27 / 52
好きになれない2
28
しおりを挟む
「メリークリスマス、ぴよちゃん」
つぼみの戸を引くなり、玄関先で出迎えてくれたのは凛音だった。めいっぱいの笑顔に、自然と日和の顔にも笑みが浮かぶ。
「おはよ、凛音ちゃん。メリークリスマス」
二日ほど過ぎてはいるけれど。いつもとは異なり、おしゃれ着と言って差し支えない白いワンピースを身に纏っていた。
「かわいいね、それ。もしかして、クリスマスプレゼント?」
「そう! さすが、ぴよちゃん、大正解。あきなんて、なにも言ってくれないんだもん」
「照れてるんだよ、きっと」
思春期の男子に褒め言葉を求めるのは少し酷な気がする。やんわりと擁護した日和に拗ねるでもなく、凛音はラッピングされた小袋を手渡した。手作りらしい不揃いなクッキー。
「日曜日に作ったの。これは、ぴよちゃんの分」
「ありがとう」
予想外のプレゼントに、自分も小さなお菓子でも用意しておくべきだったのかと悩んだが、凛音はお返しを求めているふうでもない。受け取った日和を満足そうに見つめている。
「みんなの分、頑張って作ったんだ。美味しくないかもしれないけど、ぴよちゃんも食べてね」
「ううん、きっと美味しいよ。ありがと」
和室からは既に恵麻と雪人の声が響いていた。今日はみんな、来るのが早い。
「土曜日がイブだったでしょ。それで、土曜日のカフェでね、クリスマスパーティーをやったんだ」
つぼみは月に一度、第四土曜日に近くの公民館を借りて、手作りのお菓子を販売する「カフェ」をしている。日和は顔を出したことはないが、女子生徒が中心となって頑張っていることは知っている。嬉しそうな凛音の顔は話したくてたまらないと書いてあって。日和は鞄を持ったまま、和室に足を踏み入れた。
「あ、ぴよちゃん、おはよう」
「おはよう、恵麻ちゃん、ゆきちゃんも」
暁斗と紺にも挨拶をして、あれ、と気配を探る。
「まきちゃんはお昼の買い物に行ったよ。すぐに日和も来るから大人しくしとけってさ」
「あ、そうなんだ」
相変わらずのひよこぶりと思われたのか、聞くまでもなく恵麻が答えを教えてくれた。
――いや、たしかに探したけど、それはスタッフとして当たり前というか。
聞かれてもいないのに、脳内で言い訳を重ねてしまった。話しかけてくる凛音の声に、慌ててコートと鞄を部屋の隅に置いて炬燵に入る。冬といえば、炬燵だ。十二月に入ったころに姿を現したこのアイテムに日和はいたく感動したのだった。つぼみは古い一軒家だからか隙間風が少々寒いのだ。特に玄関に近いこの部屋は。
「あのさ、ぴよちゃん」
「ん?」
少し音量の下がった凛音の声に、日和は顔を傾けた。凛音は内緒話をするように囁く。
「ぴよちゃんって、塩見さんの恋人なの?」
思わず、まじまじと凛音の顔を見つめてしまった。その瞳は、純粋に興味で煌いている。
「違うけど。なんでいきなりそんなことを思ったの?」
実際、それは事実だ。日和はあの数日後、たしかに断った。自分の問題ではあるけれど、そういった割り切る付き合いはできない、と。今はそういうことを考えている余裕もないから、あなたが望むようなことはできないだろう、と。
緊張していた日和が肩透かしを食らうくらい、彼女はいつもどおりだった。あっけらかんとした笑顔で「わかった」と応じた。そのはずだった。そのあとにゼミでも会ったけれど、塩見の態度は今までどおりだった。
「なんだ? 違うの?」
裏返って大きくなった凛音の声に、漫画を読んでいた恵麻と雪人が顔を上げる。
「違うって、カフェの塩見さんの話?」
雪人にまで当たり前の顔で口にされ、日和は土曜日になにがあったのかと頭を抱えたくなった。
――後腐れなく処理したと思ったのに。なんで、そんな噂になってんだ?
