125 / 186
第125話 過激派
しおりを挟む
戦力の増強を終え、結界の展開を終えた俺は考え事をしていた。
『…魔王候補者になったからと言って特にやることないんだよな。今まで通り魔物を倒しに行くか?…ってそういえばこの辺りで魔物を見かけないな。』
今更だが、俺はグレイの城に”転移”してきたので今地図のどこに位置しているのかを把握していなかった。
「グレイ。」
「はっ!いかがなさいましたか?」
「うぉっ!」
グレイは近くにいないのにも関わらず、脳内で声が聞こえて驚いた。
「”念話”スキルか?」
「いえ。おそらく”魔王候補者”と名付けの効果と思われます。」
「そうか。それで、この領地の所在地を教えて欲しい。」
「はっ!我々は今、人族が住む正大陸と魔族が住む魔大陸のちょうど中間あたりでございます。」
「…そうか。」
”魔大陸”という言葉は初めて耳にした。
いまいち実感が湧かないので、一度自分で視察しに行った方が賢明だろう。
「一度周辺を視察してくる。もしトラブルが起きたら呼んでくれ。」
「はっ!承知いたしました。」
以前たてた目標の一つである”世界中をマッピングして完全な地図を作る”を本格的に進める時が来た。俺は風属性魔法を駆使して上空に飛翔した。
『見渡す限りの荒野だな…』
魔族は魔力があれば生きていけるため食事などの動作を行わない。
なので、これほど荒野が広がっていればいくら配下が増えて屋敷を増設することになっても土地に困らなさそうだ。
『まずは…正大陸側に行ってみるか!』
”レーダー”を展開して周囲を警戒しているが、生物が一匹たりとも見当たらない。
元々生物がいない土地だったのだろうか。
全速力で飛ぶこと約三十分、城から30kmほど離れてようやく魔物の集団を見つけた。
『やっとか…なかなか遠かったな…』
そこに生息していたのはオーガとその上位互換であるロックオーガだった。
オーガの見た目は鬼に似ており、特徴的なのはその発達した膂力だ。
『俺のステータスならオーガの膂力でびくともしないが…今は周辺の探索がメインだから討伐は後回しにするか。』
ある研究によると、非常に高いHP量を持つ者は即死攻撃にさえ耐えうるとされている。
実際に心臓を貫かれても、脳天を勝ち割られても死なない者がいたそうだ。
『流石に試すのは怖いからやめておこう…』
その後飛ぶこと数十分、ついに人族の都市が見えてきた。
ここは要塞都市という、古の大戦で人族側の軍事基地として使用された場所らしい。
『…外壁何重になってるんだ?しかも素材は…鋼鉄か!?』
部分的に酸化しているものの、今でも十分軍事基地として機能するだろう。
『次は領地を中心にぐるっと回るか!!』
「ダグラス様、緊急事態です。」
そう思った矢先、グレイから報告が上がった。
「…なんだ?」
「領地に向かって強力な魔力の持ち主が向かってきています。」
「…そんなに強いのか?」
「私めと同等くらいかと。他の魔王候補者の可能性が高いと思われます。」
まさかこんなにも早く接触することになるとは思わなかった。
「…すぐ戻る。」
俺は玉座に”転移”した。
「おかえりなさいませ。」
「ああ。それで、その来客はどこに?」
「はっ!結界の外に。」
「わかった。グレイ、ついてきてくれ。」
「はっ!」
面倒なことにならなければいいのだが…
「おいおい、このイワン様を待たせるとは何様のつもりだ?」
「そうよそうよ!生意気なんだから!!」
赤い角に黒い羽、いかにも子悪党といった面構えで口の利き方も生意気だ。
しかし、こちらも荒い口調になったら絶対喧嘩になるので、落ち着いて対処しよう。
「あぁ!?貴様らこそダグラス様に対してなんて言葉遣いだ!!身の程を知れ!!!愚か者どもが!!!」
『…あーあ。』
グレイを連れてきたのは失敗だった。
過保護すぎるのか、俺の対して侮辱しようものなら真っ先に相手に喧嘩を売ってしまうような人だ。
「あぁ!?…ふん、まあ俺様は寛大だからな。条件付きで許してやらんこともない。」
「…条件とは?」
「このイワン様の下に付け!!そして勇者を殺す手伝いをしろ!!!」
自己中心的な発言に横暴な態度、そろそろキレそうなんだが。
というかもうキレているんだが。
「は?断るが?」
「お前…!俺様の善意を無駄にしやがって…!!死んで償え!!!!」
『…魔王候補者になったからと言って特にやることないんだよな。今まで通り魔物を倒しに行くか?…ってそういえばこの辺りで魔物を見かけないな。』
今更だが、俺はグレイの城に”転移”してきたので今地図のどこに位置しているのかを把握していなかった。
「グレイ。」
「はっ!いかがなさいましたか?」
「うぉっ!」
グレイは近くにいないのにも関わらず、脳内で声が聞こえて驚いた。
「”念話”スキルか?」
「いえ。おそらく”魔王候補者”と名付けの効果と思われます。」
「そうか。それで、この領地の所在地を教えて欲しい。」
「はっ!我々は今、人族が住む正大陸と魔族が住む魔大陸のちょうど中間あたりでございます。」
「…そうか。」
”魔大陸”という言葉は初めて耳にした。
いまいち実感が湧かないので、一度自分で視察しに行った方が賢明だろう。
「一度周辺を視察してくる。もしトラブルが起きたら呼んでくれ。」
「はっ!承知いたしました。」
以前たてた目標の一つである”世界中をマッピングして完全な地図を作る”を本格的に進める時が来た。俺は風属性魔法を駆使して上空に飛翔した。
『見渡す限りの荒野だな…』
魔族は魔力があれば生きていけるため食事などの動作を行わない。
なので、これほど荒野が広がっていればいくら配下が増えて屋敷を増設することになっても土地に困らなさそうだ。
『まずは…正大陸側に行ってみるか!』
”レーダー”を展開して周囲を警戒しているが、生物が一匹たりとも見当たらない。
元々生物がいない土地だったのだろうか。
全速力で飛ぶこと約三十分、城から30kmほど離れてようやく魔物の集団を見つけた。
『やっとか…なかなか遠かったな…』
そこに生息していたのはオーガとその上位互換であるロックオーガだった。
オーガの見た目は鬼に似ており、特徴的なのはその発達した膂力だ。
『俺のステータスならオーガの膂力でびくともしないが…今は周辺の探索がメインだから討伐は後回しにするか。』
ある研究によると、非常に高いHP量を持つ者は即死攻撃にさえ耐えうるとされている。
実際に心臓を貫かれても、脳天を勝ち割られても死なない者がいたそうだ。
『流石に試すのは怖いからやめておこう…』
その後飛ぶこと数十分、ついに人族の都市が見えてきた。
ここは要塞都市という、古の大戦で人族側の軍事基地として使用された場所らしい。
『…外壁何重になってるんだ?しかも素材は…鋼鉄か!?』
部分的に酸化しているものの、今でも十分軍事基地として機能するだろう。
『次は領地を中心にぐるっと回るか!!』
「ダグラス様、緊急事態です。」
そう思った矢先、グレイから報告が上がった。
「…なんだ?」
「領地に向かって強力な魔力の持ち主が向かってきています。」
「…そんなに強いのか?」
「私めと同等くらいかと。他の魔王候補者の可能性が高いと思われます。」
まさかこんなにも早く接触することになるとは思わなかった。
「…すぐ戻る。」
俺は玉座に”転移”した。
「おかえりなさいませ。」
「ああ。それで、その来客はどこに?」
「はっ!結界の外に。」
「わかった。グレイ、ついてきてくれ。」
「はっ!」
面倒なことにならなければいいのだが…
「おいおい、このイワン様を待たせるとは何様のつもりだ?」
「そうよそうよ!生意気なんだから!!」
赤い角に黒い羽、いかにも子悪党といった面構えで口の利き方も生意気だ。
しかし、こちらも荒い口調になったら絶対喧嘩になるので、落ち着いて対処しよう。
「あぁ!?貴様らこそダグラス様に対してなんて言葉遣いだ!!身の程を知れ!!!愚か者どもが!!!」
『…あーあ。』
グレイを連れてきたのは失敗だった。
過保護すぎるのか、俺の対して侮辱しようものなら真っ先に相手に喧嘩を売ってしまうような人だ。
「あぁ!?…ふん、まあ俺様は寛大だからな。条件付きで許してやらんこともない。」
「…条件とは?」
「このイワン様の下に付け!!そして勇者を殺す手伝いをしろ!!!」
自己中心的な発言に横暴な態度、そろそろキレそうなんだが。
というかもうキレているんだが。
「は?断るが?」
「お前…!俺様の善意を無駄にしやがって…!!死んで償え!!!!」
0
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる