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まさかのWデート
ストーリー28
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「……というわけなんだ。ごめん、明日香ちゃん。巻き込んじゃって」
話終わった高瀬さんは、手を合わせごめんと謝ってきた。
「あ、でも明日香ちゃんが行けないって事にして断ればいいのか」
「お嬢様を甘く見るな。その時はナオトだけ連れて行かれるぞ。俺とお嬢様とお前の三人だ」
「ちょっマジか。それはもっと嫌だ。何が悲しくて休みの日にまで仕事モードでいなきゃいけないんだよ」
「諦めろ。それで、水沢はどうする?」
テンションだだ落ちの高瀬さんをよそに、進藤さんは私に聞いてきた。
「私は……」
何てタイムリーなんでしょう。さっきまで読んでいた雑誌に海特集があって楽しそうだなって思っていたところだった。
「私は、行ってみたいな……海」
「決まりだな」
こうして私達は海へ行く事になった。
「お前らの気が変わらないうちにお嬢様に連絡してくる」
進藤さんは自分の部屋へ行く。私は食事の後片付けをして、食後のコーヒーを入れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
高瀬さんはコーヒーを口にする。
「でも本当に良かったの? また俺の彼女やらないといけないよ?」
「あはは。ボロが出ないように頑張ります」
「何なら俺の本当の彼女になる?」
「えっ?」
高瀬さんはニッコリと私を見る。本気か冗談か分からないまま返事に困っていると、進藤さんがリビングに戻ってきた。何だか疲れたような表情をしている。
「お嬢様に連絡してきた。日時は来週の土曜日の朝八時頃、このマンションの前までお嬢様が車で迎えに来てくれるそうだ。高瀬、遅れるなよ」
「はいはい」
「あと、海の後は有栖川リゾートホテルに一泊するそうだ」
「一泊!?」
私と高瀬さんは声を揃えて驚く。進藤さんの表情からして進藤さんもあまり乗り気じゃないみたい。
「はぁ、分かったよ。じゃあ俺帰るわ。そういやさっきから気になってたんだけど、明日香ちゃん首の絆創膏どうしたの?」
「えっと……か、買い物から帰ってきたら虫に刺されちゃってたみたいで」
「 夏は気をつけなくちゃね。じゃあおやすみ」
キスマークを隠してますとは言えないし、上手く誤魔化せたかな。そして高瀬さんは帰っていった。
「へぇ、虫に刺されたのか。悪い虫もいるものだな」
高瀬さんが帰った後、進藤さんが笑みを浮かべてそう言った。
「悪い虫って……進藤さんの事でしょ!」
私は口には出さず、進藤さんを睨みながら心の中で叫んだ。
そして土曜日、今日は海へ行く日だ。
この日の為におNEWの水着を買った。海で遊ぶのは学生の頃以来なので、私はこの日を楽しみにしていた。
「準備は出来たか。外へ行くぞ」
「はい」
今日の私服の進藤さんもモデル並みに格好良い。イケメンって何でこんなにセンス良いんだろう。
待ち合わせより早めに外に出る。外は今日も雲ひとつない晴天の青空で日差しが眩しい。
影になっている箇所で待っていると、高瀬さんも早めにマンションの前にやってきた。
「おはよう。明日香ちゃん、今日は彼女役よろしくね」
「おはようございます。こちらこそよろしくお願いします」
そうか、今から私は高瀬さんの彼女……ちゃんと恋人っぽく出来るだろうか。
そんな事を考えていると、人目をひく一台の車……そう、黒く輝くリムジンがやってきた。
私達3人の前でリムジンは止まり、車の窓が開く。中には美玲さんがいた。
「皆様、おはようございます。さぁ乗って下さい」
美玲さんの横に進藤さん、そしてその二人の向かい側に私と高瀬さんが座る。
まさか人生の中でリムジンに乗る日が来るとは。正直、リムジンの乗り心地も分からないくらい私は緊張していた。
「社長、美玲さん、今日はお誘い頂きありがとうございます」
仕事モードのスイッチが入った高瀬さんが、丁寧に挨拶をする。私も一緒に頭を下げた。
「ふふ、私も今日は楽しみにしてましたのよ。よろしくお願いしますね」