とは言え、相手は水原ではなく生徒だ。拗ねることも不貞腐れることもできない。日和は再度、「違うけど、なんで?」と繰り返した。
恵麻と雪人が迷うように視線を合わせているのを他所に、凛音がさらりと真相を告げる。
「土曜日にね、塩見さんがちょっとだけカフェに顔を出してくれたの。それで、そのときにすごくおしゃれしてたから、名波さんが『もしかして、このあとデート?』って聞いて。めぐちゃんが『もしかしてぴよちゃんさんですかぁ』って言ったら、塩見さんが『まぁ、そんなとこ』って笑って帰って行ったから」
「……めぐちゃんは、めちゃくちゃ焦ってたけどね。冗談のつもりだったのに、どうしよう、って。せっかく香穂子ちゃんが久しぶりに顔を出してくれてたのに、ちょっと落ち込んじゃってたし」
責める響きを帯びた恵麻の補足に、日和は「ごめんね」と眉を下げた。最近は保健室登校を始めた香穂子だが、つぼみをやめたわけではなく、週に一度ほど顔を出すことがある。
そういえば、と日和はひっそりと息を吐いた。冬休みになったら毎日来れるかもってこのあいだは嬉しそうだったのに。昼から現れるかもしれないが、今のところ、その姿は見えない。
「たぶん、塩見さんの、その、冗談だったんだと思うんだけど。ごめんね」
「ぴよちゃんが謝るようなことじゃないけどさ。違うなら、なおさら」
「うん、でも」
どういうべきだろうか。悩みながら慎重に言葉を選ぶ。苛々が零れ落ちてしまいそうだった。それだけはすべきではない。
教育者だ、なんて言うつもりはないけれど、ここにいるあいだの自分は、自堕落な大学生ではない。生徒たちが安心して過ごすことができるように努めるべきスタッフだ。
――それを、なんだよ。
思わせぶりな塩見の笑顔が一閃する。冗談にしても、やって良いものと悪いものがあるだろう。
「名前が出たなら、俺も関係あることだしさ。それで、嫌な思いさせてごめんね。せっかくのクリスマスパーティーだったのに」
「でも、あたし、本当だったら、美男美女でお似合いだねって言ってたんだよ。ついつい忘れちゃうけど、ぴよちゃん、お顔は格好良いもんね。うちのお母さんもね、キャンプの写真を見て、あら、この子、モデルさんみたいねって言ってたよ」
無邪気な凛音の言葉に曖昧に笑って、勉強を始めようかと声をかける。勉強部屋に各々の準備物を持って移動する生徒たちの後を追いながら、日和は苦虫を噛み潰した。
カフェは、優海を中心に女性スタッフで運営されている。とは言え、それがあったのが土曜日だ。
――耳に入ってないわけがないよな。
呆れられていないだろうか、と思ってしまって、そんな自分に既にして呆れた。
――いや、せめて、これ以上、マイナスに思われたくないって、考えるのは仕方ないだろ。
好きな人に嫌われたくないと思うのは、人間の性だ。
だって、結局。日和は思う。そう、結局。俺はあの人のことが好きで。あの人がなんとも思っていないと知っていても、この気持ちを変えられなかったのだから。
つぼみの戸を引くなり、玄関先で出迎えてくれたのは凛音だった。めいっぱいの笑顔に、自然と日和の顔にも笑みが浮かぶ。
「おはよ、凛音ちゃん。メリークリスマス」
二日ほど過ぎてはいるけれど。いつもとは異なり、おしゃれ着と言って差し支えない白いワンピースを身に纏っていた。
「かわいいね、それ。もしかして、クリスマスプレゼント?」
「そう! さすが、ぴよちゃん、大正解。あきなんて、なにも言ってくれないんだもん」
「照れてるんだよ、きっと」
思春期の男子に褒め言葉を求めるのは少し酷な気がする。やんわりと擁護した日和に拗ねるでもなく、凛音はラッピングされた小袋を手渡した。手作りらしい不揃いなクッキー。
「日曜日に作ったの。これは、ぴよちゃんの分」
「ありがとう」
予想外のプレゼントに、自分も小さなお菓子でも用意しておくべきだったのかと悩んだが、凛音はお返しを求めているふうでもない。受け取った日和を満足そうに見つめている。
「みんなの分、頑張って作ったんだ。美味しくないかもしれないけど、ぴよちゃんも食べてね」
「ううん、きっと美味しいよ。ありがと」
和室からは既に恵麻と雪人の声が響いていた。今日はみんな、来るのが早い。
「土曜日がイブだったでしょ。それで、土曜日のカフェでね、クリスマスパーティーをやったんだ」
つぼみは月に一度、第四土曜日に近くの公民館を借りて、手作りのお菓子を販売する「カフェ」をしている。日和は顔を出したことはないが、女子生徒が中心となって頑張っていることは知っている。嬉しそうな凛音の顔は話したくてたまらないと書いてあって。日和は鞄を持ったまま、和室に足を踏み入れた。
「あ、ぴよちゃん、おはよう」
「おはよう、恵麻ちゃん、ゆきちゃんも」
暁斗と紺にも挨拶をして、あれ、と気配を探る。
「まきちゃんはお昼の買い物に行ったよ。すぐに日和も来るから大人しくしとけってさ」
「あ、そうなんだ」
相変わらずのひよこぶりと思われたのか、聞くまでもなく恵麻が答えを教えてくれた。
――いや、たしかに探したけど、それはスタッフとして当たり前というか。
聞かれてもいないのに、脳内で言い訳を重ねてしまった。話しかけてくる凛音の声に、慌ててコートと鞄を部屋の隅に置いて炬燵に入る。冬といえば、炬燵だ。十二月に入ったころに姿を現したこのアイテムに日和はいたく感動したのだった。つぼみは古い一軒家だからか隙間風が少々寒いのだ。特に玄関に近いこの部屋は。
「あのさ、ぴよちゃん」
「ん?」
少し音量の下がった凛音の声に、日和は顔を傾けた。凛音は内緒話をするように囁く。
「ぴよちゃんって、塩見さんの恋人なの?」
思わず、まじまじと凛音の顔を見つめてしまった。その瞳は、純粋に興味で煌いている。
「違うけど。なんでいきなりそんなことを思ったの?」
実際、それは事実だ。日和はあの数日後、たしかに断った。自分の問題ではあるけれど、そういった割り切る付き合いはできない、と。今はそういうことを考えている余裕もないから、あなたが望むようなことはできないだろう、と。
緊張していた日和が肩透かしを食らうくらい、彼女はいつもどおりだった。あっけらかんとした笑顔で「わかった」と応じた。そのはずだった。そのあとにゼミでも会ったけれど、塩見の態度は今までどおりだった。
「なんだ? 違うの?」
裏返って大きくなった凛音の声に、漫画を読んでいた恵麻と雪人が顔を上げる。
「違うって、カフェの塩見さんの話?」
雪人にまで当たり前の顔で口にされ、日和は土曜日になにがあったのかと頭を抱えたくなった。
――後腐れなく処理したと思ったのに。なんで、そんな噂になってんだ?
とは言え、相手は水原ではなく生徒だ。拗ねることも不貞腐れることもできない。日和は再度、「違うけど、なんで?」と繰り返した。
恵麻と雪人が迷うように視線を合わせているのを他所に、凛音がさらりと真相を告げる。
「土曜日にね、塩見さんがちょっとだけカフェに顔を出してくれたの。それで、そのときにすごくおしゃれしてたから、名波さんが『もしかして、このあとデート?』って聞いて。めぐちゃんが『もしかしてぴよちゃんさんですかぁ』って言ったら、塩見さんが『まぁ、そんなとこ』って笑って帰って行ったから」
「……めぐちゃんは、めちゃくちゃ焦ってたけどね。冗談のつもりだったのに、どうしよう、って。せっかく香穂子ちゃんが久しぶりに顔を出してくれてたのに、ちょっと落ち込んじゃってたし」
責める響きを帯びた恵麻の補足に、日和は「ごめんね」と眉を下げた。最近は保健室登校を始めた香穂子だが、つぼみをやめたわけではなく、週に一度ほど顔を出すことがある。
そういえば、と日和はひっそりと息を吐いた。冬休みになったら毎日来れるかもってこのあいだは嬉しそうだったのに。昼から現れるかもしれないが、今のところ、その姿は見えない。
「たぶん、塩見さんの、その、冗談だったんだと思うんだけど。ごめんね」
「ぴよちゃんが謝るようなことじゃないけどさ。違うなら、なおさら」
「うん、でも」
どういうべきだろうか。悩みながら慎重に言葉を選ぶ。苛々が零れ落ちてしまいそうだった。それだけはすべきではない。
