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第三部
パーフェクト・ワールド・エンドⅫ ④
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「この学園に入る前から、向原さんのことも知ってはいたよ。成瀬さんが陵に行ってからも、俺、遊んでほしくて、長期休暇のたびについて回ってたからさ。その流れで向原さんにも遊んでもらってたんだ」
「遊んでもらってた……」
多大なる違和感が駆け抜けていったが、気にしないふりに努める。成瀬を筆頭に、三年生が大人びているからずっと年上に感じていただけで、実際は二学年しか変わらないのだ。
あるいは、はじめて出逢ったときから、あの人たちが学園の中心で頂点だったから、遠い存在だと思っていたのかもしれない。
けれど、高藤にとっては、そうでないのだ。
「今になって思うと、中学生の集まりに小学生がひとり混じってるの、すごい邪魔だったと思うんだけどさ。向原さんもだけど、篠原さんも茅野さんも邪険にしなかったもんだから、ほいほい入り浸っちゃって」
「篠原先輩たちも一緒だったんだ」
「うん。茅野さんがいないことはあったけど、だいたいその四人だったな。長期休暇になると、誰かの別荘に集まってて。……まぁ、成瀬さんの場合は、自分の家に居たくなかったのかな」
これも、今になって思えばだけど、と高藤は苦笑していたが、わかるような気もした。
以前にも似たようなことを聞いたからだ。成瀬の家の事情は少々込み入っていると。
「そんなわけで、そのころからの付き合いなんだけど。うん、そうだな。さっきも言ったとおりで、たいして親しくもない子どもの相手を嫌な顔見せずにしてくれる程度にはいい人だけど?」
どうだと言わんばかりのものを感じて、「それって」と行人は反論を絞り出した。
「さっきおまえが言ったとおりで、成瀬さんが連れてきた子どもだったからじゃねぇの」
「まぁ、そうかもね」
あっさりと認められてしまって、口を閉ざす。返す言葉もなにもあったものじゃなかった。
「でも、俺からしたら、かまってもらってたことに変わりはないし」
「……あっそ」
「それに、なんだろ。俺からすると、成瀬さん個人を大事にしてくれてる人って時点で、信頼できるいい人だからなぁ」
含みを感じて首を傾げると、高藤は取り繕うように笑った。
「榛名だって、身に覚えがなくはないだろ。自分じゃなくて、自分の家を目当てに近づいてくるやつとか。その、……あの人は、なんていうか、そういうのが顕著に多かったから」
少しの間を置いてから、だから、と言葉が続いた。少しだけ悩んでいるようにも聞こえた気はしたけれど。
「俺は、あの人はここに入ってよかったんだと思ってるよ。向原さんたちと出会ってよかったんだと、俺は今もそう思ってる」
「遊んでもらってた……」
多大なる違和感が駆け抜けていったが、気にしないふりに努める。成瀬を筆頭に、三年生が大人びているからずっと年上に感じていただけで、実際は二学年しか変わらないのだ。
あるいは、はじめて出逢ったときから、あの人たちが学園の中心で頂点だったから、遠い存在だと思っていたのかもしれない。
けれど、高藤にとっては、そうでないのだ。
「今になって思うと、中学生の集まりに小学生がひとり混じってるの、すごい邪魔だったと思うんだけどさ。向原さんもだけど、篠原さんも茅野さんも邪険にしなかったもんだから、ほいほい入り浸っちゃって」
「篠原先輩たちも一緒だったんだ」
「うん。茅野さんがいないことはあったけど、だいたいその四人だったな。長期休暇になると、誰かの別荘に集まってて。……まぁ、成瀬さんの場合は、自分の家に居たくなかったのかな」
これも、今になって思えばだけど、と高藤は苦笑していたが、わかるような気もした。
以前にも似たようなことを聞いたからだ。成瀬の家の事情は少々込み入っていると。
「そんなわけで、そのころからの付き合いなんだけど。うん、そうだな。さっきも言ったとおりで、たいして親しくもない子どもの相手を嫌な顔見せずにしてくれる程度にはいい人だけど?」
どうだと言わんばかりのものを感じて、「それって」と行人は反論を絞り出した。
「さっきおまえが言ったとおりで、成瀬さんが連れてきた子どもだったからじゃねぇの」
「まぁ、そうかもね」
あっさりと認められてしまって、口を閉ざす。返す言葉もなにもあったものじゃなかった。
「でも、俺からしたら、かまってもらってたことに変わりはないし」
「……あっそ」
「それに、なんだろ。俺からすると、成瀬さん個人を大事にしてくれてる人って時点で、信頼できるいい人だからなぁ」
含みを感じて首を傾げると、高藤は取り繕うように笑った。
「榛名だって、身に覚えがなくはないだろ。自分じゃなくて、自分の家を目当てに近づいてくるやつとか。その、……あの人は、なんていうか、そういうのが顕著に多かったから」
少しの間を置いてから、だから、と言葉が続いた。少しだけ悩んでいるようにも聞こえた気はしたけれど。
「俺は、あの人はここに入ってよかったんだと思ってるよ。向原さんたちと出会ってよかったんだと、俺は今もそう思ってる」
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