相変わらずの華が飛ぶような笑顔。
それからリムジンはリゾートホテルへ向けて出発した。
話終わった高瀬さんは、手を合わせごめんと謝ってきた。
「あ、でも明日香ちゃんが行けないって事にして断ればいいのか」
「お嬢様を甘く見るな。その時はナオトだけ連れて行かれるぞ。俺とお嬢様とお前の三人だ」
「ちょっマジか。それはもっと嫌だ。何が悲しくて休みの日にまで仕事モードでいなきゃいけないんだよ」
「諦めろ。それで、水沢はどうする?」
テンションだだ落ちの高瀬さんをよそに、進藤さんは私に聞いてきた。
「私は……」
何てタイムリーなんでしょう。さっきまで読んでいた雑誌に海特集があって楽しそうだなって思っていたところだった。
「私は、行ってみたいな……海」
「決まりだな」
こうして私達は海へ行く事になった。
「お前らの気が変わらないうちにお嬢様に連絡してくる」
進藤さんは自分の部屋へ行く。私は食事の後片付けをして、食後のコーヒーを入れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
高瀬さんはコーヒーを口にする。
「でも本当に良かったの? また俺の彼女やらないといけないよ?」
「あはは。ボロが出ないように頑張ります」
「何なら俺の本当の彼女になる?」
「えっ?」
高瀬さんはニッコリと私を見る。本気か冗談か分からないまま返事に困っていると、進藤さんがリビングに戻ってきた。何だか疲れたような表情をしている。
「お嬢様に連絡してきた。日時は来週の土曜日の朝八時頃、このマンションの前までお嬢様が車で迎えに来てくれるそうだ。高瀬、遅れるなよ」
「はいはい」
「あと、海の後は有栖川リゾートホテルに一泊するそうだ」
「一泊!?」
私と高瀬さんは声を揃えて驚く。進藤さんの表情からして進藤さんもあまり乗り気じゃないみたい。
「はぁ、分かったよ。じゃあ俺帰るわ。そういやさっきから気になってたんだけど、明日香ちゃん首の絆創膏どうしたの?」
「えっと……か、買い物から帰ってきたら虫に刺されちゃってたみたいで」
「 夏は気をつけなくちゃね。じゃあおやすみ」
キスマークを隠してますとは言えないし、上手く誤魔化せたかな。そして高瀬さんは帰っていった。
「へぇ、虫に刺されたのか。悪い虫もいるものだな」
高瀬さんが帰った後、進藤さんが笑みを浮かべてそう言った。
「悪い虫って……進藤さんの事でしょ!」
私は口には出さず、進藤さんを睨みながら心の中で叫んだ。
そして土曜日、今日は海へ行く日だ。
この日の為におNEWの水着を買った。海で遊ぶのは学生の頃以来なので、私はこの日を楽しみにしていた。
「準備は出来たか。外へ行くぞ」
「はい」
今日の私服の進藤さんもモデル並みに格好良い。イケメンって何でこんなにセンス良いんだろう。
待ち合わせより早めに外に出る。外は今日も雲ひとつない晴天の青空で日差しが眩しい。
影になっている箇所で待っていると、高瀬さんも早めにマンションの前にやってきた。
「おはよう。明日香ちゃん、今日は彼女役よろしくね」
「おはようございます。こちらこそよろしくお願いします」
そうか、今から私は高瀬さんの彼女……ちゃんと恋人っぽく出来るだろうか。
そんな事を考えていると、人目をひく一台の車……そう、黒く輝くリムジンがやってきた。
私達3人の前でリムジンは止まり、車の窓が開く。中には美玲さんがいた。
「皆様、おはようございます。さぁ乗って下さい」
美玲さんの横に進藤さん、そしてその二人の向かい側に私と高瀬さんが座る。
まさか人生の中でリムジンに乗る日が来るとは。正直、リムジンの乗り心地も分からないくらい私は緊張していた。
「社長、美玲さん、今日はお誘い頂きありがとうございます」
仕事モードのスイッチが入った高瀬さんが、丁寧に挨拶をする。私も一緒に頭を下げた。
「ふふ、私も今日は楽しみにしてましたのよ。よろしくお願いしますね」
相変わらずの華が飛ぶような笑顔。
それからリムジンはリゾートホテルへ向けて出発した。
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