49 / 52
好きになれない3
50
しおりを挟む
大学の図書館の一角で、目当ての教育委員会のサイトをリロードして、受験番号を探す。一次試験の合格発表はホームページ上で行われることが多いのだ。ゆっくりと目を動かして、ほっと表情を緩める。
――これで、どっちも一次は通った。
安心したのは事実なのに、どこかで喜びきれない。それの原因もわかっているので、日和は頭を抱えて突っ伏した。落ちたのか、あいつ。同情の視線が送られてきたが、もうなんでもいい。
――あれだけ水原に言われたのに、俺、結局、真木さんに一度も言ってない。
相談というかたちを取ることができた時期は、もう過ぎ去っている。いや、でも、と思う。真木さんも、俺になにも聞かなかったしなぁ。
興味なかったのかな。マイナス思考に陥りかけた頭を振って起き上がる。もう、ここまで来たら試験対策あるのみだ。
二次でどちらも落ちましたとなった日には、目も当てられない。言い聞かせてペンを握る。
――親には、言えたのにな。
地元も受けるけど、こっちも受ける。どっちも受かったら、地元には帰らないと思う。どこを受けるつもりなんだと聞かれたときに、日和はそう伝えた。父も母も寂しそうな顔はしてはいたけれど、日和自身が決めたことならと反対はしなかった。
おまえの人生だから、とも言われた。そうだと思う。それなのに。知らず溜息が零れ落ちていく。
言えない。なんて悩んでいる場合ではないこともわかっているのだけれど。
「そういえば、そろそろ一次の合格発表だったんじゃないの」
なんでもないことのように不意に問われて、日和は固まった。大学の前期試験が終わった、八月の頭だ。試験が終わったのをいいことに、真木の家に一週間ぶりに顔を出したのが、つい三十分ほど前のこと。
蒸し暑い夏の夜道をふらふらと自転車に乗ってやってきたが、この人の家は中に入っても決して涼しくはない。夜ならクーラーなしで問題ないだろうと、自然風に真木が頼っているからだ。
鈴虫なのかなんなのか。よくわからない虫の声を聞きながら、日和はぎこちなく頷いた。
「あ、はい。一応、受かりました。おかげさまで」
「おかげさまって、なにもしてないけど」
また真木の視線がパソコンに落ちる。キャンプの準備で通常の仕事が圧迫されているのか、暑さが増してきたころから真木は一段と忙しそうだ。
――手伝えるなら、手伝いたいけど。そもそも、俺、今年はキャンプにも行けないしな……。
二次試験の日程と被りそうだと自己申告した瞬間に、来るなと真木に留守番を命じられている。
「いや、あの。真木さんの家でもやらせてもらったんで。一人より集中できるので」
「雑音あるほうが集中できるタイプ?」
「そうかも。あの、それで」
「ん?」
「地元と、ここも、受かりました」
キーボートを打っていた音が止まる。
「日和、地元を専願で受けてたんじゃなかったのか」
非難されていると感じるのは、日和の心持ちの問題なのだろうか。つい、「併願の子も多いし」と言い訳を口にする。
「併願できる日程だったら、そんなもんか」
「え、……と。まぁ、そんな感じで」
「それで? どっちも受かったら、どうするの」
じっと見つめてくる視線に耐えかねそうになって、手のひらを握り込む。
「こっちに残ろうかなって思ってます、けど」
なにを言われるだろうか。心臓が脈打つ。けれど、真木は静かに一度瞬いただけだった。ふっと視線が手元に落ちて、上がる。
「日和は」
「……はい」
「なんで、教師になろうと思ったんだっけ」
説教されているようで胃が痛い。恋人ではなく、保護者の声。けれど、ここで逆切れをしてみたとしても、きっと話は進まない。観念して日和は口を開いた。何度も練り直した志望理由。
「身近な家族が教師なんで。漠然と俺もなるだろうと思ったまま、ここまで来たっていうのはありますけど」
「うん」
「主体的になりたいって考え出したのは、つぼみで真木さんやみんなと関わるようになってからだなって」
子どもたちとしっかりと向き合って成長させる真木の姿に、こんな先生になりたいと思っていた幼少期の夢を思い出したということもある。恵麻や雪人、凛音たちと接する中で、子どもたちと関わる仕事の意義や熱量を体感できたから、とも言える。
この場所で、この人たちに出逢って、そう思えるようになったことは事実だ。
「だから、場所はどこでもよくて。むしろ、つぼみのあるここがいいと思って」
嘘は言っていない。練り上げたはずの志望動機は、たどたどしい説明にしかなり得なかった。それでも、真木は余計な口は挟まなかった。聞き終わると、「そう」と小さく頷く。
良いも悪いもない、ただの相槌。
まただ。と思った。また、こうして、この人はなにも言ってくれないのか。反対されるよりもずっと堪えた。その痛みを誤魔化すように問いかける。
「真木さんは、どうしてつぼみで働こうと思ったんですか。教免も取ったんですよね」
「俺?」
どことなく億劫そうな声が応じる。
「教免を取ったのは、優海さんが取れるものは取っておけって言って引かなかったから、取っただけ」
「優海さんが……」
「つぼみが嫌になったときに、逃げ道がないとヤバいって思ってくれたんだろ。でも、俺は公教育そのものがあまり好きじゃなくて」
大学も教育学部だったけど学科は心理だったし。学校の先生になるつもりなんて一切なかったんだよ。でも、心理は大学を出ただけじゃ資格すら取れないしね。
淡々と続いたそれに、日和は小さく頷いた。もう、一年以上一緒にいたのに、こういったことを聞いたこともはじめてだった。
「俺は日和みたいないい子じゃなかったから。画一的な教育と反りが合わなかったクチなの。学校っていう箱が苦手だった。……まぁ、だから、同じように感じる子どもたちの受け皿をつくりたかったのかもしれない」
それは、この人の言う「普通」の枠組みから彼自身が外れていたからなのだろうか。
「なんてことも、最初は考えてたんだけど」
ふっと日和を見ようともしない横顔が笑う。
「いざ関わってみたら、かわいくて、かわいくて。その子たちが出ていっても、またべつの子たちが入ってくるし。その子たちがまたかわいくて。この子たちが過ごしやすい場所をって。そう思ってやってるうちに、ここまで来ちゃったんだよね。ただそれだけ」
「そうなんですか」
それ以外にどう言えばいいのかわからなかった。いかにもこの人らしいとは思ったけれど。
「それで、俺も正規スタッフになって今年で四年目。関わり出してからなら八年目になるんだけど」
「そんなに」
「そう。そんなに。それでも、優海さんにはよく怒られる」
あの人には敵う気がしないんだよなぁ。いつだったか羽山が言っていた言葉だ。自分が真木に影響を受けたように、真木も彼女に影響を受けて道を決めたのだろうか。容易いはずの想像は、けれど、うまくできなかった。
「子どもの今に寄り添うのもいいけど、それだけじゃなく、もっと将来に向けても考えてやれって」
将来。例えば、紺が通信制ではない全日制の公立高校に進学し、休まず通学を続けていること。恵麻と雪人が通信制の学校でレポートの提出に追われながらも頑張っていること。香穂子が、ちゃんと三月いっぱいでつぼみを卒業したこと。
例えば、俺が――学生でなくなること。
真木の視線が日和のほうをやっと向いた。静かなそれに嫌な予感が湧く。
「それで、俺は、ついでに日和の将来も考えてみたんだけど。おまえ、いつまでもこんなことをしていていいの」
こんなこと。こんなことってなんだ。言い草に、身体の芯が冷える。本当に自分が好かれているのかわからなくて不安で。けれどそれ以上に隣に居たくて。いつか不安がなくなればいいと願って。それでも、不安があっても、結局、隣に居れば幸せで。
その時間が「こんなこと」なのか。絞り出した声はかすかに震えていた。
――これで、どっちも一次は通った。
安心したのは事実なのに、どこかで喜びきれない。それの原因もわかっているので、日和は頭を抱えて突っ伏した。落ちたのか、あいつ。同情の視線が送られてきたが、もうなんでもいい。
――あれだけ水原に言われたのに、俺、結局、真木さんに一度も言ってない。
相談というかたちを取ることができた時期は、もう過ぎ去っている。いや、でも、と思う。真木さんも、俺になにも聞かなかったしなぁ。
興味なかったのかな。マイナス思考に陥りかけた頭を振って起き上がる。もう、ここまで来たら試験対策あるのみだ。
二次でどちらも落ちましたとなった日には、目も当てられない。言い聞かせてペンを握る。
――親には、言えたのにな。
地元も受けるけど、こっちも受ける。どっちも受かったら、地元には帰らないと思う。どこを受けるつもりなんだと聞かれたときに、日和はそう伝えた。父も母も寂しそうな顔はしてはいたけれど、日和自身が決めたことならと反対はしなかった。
おまえの人生だから、とも言われた。そうだと思う。それなのに。知らず溜息が零れ落ちていく。