教育者だ、なんて言うつもりはないけれど、ここにいるあいだの自分は、自堕落な大学生ではない。生徒たちが安心して過ごすことができるように努めるべきスタッフだ。
――それを、なんだよ。
思わせぶりな塩見の笑顔が一閃する。冗談にしても、やって良いものと悪いものがあるだろう。
「名前が出たなら、俺も関係あることだしさ。それで、嫌な思いさせてごめんね。せっかくのクリスマスパーティーだったのに」
「でも、あたし、本当だったら、美男美女でお似合いだねって言ってたんだよ。ついつい忘れちゃうけど、ぴよちゃん、お顔は格好良いもんね。うちのお母さんもね、キャンプの写真を見て、あら、この子、モデルさんみたいねって言ってたよ」
無邪気な凛音の言葉に曖昧に笑って、勉強を始めようかと声をかける。勉強部屋に各々の準備物を持って移動する生徒たちの後を追いながら、日和は苦虫を噛み潰した。
カフェは、優海を中心に女性スタッフで運営されている。とは言え、それがあったのが土曜日だ。
――耳に入ってないわけがないよな。
呆れられていないだろうか、と思ってしまって、そんな自分に既にして呆れた。
――いや、せめて、これ以上、マイナスに思われたくないって、考えるのは仕方ないだろ。
好きな人に嫌われたくないと思うのは、人間の性だ。
だって、結局。日和は思う。そう、結局。俺はあの人のことが好きで。あの人がなんとも思っていないと知っていても、この気持ちを変えられなかったのだから。
10
あなたにおすすめの小説
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
【完結】取り柄は顔が良い事だけです
pino
BL
昔から顔だけは良い夏川伊吹は、高級デートクラブでバイトをするフリーター。25歳で美しい顔だけを頼りに様々な女性と仕事でデートを繰り返して何とか生計を立てている伊吹はたまに同性からもデートを申し込まれていた。お小遣い欲しさにいつも年上だけを相手にしていたけど、たまには若い子と触れ合って、ターゲット層を広げようと20歳の大学生とデートをする事に。
そこで出会った男に気に入られ、高額なプレゼントをされていい気になる伊吹だったが、相手は年下だしまだ学生だしと罪悪感を抱く。
そんな中もう一人の20歳の大学生の男からもデートを申し込まれ、更に同業でただの同僚だと思っていた23歳の男からも言い寄られて?
ノンケの伊吹と伊吹を落とそうと奮闘する三人の若者が巻き起こすラブコメディ!
BLです。
性的表現有り。
伊吹視点のお話になります。
題名に※が付いてるお話は他の登場人物の視点になります。
表紙は伊吹です。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
「普通を探した彼の二年間の物語」
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
すみっこぼっちとお日さま後輩のベタ褒め愛
虎ノ威きよひ
BL
「満点とっても、どうせ誰も褒めてくれない」
高校2年生の杉菜幸哉《すぎなゆきや》は、いつも一人で黙々と勉強している。
友だちゼロのすみっこぼっちだ。
どうせ自分なんて、と諦めて、鬱々とした日々を送っていた。
そんなある日、イケメンの後輩・椿海斗《つばきかいと》がいきなり声をかけてくる。
「幸哉先輩、いつも満点ですごいです!」
「努力してる幸哉先輩、かっこいいです!」
「俺、頑張りました! 褒めてください!」
笑顔で名前を呼ばれ、思いっきり抱きつかれ、褒められ、褒めさせられ。
最初は「何だこいつ……」としか思ってなかった幸哉だったが。
「頑張ってるね」「えらいね」と真正面から言われるたびに、心の奥がじんわり熱くなっていく。
――椿は、太陽みたいなやつだ。
お日さま後輩×すみっこぼっち先輩
褒め合いながら、恋をしていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる