オメガスレイヤーズ ~カウント5~ 【究極の破妖師、最後の闘い】

草宗

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49、汚水

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「ゲヒ。ゲヒヒヒッ・・・逃げられた、と思ったかぁ~? ・・・オメガフェニックスぅ~・・・」

 突如、炎天使の横で、下水道を流れる汚水が派手に飛沫をあげる。
 
「なっ!!?」

 怒涛となって飛び掛かる、大量の汚水。
 視界いっぱいに広がった灰色の飛沫を見て、フェニックスは理解した。
 汚水と見えたものは、〝流塵”の呪露の肉体であった。
 
「・・・残念だったなぁ~・・・ここにあるヘドロは、全部オレの身体の一部みたいなものだぁ~・・・下水道に入ったときから、お前の死は決まっていたんだよぉ~ッ!! ・・・ゲヒヒヒッ!!」

 地下下水道にフェニックスが誘き出されたのは、ただ脱出が難しくなるためではなかった。
 この地はいわば、呪露にとってのホーム。ちょうどオメガセイレーンが水を周囲に置くように・・・呪露が己の能力を最大限に引き出せるのがこの場所なのだ。
 全てを凛香が察した時には、その深紅の全身は汚泥に包まれていた。
 高波にさらわれるように、中央の下水に引きずり込まれる。
 
 バッシャアアアッッ・・・ンン!!
 
「ゴボオ”っ!! ・・・ゴボボっ!! ・・・オボア”っ!!」

 汚水のなかを、暴れ悶えるオメガフェニックス。
 だが、ゆっくりと沈んでいく。〝オーヴ”によって四肢を封じられ、体力もオメガ粒子も限界まで疲弊したところで、汚泥の水流に呑まれたのだ。
 超人的な能力を誇るはずのオメガスレイヤーが、溺れる。
 水を操るオメガセイレーンと違い、フェニックスの水没はリアルだった。大企業の令嬢が、天才的格闘センスの持ち主が、汚泥のなかで溺れている。窒息に苦しみ、悶え暴れている。
 
 爆発のような轟音が、いくつも連続で、下水のなかから響いた。
 
 フェニックスを取り巻く呪露の身体が、炎天使を殴打しているのだ。何十、何百と殴りつける。
 オメガ粒子を消耗し、耐久力の弱まった凛香の肢体は、無数の打撃にボコボコと歪んでいく。
 
「っ・・・があ”っ!! ・・・あぐぅ”っ!! ・・・ぐぶっ・・・!!」

「ゲラゲラゲラ!! どうしたぁ~、オメガフェニックスぅ~! ・・・随分脆くなってきたなぁ~!」

 数分も一方的な殴打の音色が響き、やがて下水から大きな飛沫が宙に噴き上げた。
 ぐったりと脱力した炎天使が、ヘドロに覆われて、空中に固定される。
 仰向けの姿勢で、四肢も首も、だらりと垂らしている。空中でブリッジをしているようにも見えた。
 下水から伸びた4本の汚泥の柱が、手首と足首をガッチリと固定し、オメガフェニックスを支えていた。
 
「・・・あ”っ・・・ゴブッ・・・あがあ”っ・・・!!」

 パクパクと酸素を求めて開閉する口から、吐血の糸と飲み込んだドロとが垂れ落ちる。
 瞳を裏返し、ヒクヒクと炎天使は痙攣していた。切り札のオメガ粒子まで使い切ったフェニックスに、呪露の蹂躙を耐える力は残っていない。
 もはや指一本動かす力さえ、凛香には残っていない。
 
 ドドドドオオッ!! ドドドドッッ!!
 
 散弾銃のように。泥の飛礫が、下水の表面から無数に射出される。
 赤いケープを翻すフェニックスの背中に、灰色の銃弾が撃ち込まれる。嵐のようなヘドロの弾幕。
 
「うあああ”あ”っ!! うあああ”あ”っ~~~ッ!!!」

 ボロボロになった深紅のケープが、背中から千切れ、はらはらと舞った。
 フェニックスの赤いスーツは、背中が穴だらけになっていた。ボタボタと鮮血の雨がこぼれている。
 すでに勝負は、完全に決していた。
 これから始まるのは闘いではなく、呪露によるただの拷問だ。
 
「ゲヒヒヒッ!! こういうのはどうだぁ~!?」

 渦巻くヘドロの龍が、水面から飛び出すと、フェニックスの胸の『Ω』マークに着弾する。
 ギュルギュルと回転し、汚泥のドリルが炎天使を抉る。脆くなった深紅のスーツが破れ、破片が周囲に飛び散った。
 
「んああ”っ!! うぎゃああああ”あ”あ”ア”っ~~~ッ!!! ひぎィ”っ!! ち、力っ!! 力がぁ”っ~~ッ!! オメガ粒子っ、があ”っ~~っ!! 消えちゃうヨぉっ――ッ!!」

 ヘドロの竜巻が消えたとき、フェニックスの赤いスーツは、胸周辺が大きく破られていた。
 形のいいふたつの乳房が、外気に晒され濡れ光っている。
 凛香の胸中央には火傷の痕のような、黒焦げになった『Ω』の文字が浮き出ていた。勢いよく立ち昇る黒い煙が、いかにオメガフェニックスに死が迫っているかを、教えているようだ。
 
「いくぞ、翠蓮」

 遠目から泣き叫ぶ炎天使の惨状を見詰めながら、虎狼は低くつぶやいた。
 
「・・・虎狼さま」

「勝負はついた。オメガフェニックスは、呪露のヤツがアジトへ運ぼう」

 それ以上の言葉は出さず、〝無双”と〝輔星”は地下下水道の奥へと消えた。
 
「ゲヒッ、グフヒヒヒッ!! その揉み心地のよさげなオッパイ・・・遊んでくれるぞぉ~!」

 新たにふたつのヘドロの竜巻が、水面から立ち昇る。
 渦巻く汚泥は、Eカップの双乳をそれぞれ包む。ドロドロの汚水が美少女の乳房を摩擦し、固く尖った乳首を転がして弄ぶ。
 