言えない。なんて悩んでいる場合ではないこともわかっているのだけれど。
「そういえば、そろそろ一次の合格発表だったんじゃないの」
なんでもないことのように不意に問われて、日和は固まった。大学の前期試験が終わった、八月の頭だ。試験が終わったのをいいことに、真木の家に一週間ぶりに顔を出したのが、つい三十分ほど前のこと。
蒸し暑い夏の夜道をふらふらと自転車に乗ってやってきたが、この人の家は中に入っても決して涼しくはない。夜ならクーラーなしで問題ないだろうと、自然風に真木が頼っているからだ。
鈴虫なのかなんなのか。よくわからない虫の声を聞きながら、日和はぎこちなく頷いた。
「あ、はい。一応、受かりました。おかげさまで」
「おかげさまって、なにもしてないけど」
また真木の視線がパソコンに落ちる。キャンプの準備で通常の仕事が圧迫されているのか、暑さが増してきたころから真木は一段と忙しそうだ。
――手伝えるなら、手伝いたいけど。そもそも、俺、今年はキャンプにも行けないしな……。
二次試験の日程と被りそうだと自己申告した瞬間に、来るなと真木に留守番を命じられている。
「いや、あの。真木さんの家でもやらせてもらったんで。一人より集中できるので」
「雑音あるほうが集中できるタイプ?」
「そうかも。あの、それで」
「ん?」
「地元と、ここも、受かりました」
キーボートを打っていた音が止まる。
「日和、地元を専願で受けてたんじゃなかったのか」
非難されていると感じるのは、日和の心持ちの問題なのだろうか。つい、「併願の子も多いし」と言い訳を口にする。
「併願できる日程だったら、そんなもんか」
「え、……と。まぁ、そんな感じで」
「それで? どっちも受かったら、どうするの」
じっと見つめてくる視線に耐えかねそうになって、手のひらを握り込む。
「こっちに残ろうかなって思ってます、けど」
なにを言われるだろうか。心臓が脈打つ。けれど、真木は静かに一度瞬いただけだった。ふっと視線が手元に落ちて、上がる。
「日和は」
「……はい」
「なんで、教師になろうと思ったんだっけ」
説教されているようで胃が痛い。恋人ではなく、保護者の声。けれど、ここで逆切れをしてみたとしても、きっと話は進まない。観念して日和は口を開いた。何度も練り直した志望理由。
「身近な家族が教師なんで。漠然と俺もなるだろうと思ったまま、ここまで来たっていうのはありますけど」
「うん」
「主体的になりたいって考え出したのは、つぼみで真木さんやみんなと関わるようになってからだなって」
子どもたちとしっかりと向き合って成長させる真木の姿に、こんな先生になりたいと思っていた幼少期の夢を思い出したということもある。恵麻や雪人、凛音たちと接する中で、子どもたちと関わる仕事の意義や熱量を体感できたから、とも言える。
この場所で、この人たちに出逢って、そう思えるようになったことは事実だ。
「だから、場所はどこでもよくて。むしろ、つぼみのあるここがいいと思って」
嘘は言っていない。練り上げたはずの志望動機は、たどたどしい説明にしかなり得なかった。それでも、真木は余計な口は挟まなかった。聞き終わると、「そう」と小さく頷く。
良いも悪いもない、ただの相槌。
まただ。と思った。また、こうして、この人はなにも言ってくれないのか。反対されるよりもずっと堪えた。その痛みを誤魔化すように問いかける。
「真木さんは、どうしてつぼみで働こうと思ったんですか。教免も取ったんですよね」
「俺?」
どことなく億劫そうな声が応じる。
「教免を取ったのは、優海さんが取れるものは取っておけって言って引かなかったから、取っただけ」
「優海さんが……」
「つぼみが嫌になったときに、逃げ道がないとヤバいって思ってくれたんだろ。でも、俺は公教育そのものがあまり好きじゃなくて」
大学も教育学部だったけど学科は心理だったし。学校の先生になるつもりなんて一切なかったんだよ。でも、心理は大学を出ただけじゃ資格すら取れないしね。
淡々と続いたそれに、日和は小さく頷いた。もう、一年以上一緒にいたのに、こういったことを聞いたこともはじめてだった。
「俺は日和みたいないい子じゃなかったから。画一的な教育と反りが合わなかったクチなの。学校っていう箱が苦手だった。……まぁ、だから、同じように感じる子どもたちの受け皿をつくりたかったのかもしれない」
それは、この人の言う「普通」の枠組みから彼自身が外れていたからなのだろうか。
「なんてことも、最初は考えてたんだけど」
ふっと日和を見ようともしない横顔が笑う。
「いざ関わってみたら、かわいくて、かわいくて。その子たちが出ていっても、またべつの子たちが入ってくるし。その子たちがまたかわいくて。この子たちが過ごしやすい場所をって。そう思ってやってるうちに、ここまで来ちゃったんだよね。ただそれだけ」
「そうなんですか」
それ以外にどう言えばいいのかわからなかった。いかにもこの人らしいとは思ったけれど。
「それで、俺も正規スタッフになって今年で四年目。関わり出してからなら八年目になるんだけど」
「そんなに」
「そう。そんなに。それでも、優海さんにはよく怒られる」
あの人には敵う気がしないんだよなぁ。いつだったか羽山が言っていた言葉だ。自分が真木に影響を受けたように、真木も彼女に影響を受けて道を決めたのだろうか。容易いはずの想像は、けれど、うまくできなかった。
「子どもの今に寄り添うのもいいけど、それだけじゃなく、もっと将来に向けても考えてやれって」
将来。例えば、紺が通信制ではない全日制の公立高校に進学し、休まず通学を続けていること。恵麻と雪人が通信制の学校でレポートの提出に追われながらも頑張っていること。香穂子が、ちゃんと三月いっぱいでつぼみを卒業したこと。
例えば、俺が――学生でなくなること。
真木の視線が日和のほうをやっと向いた。静かなそれに嫌な予感が湧く。
「それで、俺は、ついでに日和の将来も考えてみたんだけど。おまえ、いつまでもこんなことをしていていいの」
こんなこと。こんなことってなんだ。言い草に、身体の芯が冷える。本当に自分が好かれているのかわからなくて不安で。けれどそれ以上に隣に居たくて。いつか不安がなくなればいいと願って。それでも、不安があっても、結局、隣に居れば幸せで。
その時間が「こんなこと」なのか。絞り出した声はかすかに震えていた。
15
あなたにおすすめの小説
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
【完結】取り柄は顔が良い事だけです
pino
BL
昔から顔だけは良い夏川伊吹は、高級デートクラブでバイトをするフリーター。25歳で美しい顔だけを頼りに様々な女性と仕事でデートを繰り返して何とか生計を立てている伊吹はたまに同性からもデートを申し込まれていた。お小遣い欲しさにいつも年上だけを相手にしていたけど、たまには若い子と触れ合って、ターゲット層を広げようと20歳の大学生とデートをする事に。
そこで出会った男に気に入られ、高額なプレゼントをされていい気になる伊吹だったが、相手は年下だしまだ学生だしと罪悪感を抱く。
そんな中もう一人の20歳の大学生の男からもデートを申し込まれ、更に同業でただの同僚だと思っていた23歳の男からも言い寄られて?
ノンケの伊吹と伊吹を落とそうと奮闘する三人の若者が巻き起こすラブコメディ!
BLです。
性的表現有り。
伊吹視点のお話になります。
題名に※が付いてるお話は他の登場人物の視点になります。
表紙は伊吹です。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
「普通を探した彼の二年間の物語」
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
すみっこぼっちとお日さま後輩のベタ褒め愛
虎ノ威きよひ
BL
「満点とっても、どうせ誰も褒めてくれない」
高校2年生の杉菜幸哉《すぎなゆきや》は、いつも一人で黙々と勉強している。
友だちゼロのすみっこぼっちだ。
どうせ自分なんて、と諦めて、鬱々とした日々を送っていた。
そんなある日、イケメンの後輩・椿海斗《つばきかいと》がいきなり声をかけてくる。
「幸哉先輩、いつも満点ですごいです!」
「努力してる幸哉先輩、かっこいいです!」
「俺、頑張りました! 褒めてください!」
笑顔で名前を呼ばれ、思いっきり抱きつかれ、褒められ、褒めさせられ。
最初は「何だこいつ……」としか思ってなかった幸哉だったが。
「頑張ってるね」「えらいね」と真正面から言われるたびに、心の奥がじんわり熱くなっていく。
――椿は、太陽みたいなやつだ。
お日さま後輩×すみっこぼっち先輩
褒め合いながら、恋をしていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる