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第三部
パーフェクト・ワールド・ゼロⅤ ②
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「それに、僕たち仲良しでしょう? だって、僕は、今までも四谷くんにいろいろとお話してもらって、すごく楽しかったし。これからも、もっといっぱいしたいなぁって思ってるもの」
だからね、と水城は笑顔で駄目を押した。自分の要望が通らないことなんて、ほとんどないと知っている。この場に関して言えば、百パーセントだ。
「四谷くんが勘違いで非難されたらかわいそうだなぁって心配になっちゃったんだ。四谷くんがこれからも仲良くしてくれるなら、本当は仲良しなこと、僕、これからもちゃんと秘密にする。だから、安心してくれたらうれしいな」
「……」
「それとも、四谷くん。もしかして、本当に脅しだって思ってる?」
そんな野蛮な人間だと思われているなんて、心外だなぁ。ほんのわずか、悲しそうに眉を寄せてみせてから、そっと言葉を継ぐ。
「でも、じゃあ、どうして相談しないの? もし、本当に、そう思ってるなら、相談したらいいと思うんだけど。違うかな。高藤くんはもう生徒会長なんだし、荻原くんだって、櫻寮の寮生委員なんだよね」
嘘、嘘。できるわけないよね。知ってる。じゃあ、なんで、脅されたのかって話になるものね。その話を、絶対にしたくないんだもんね。嫌われたくないから。実る可能性がゼロでも、好きな相手だから。本当に健気だなぁ。ベータってかわいそう。笑いそうになるのを堪えて、再び黙り込んだ相手に問い重ねていく。
「それに、ほら、櫻寮にはさ、頼りになる先輩がいるんじゃなかったっけ」
なんて。他意のひとつもない調子で水城は嘯いた。
「あれ、でも、そうだとすると、ちょっと変な気もしちゃうなぁ」
「変って、なにが」
乗らないことには話が終わらないと踏んだのか、四谷は渋々と話を促しにかかる。ああ、そういう、中途半端なところもらしいなぁ、と思う。いっそのこと、無視をしてもいいのに。まぁ、そんなふうに強気になんて、出ることもできないんだろうけど。
「ううん。これは、もし、本当に四谷くんが脅されてたらっていうたらればの話なんだけど」
そう。あくまでたらればの仮の話なんだけどね、と。水城は愛らしくほほえむ。
「もし、そうだったとしたら、三年生の先輩たちは、もうぜんぶ知ってるんじゃないのかなぁと思って。だって、あの人たち、知らないことはないらしいし」
すごい自信だよねぇ、と嘲る代わりに、ぽんと芝居がかった仕草で手を叩く。こういった動作が滑稽に映らないのは、ひとえに自分の見目が良いからだ。
どうすれば人の視線が自分に向くのかも、どうすれば人が自分に夢中になるのかも、あるいは、どうすれば、人が苛立つのかも。水城はすべてわかった上でやっている。
――だから、僕の目論見が失敗することなんて、絶対にないんだ。
だからね、と水城は笑顔で駄目を押した。自分の要望が通らないことなんて、ほとんどないと知っている。この場に関して言えば、百パーセントだ。
「四谷くんが勘違いで非難されたらかわいそうだなぁって心配になっちゃったんだ。四谷くんがこれからも仲良くしてくれるなら、本当は仲良しなこと、僕、これからもちゃんと秘密にする。だから、安心してくれたらうれしいな」
「……」
「それとも、四谷くん。もしかして、本当に脅しだって思ってる?」
そんな野蛮な人間だと思われているなんて、心外だなぁ。ほんのわずか、悲しそうに眉を寄せてみせてから、そっと言葉を継ぐ。
「でも、じゃあ、どうして相談しないの? もし、本当に、そう思ってるなら、相談したらいいと思うんだけど。違うかな。高藤くんはもう生徒会長なんだし、荻原くんだって、櫻寮の寮生委員なんだよね」
嘘、嘘。できるわけないよね。知ってる。じゃあ、なんで、脅されたのかって話になるものね。その話を、絶対にしたくないんだもんね。嫌われたくないから。実る可能性がゼロでも、好きな相手だから。本当に健気だなぁ。ベータってかわいそう。笑いそうになるのを堪えて、再び黙り込んだ相手に問い重ねていく。
「それに、ほら、櫻寮にはさ、頼りになる先輩がいるんじゃなかったっけ」
なんて。他意のひとつもない調子で水城は嘯いた。
「あれ、でも、そうだとすると、ちょっと変な気もしちゃうなぁ」
「変って、なにが」
乗らないことには話が終わらないと踏んだのか、四谷は渋々と話を促しにかかる。ああ、そういう、中途半端なところもらしいなぁ、と思う。いっそのこと、無視をしてもいいのに。まぁ、そんなふうに強気になんて、出ることもできないんだろうけど。
「ううん。これは、もし、本当に四谷くんが脅されてたらっていうたらればの話なんだけど」
そう。あくまでたらればの仮の話なんだけどね、と。水城は愛らしくほほえむ。
「もし、そうだったとしたら、三年生の先輩たちは、もうぜんぶ知ってるんじゃないのかなぁと思って。だって、あの人たち、知らないことはないらしいし」
すごい自信だよねぇ、と嘲る代わりに、ぽんと芝居がかった仕草で手を叩く。こういった動作が滑稽に映らないのは、ひとえに自分の見目が良いからだ。
どうすれば人の視線が自分に向くのかも、どうすれば人が自分に夢中になるのかも、あるいは、どうすれば、人が苛立つのかも。水城はすべてわかった上でやっている。
――だから、僕の目論見が失敗することなんて、絶対にないんだ。
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