「ふぎゃあ”っ!? いやああ”あ”ア”ア”っ――っ!! ち、乳首っ・・・!! ふ、触れないでぇっ~~っ!! おかしくっ、なっちゃう”っ!! そんな、ドロドロでぇ”っ・・・こね回さないでぇ”っ~~っ!!」

 フェニックスの叫びを無視し、ヘドロの竜巻は執拗に豊満な乳房を撫で回した。
 オメガ粒子の喪失による肉体の弱体化と、経験したことのない惨敗のショックに、凛香の心身は弱り切っている。超少女を支えてきた矜持は、砂の楼閣のように崩れ去っていた。
 
「オメガフェニックスぅ~・・・敗れたりぃ~ッ!!」

 下水の表面から、汚泥の柱が無数に飛び出す。
 ヘドロの触手が、グニュグニュと蠢くかのようだった。飢えた蛇が、鎌首をもたげたようにも見える。標的となる獲物は、宙に固定された深紅の炎天使。
 ブリッジ状態で浮いたオメガフェニックスに、灰色の蛇が群がった。
 
 ドジュウウッ!! ジュボオオッ!!
 
 まず口腔と、股間の陰唇とに泥の触手が潜り込む。
 そのまま奥へ奥へと、這いずり進む。咽喉を通過するヘドロの感触と腐臭とに、たまらず凛香の瞳に涙が浮かぶ。
 
「オオ”エ”えっ・・・!! ゴボオ”オ”っ!! グボオ”エ”エ”っ・・・!!」

 両耳に、鼻の穴にとヘドロが埋まる。
 残る灰色の触手も、フェニックスのグラマーボディを愛撫する。生温かな泥が乙女の肌を這い、ソフトに撫で上げる。過敏に反応する性感ポイントを探っては、ジュブジュブと汚泥を塗りつける。
 
「へああ”っ・・・へア”っ・・・!! ゴボア”っ・・・!!」

 アナルの穴にも、ヘドロの蛇は侵入していった。
 湿り気のあるゲル状物体が、美少女の肛門から遡上していく・・・直腸から大腸へと入り、さらに小腸へとヌルヌルの汚泥が満たす。
 
 叫びたくても、咽喉も口腔もヘドロに侵入されたフェニックスには、呻きしか洩らせなかった。
 
 汚水とヘドロに全身を愛撫され、穴という穴を凌辱されている。
 汚物に貫かれる、屈辱と嫌悪。しかし適度な軟らかさがもたらす、確かな肉欲の疼き。
 痙攣するオメガフェニックスの肢体が、ほのかにピンクに染まっていく。快楽に呑まれていく事実を、証明するかのように。
 
 グチュウウ・・・チュバアアッ・・・ブジュウウ・・・
 
 己を凌辱する淫靡な音色に、意識も定かでない凛香は官能を昂らせる。
 プライドを破壊された炎のオメガスレイヤーは、脆くなった理性を快楽でズブズブに蕩けさせていた。
 白目を剥いたまま、放心した表情が、フェニックスが凌辱の汚泥に呑まれたことを教えた。
 
「ゲヒヒヒッ!! トドメだぁ~・・・!! ここまでヘドロ漬けにされたら・・・快感で細胞がドロドロだろぉ~、フェニックスぅ~? ・・・」

 汚泥の水流から飛び出したのは、今度は触手ではなく、巨大な輪であった。
 ヘドロで出来た、カッターのリング。
 ギュイーーンン、と回転しながら、灰色のカッターが炎天使の股間に迫る。穴だらけになった、赤いショートパンツに。
 
 ブルブルと首を振るフェニックスを嘲笑うように、ヘドロ製のリングが股間の縦筋に沿って密着する。
 
 ジャリジャリジャリッ!! ジュバジュバッ!! ギャリギャリリィッ!!
 
「ア”っ!! ぐぎゃあ”ッ!! ウギャアアア”ア”ア”ア”ッ―――ッ!!!」

 オメガフェニックスの絶叫が、地下下水道に轟いた。
 ブシュッ、と噴出の音が響いて、回転するカッターから、透明な飛沫が飛び散る。泡の混ざった飛沫は、しばしの間、勢いよく飛び続けた。
 
 潮吹きが続いたのち、股間から噴き出す液体に、わずかな黄色が着きはじめる。
 愛蜜も、小水も、ヘドロのカッターはフェニックスの股間から噴き出させた。陰唇を軟らかなドロに摩擦され、幾度も繰り返し凛香は昇天する。
 
「ごぶぼおお”ッ!! おぼオ”ッ!! ごぼぼぼッ・・・!!」

 ぷしゅうううッ・・・ブシュッ・・・ぶっしゃああッ――ッ・・・!!
 
「ギャヒヒヒィッ――ッ!! 涙もッ!! 汗もッ!! ・・・あらゆる体液を・・・搾り尽くしてやるぞぉ~、オメガフェニックスぅ~ッ!!」

 高らかな呪露の嘲笑も、連続昇天に陥ったフェニックスに聞こえるはずもなかった。
 
 ひとり地下下水道に乗り込み、罠に嵌った紅蓮の炎天使は、その後一滴の体液も出なくなるまで、汚泥の凌辱を浴び続けた。
 約2時間に渡り、下水道に甲斐凛香の悲痛な嬌声は轟いた。
 
 瀕死のオメガフェニックスが、六道妖のアジトに連れ込まれたのは、それからすぐのことだった――。
 
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