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私の過去
ストーリー20
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一ヶ月が経ち、気がつくと暑い日が続く夏の季節になっていた。私もだいぶ仕事に慣れ、生活のリズムも出来てきた。
しばらくは高瀬さんとも会う事もなく、進藤さんがお酒を飲んで帰ってきても私に何かする訳でもない平凡な日々を過ごしている。
「今日は進藤さん、帰りが遅くなるって言ってたな」
夜は簡単にご飯を済ませて、部屋でのんびりと過ごす。そして日付が変わった頃、玄関のドアが開く音がした。
「お帰りなさい」
私はリビングへ行き、コップに水を入れ恐らく酔って帰ってきた進藤さんに渡す。
「いや、今日はもう少し飲むから付き合ってくれないか?」
進藤さんはソファーに座り、ネクタイを緩める。私はビールと簡単なツマミを用意して進藤さんの前に置いた。
「明日もお仕事なのに大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。怠い時は社長室で寝る」
そう言ってビールをグィッと飲む。私は笑いながらビールを一口飲んだ。
「そういや、あの元彼とはどうなった?」
「元彼? 義雄の事ですか? あれから一切連絡してませんけど」
進藤さんが珍しく積極的に話しかけてくる。結構酔ってるみたいだ。
「前にうやむやになった不感症の話……続きが気になるな」
「ふ、不感症って違いますから」
前に車の中で義雄にやらせなかったって話をした気がするけど覚えてたのか。進藤さんは笑みを浮かべてじぃっと私を見てくる。
「聞いても……つまんない話ですよ?」
話したくないと言えば、きっと進藤さんはそれ以上追求はしないだろう。けど昔話を交えつつ、私は自分の事を話してみる事にした。
さて、何から話をしようか。私はビールをグィッと飲み、勢いをつけて話を始める。
「少し昔話をしていいですか?……私、高校を卒業してすぐに家を出たんです」
「へぇ」
「勉強しろ、友達は選べ、彼氏を作るなんて言語道断だ……事あるごとに父に言われてました。おまけに門限もあってなかなか友達とも遊べなかった」
話しながら昔を思い出し、私は神妙な顔つきになる。
「なるほど。厳格な父というわけか」
「えぇ。最初は父の言いつけをきちんと守って良い子にしてたんですけど、高校に入ったくらいから何か可笑しいと思い始めてしまって」
私はグラスにビールを注ぎ、更にグィッと飲んで勢いをつけた。
「それでも我慢してた。でも、高三の時に初めて彼氏が出来たんです。私すっごく舞い上がって毎日が楽しくて」
進藤さんは私の長話に耳を傾けながら無言でビールを口にする。
「彼氏とは高校は別だったので会う時間が限られてました。門限さえなければ……そう思って父に門限を無くして欲しいとお願いしたんですけど、結果大ゲンカに発展しちゃって。私は泣きながら家を飛び出しました」
「門限はきついがお前の事が心配だったんじゃないか?」
「そうかもしれませんけど、高校生の私には理解できませんでした。家を飛び出した後、凄く彼氏に会いたくなって彼氏が行ってた塾の近くで待ち伏せしたんです。でも塾から出てきた彼氏の横には他の女性がいて、二人は手を繋いで歩き始めました。どう見てもカレカノって感じにしか見えなくて、私は彼氏の前に立ちどういう事か問いつめました」
昔を思い出してしまい、俯き気味に話す。
しばらくは高瀬さんとも会う事もなく、進藤さんがお酒を飲んで帰ってきても私に何かする訳でもない平凡な日々を過ごしている。
「今日は進藤さん、帰りが遅くなるって言ってたな」
夜は簡単にご飯を済ませて、部屋でのんびりと過ごす。そして日付が変わった頃、玄関のドアが開く音がした。
「お帰りなさい」
私はリビングへ行き、コップに水を入れ恐らく酔って帰ってきた進藤さんに渡す。
「いや、今日はもう少し飲むから付き合ってくれないか?」
進藤さんはソファーに座り、ネクタイを緩める。私はビールと簡単なツマミを用意して進藤さんの前に置いた。
「明日もお仕事なのに大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。怠い時は社長室で寝る」
そう言ってビールをグィッと飲む。私は笑いながらビールを一口飲んだ。
「そういや、あの元彼とはどうなった?」
「元彼? 義雄の事ですか? あれから一切連絡してませんけど」
進藤さんが珍しく積極的に話しかけてくる。結構酔ってるみたいだ。
「前にうやむやになった不感症の話……続きが気になるな」
「ふ、不感症って違いますから」
前に車の中で義雄にやらせなかったって話をした気がするけど覚えてたのか。進藤さんは笑みを浮かべてじぃっと私を見てくる。
「聞いても……つまんない話ですよ?」
話したくないと言えば、きっと進藤さんはそれ以上追求はしないだろう。けど昔話を交えつつ、私は自分の事を話してみる事にした。
さて、何から話をしようか。私はビールをグィッと飲み、勢いをつけて話を始める。
「少し昔話をしていいですか?……私、高校を卒業してすぐに家を出たんです」
「へぇ」
「勉強しろ、友達は選べ、彼氏を作るなんて言語道断だ……事あるごとに父に言われてました。おまけに門限もあってなかなか友達とも遊べなかった」
話しながら昔を思い出し、私は神妙な顔つきになる。
「なるほど。厳格な父というわけか」
「えぇ。最初は父の言いつけをきちんと守って良い子にしてたんですけど、高校に入ったくらいから何か可笑しいと思い始めてしまって」
私はグラスにビールを注ぎ、更にグィッと飲んで勢いをつけた。
「それでも我慢してた。でも、高三の時に初めて彼氏が出来たんです。私すっごく舞い上がって毎日が楽しくて」
進藤さんは私の長話に耳を傾けながら無言でビールを口にする。
「彼氏とは高校は別だったので会う時間が限られてました。門限さえなければ……そう思って父に門限を無くして欲しいとお願いしたんですけど、結果大ゲンカに発展しちゃって。私は泣きながら家を飛び出しました」
「門限はきついがお前の事が心配だったんじゃないか?」
「そうかもしれませんけど、高校生の私には理解できませんでした。家を飛び出した後、凄く彼氏に会いたくなって彼氏が行ってた塾の近くで待ち伏せしたんです。でも塾から出てきた彼氏の横には他の女性がいて、二人は手を繋いで歩き始めました。どう見てもカレカノって感じにしか見えなくて、私は彼氏の前に立ちどういう事か問いつめました」
昔を思い出してしまい、俯き気味に話す。
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