わったぞ。」
「…どうだった?」
「場所は巨大な城を中心に広がった廃墟だ。中央の城に真祖が、警備に3体の公爵級、10体の侯爵級、伯爵級以下計176体で構成されてる。」
この数は俺も目を疑った。
何度も確認したが、間違いない。
「なっ!?そんなにいるのか!?」
「でもさすがは俺の弟子だな!!その偵察力は世界一かもしれん!!」
「ありがとう。みんななら公爵級は1対1で勝てるか?」
「ああ!!厄介なのは数だけだな…」
「そうだな…ダグラス、神聖魔法は使えるか?」
「神聖魔法?」
「光属性魔法がSになると解放されると言われてる魔法だ。教会長が行使できたはずだ。」
「確認してみる。」
俺はステータスを開き、習得可能スキル欄を開いた。
すると、たくさんの新しいスキルが解放されていた。
その中に神聖魔法も含まれていた。
「あった!!!」
俺は神聖魔法をSランクまで習得した。
神聖魔法は不浄な者に特化した魔法のようで、”ピュリフィケーション”などのアンデッドの浄化魔法ばかりだ。
ちなみにアンデッドの浄化は光属性魔法でも可能だが、神聖魔法の方が威力が強いようだ。
「それで、使えるか?」
「ああ!!」
「…そうか!!これでだいぶ戦況が変わるぞ!!」
カルファの意見が聞けて良かった。
神聖魔法A”オールエリアパーフェクトピュリフィケーション”で指定範囲すべての不浄な存在を浄化できる。
しかし強力なアンデッドまでは浄化できず、能力低下を与えるようだ。
「っ!!」
「どうしたダグラス!?」
「い、いやなんでもない。」
俺は神聖魔法Sに驚いて取り乱してしまった。
そこには”リザレクション”と書かれていたのだ。
効果は死んだ対象をHP1の状態に甦らせるようだ。
ただし、行使できるのは死亡後5分以内だけだ。
『これは世の理を壊しそうな気がするが…まあいいか。』
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