127 / 186
第127話 スクロール
しおりを挟む
イワンを倒してから5日が経った。
城を中心とした半径50km以内の探索を終えた。
また、その際イワンが構えていたと思われる拠点を見つけた。
…まあもぬけの殻だったのでそのまま放置しておくことにしたが。
「ダグラス様、周囲はどういった様子でしたでしょうか?」
「半径30km地点までは何の魔物もいなかった。それ以降はオーガやスケルトン、ゴブリンとか様々な魔物の生息地だった。」
「なるほど…」
「どうして近くに生息しないのか分かるか?」
「おそらくダグラス様の強者の雰囲気を本能で感じとっているのでしょう。」
「そうなのか。」
確かに魔物は弱肉強食の世界に身を置いているので、危機管理能力が高いとされている。
実際に見るのは初めてだが、大したものだ。
「ねーねー!そんなことよりどうしてグレイとダグラス様は知り合いだったの?」
「あー…それは宝の地図が示す場所がグレイの城で…ってあ!!!宝!!!」
完全に宝のことを忘れていた。
そもそも宝を回収するためにグレイの城を攻めたというのに。
「宝…ですか?」
「ああ。グレイ、何か心当たりはないか?」
「いえ…」
「そうか。」
心当たりがないのなら、もしかしたら地中に埋まってたりするのかもしれない。
そもそも、その宝の地図が嘘だったという可能性も出てきた。
「一度見に行こう。」
「分かりました。城の内部は私めが案内いたします。」
「助かる。」
「ちょっとあたしを除け者にしないでよー!!!」
「あ、ああ。すまない。リリスはルカと共にヴァルハラを守ってくれ。」
「分かったわ!」
俺はグレイを連れて”転移”した。
あの時のことを思い出して罪悪感が蘇ってきたが、グレイは水に流そうとしていたので気にしないでおこう。
「そういえばグレイ、ここはこのままにしておくのか?」
「そうですね…特に使い道がありませんが…」
「良い城だからな。せっかくなら第二の拠点にしないか?」
「…承知いたしました。しかし、どのようなときに使うのですか?」
「そうだなぁ…例えば他の魔王候補者に俺たちの拠点を誤魔化すときとか?」
「なるほど…確かに使えそうですね。」
威厳を保つためグレイに言わないが、最悪ヴァルハラが危険な時の避難場所にも活用するつもりだ。
…まあそのときは俺が死ぬときだろうが。
「ダグラス様、宝の地図を一度見せてもらっても良いでしょうか?」
「ああ。」
俺は”アイテムボックス”から地図を取り出し、グレイに渡した。
「ここで間違いないようですね。では一度、城内を案内いたします。」
「ああ。」
それから時間をかけて城を探しまわったが、なかなか見つからない。
「…城内はここで最後か。ここは…?」
「宝物庫でございます。…部下が勝手に作って管理していた場所です。」
「…そうか。」
宝物庫のドアを開けると、そこは金銀財宝で溢れかえっていた。
「すごいな…」
「私めも…まさかこれほどになっていたとは知りませんでした…」
「所有権は全てグレイに渡すが…どうする?」
「全てダグラス様に献上いたします。」
「ありがとう。」
全て”アイテムボックス”にしまい、”鑑定”した。
しかし、金や装飾品ばかりで宝と思われる物は見つからなかった。
「ダグラス様、地面に隠し扉がございます。」
「…財宝に埋もれていたのか。」
罠を警戒して”罠探知”を行使したが、何も仕掛けられていなかった。
「…開けるぞ?」
「お気をつけください。」
「ああ。」
ギィ…と音を立てながらゆっくりと開けた。
すると、隠し扉の中は1平方メートルほどの空間で、古びた箱が一つぽつんと置いてあった。
”罠探知”を行使してみると、罠は既に発動していた。
『…おかしいな。』
”鑑定”してみると、その罠は毒針を飛ばすものだったようだ。
この箱の中身は空であるはずが高い。
「…グレイ、以前部下が毒にかかったことはあったか?」
「はい。確か箱を開けて…っ!!その箱が?」
「多分な。その時毒にかかった部下はどうなった?」
「毒回復ポーションで治しました。その後箱を危険視して部下にしまうよう言ったのです。」
「そうか。…開けるぞ。」
「はい。」
箱の中身は古びた紙の巻物一つだった。
「これは…スクロールか?」
「おそらく。見るのは初めてでございます。」
「…俺もだ。」
以前フィオナ先生に見せてもらった文献によると、スクロールに似せた罠を生産していた時期があった。
それは開けるとデバフがかかるスクロールで、一番酷いものは周辺10m内にいた者全てを毒状態にさせたらしい。
「グレイ、離れてくれ。」
「はっ!」
グレイと20mほど距離を取ると、俺はそのスクロールを開けた。
すると、ピロン!!というステータス音がした。
ステータスを見てみると、”召喚魔法F”というのが増えていた。
宝の地図はどうやら本物だったようだ。
城を中心とした半径50km以内の探索を終えた。
また、その際イワンが構えていたと思われる拠点を見つけた。
…まあもぬけの殻だったのでそのまま放置しておくことにしたが。
「ダグラス様、周囲はどういった様子でしたでしょうか?」
「半径30km地点までは何の魔物もいなかった。それ以降はオーガやスケルトン、ゴブリンとか様々な魔物の生息地だった。」
「なるほど…」
「どうして近くに生息しないのか分かるか?」
「おそらくダグラス様の強者の雰囲気を本能で感じとっているのでしょう。」
「そうなのか。」
確かに魔物は弱肉強食の世界に身を置いているので、危機管理能力が高いとされている。
実際に見るのは初めてだが、大したものだ。
「ねーねー!そんなことよりどうしてグレイとダグラス様は知り合いだったの?」
「あー…それは宝の地図が示す場所がグレイの城で…ってあ!!!宝!!!」
完全に宝のことを忘れていた。
そもそも宝を回収するためにグレイの城を攻めたというのに。
「宝…ですか?」
「ああ。グレイ、何か心当たりはないか?」
「いえ…」
「そうか。」
心当たりがないのなら、もしかしたら地中に埋まってたりするのかもしれない。
そもそも、その宝の地図が嘘だったという可能性も出てきた。
「一度見に行こう。」
「分かりました。城の内部は私めが案内いたします。」
「助かる。」
「ちょっとあたしを除け者にしないでよー!!!」
「あ、ああ。すまない。リリスはルカと共にヴァルハラを守ってくれ。」
「分かったわ!」
俺はグレイを連れて”転移”した。
あの時のことを思い出して罪悪感が蘇ってきたが、グレイは水に流そうとしていたので気にしないでおこう。
「そういえばグレイ、ここはこのままにしておくのか?」
「そうですね…特に使い道がありませんが…」
「良い城だからな。せっかくなら第二の拠点にしないか?」
「…承知いたしました。しかし、どのようなときに使うのですか?」
「そうだなぁ…例えば他の魔王候補者に俺たちの拠点を誤魔化すときとか?」
「なるほど…確かに使えそうですね。」
威厳を保つためグレイに言わないが、最悪ヴァルハラが危険な時の避難場所にも活用するつもりだ。
…まあそのときは俺が死ぬときだろうが。
「ダグラス様、宝の地図を一度見せてもらっても良いでしょうか?」
「ああ。」
俺は”アイテムボックス”から地図を取り出し、グレイに渡した。
「ここで間違いないようですね。では一度、城内を案内いたします。」
「ああ。」
それから時間をかけて城を探しまわったが、なかなか見つからない。
「…城内はここで最後か。ここは…?」
「宝物庫でございます。…部下が勝手に作って管理していた場所です。」
「…そうか。」
宝物庫のドアを開けると、そこは金銀財宝で溢れかえっていた。
「すごいな…」
「私めも…まさかこれほどになっていたとは知りませんでした…」
「所有権は全てグレイに渡すが…どうする?」
「全てダグラス様に献上いたします。」
「ありがとう。」
全て”アイテムボックス”にしまい、”鑑定”した。
しかし、金や装飾品ばかりで宝と思われる物は見つからなかった。
「ダグラス様、地面に隠し扉がございます。」
「…財宝に埋もれていたのか。」
罠を警戒して”罠探知”を行使したが、何も仕掛けられていなかった。
「…開けるぞ?」
「お気をつけください。」
「ああ。」
ギィ…と音を立てながらゆっくりと開けた。
すると、隠し扉の中は1平方メートルほどの空間で、古びた箱が一つぽつんと置いてあった。
”罠探知”を行使してみると、罠は既に発動していた。
『…おかしいな。』
”鑑定”してみると、その罠は毒針を飛ばすものだったようだ。
この箱の中身は空であるはずが高い。
「…グレイ、以前部下が毒にかかったことはあったか?」
「はい。確か箱を開けて…っ!!その箱が?」
「多分な。その時毒にかかった部下はどうなった?」
「毒回復ポーションで治しました。その後箱を危険視して部下にしまうよう言ったのです。」
「そうか。…開けるぞ。」
「はい。」
箱の中身は古びた紙の巻物一つだった。
「これは…スクロールか?」
「おそらく。見るのは初めてでございます。」
「…俺もだ。」
以前フィオナ先生に見せてもらった文献によると、スクロールに似せた罠を生産していた時期があった。
それは開けるとデバフがかかるスクロールで、一番酷いものは周辺10m内にいた者全てを毒状態にさせたらしい。
「グレイ、離れてくれ。」
「はっ!」
グレイと20mほど距離を取ると、俺はそのスクロールを開けた。
すると、ピロン!!というステータス音がした。
ステータスを見てみると、”召喚魔法F”というのが増えていた。
宝の地図はどうやら本物だったようだ。
0
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -
花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。
魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。
十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。
俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。
モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる