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6 殿下 知っているならなんとかして下さい!
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「はぁーーーーー」
「ずいぶん大きなため息だねぇ~」
「ため息も出ますよ。」
「ペトラ スカーリン嬢の事かな?」
「わかっているなら、殿下の力でなんとかして下さい!」
「それが出来ると良いんだけどねぇ 僕が口を出しちゃうと ちょっと困った事になりそうだからねぇ」
放課後の生徒会室。
仕事をこなしながらついつい愚痴ってしまう。
カトリーヌに対する嫌がらせは現在進行系で、今も続いている。
カトリーヌに付いている侍女と護衛も頑張ってカトリーヌを守ろうとしてくれているが、あのペトラ スカーリン侯爵令嬢がそれを上回ってくるのだ。
いくら、学園内が身分無関係をうたっていても、そんなのはただの建前で、私はスカーリン侯爵令嬢に意見する事も出来ない。
ひたすら、逃げ回る事しか出来ない自分が情けない。
ずっと側にいる事が出来ない私では、カトリーヌを守りきる事が難しい。
ここは、貴族学園だけあって、生徒にも護衛、侍女、侍従を付ける事が許されている。
専任護衛ならずっとカトリーヌに付いていられる。
本当なら私が彼女に対する悪意の全てからカトリーヌを守りたいが、それは物理的に無理なので護衛の存在は大変ありがたい。
護衛の彼はオリバー ストック(30歳)
一男一女のお父さんで、娘を持つ彼は、カトリーヌに対する嫌がらせに非常に腹を立てている。
もしも自分の娘がこんな目にあったらと思うと、やるせないらしい。
彼のお陰で、直接的な嫌がらせは無くなったと聞いている。
それでもまだまだ嫌な噂はなくならない。
そして、カトリーヌの世話と、話し相手として側にいるのは、侍女のロティ マーベル(20歳)
彼女は騎士爵の次女で少しばかり体術を使える。その辺の女性には負けないメンタルの強さも持っている。
カトリーヌを妹のように大切に扱ってくれるステキなお姉さんだ。
✢✢✢
「はぁーーー」
また一つため息を付く。
「少し休憩にしませんか?」
アリシア先輩が、応接セットの方にお茶を用意してくれる。
彼女は アリシア ウォルガン公爵令嬢。
アリステア殿下の婚約者で生徒会の一員でもある。
「そうだね、エリオス。少し休憩しよう。」
そう言って、ソファーに殿下か移動する。
「アリシア先輩。ありがとうございます。」
そう言って、私は殿下の正面に座った。
アリシア先輩が入れてくれた紅茶の優しい香りが部屋を満たす。
「ありがとう アリシア。君も座ると良い。」
仲睦まじく、隣同士に座る二人が微笑ましい。
「ねぇ、アリシア 女性の君から見て、ペトラ嬢の事はどう思う?」
アリステア殿下がアリシア先輩を見つめながらそう問うと、アリシア先輩は少し考えて、ゆっくりと話し出した。
「そうですわね、とても可哀想な方だと思いますわ。」
「アリシア先輩は どうしてそう思われるんですか?」
あんな女に同情するなんて、ちょっと嫌な気がして、言葉に少しトゲが混じってしまう。
「彼女が絶対にエリオス様と結ばれる事が無いからですわ。」
手にしていたお茶を一口、コクリと飲んで 彼女は続ける。
「どんなに想っても、どんなに尽くしても、エリオス様に憎まれる事はあっても、愛される事は決して無いのですから。こうなってしまえばもう、友人にさえなれないでしょう。」
言われてみれば確かにそうだ。
どんなに好意を向けられたとしても、私の中のスカーリン侯爵令嬢は『敵』一択だ。
彼女とどうこうなるなど天が逆立ちしたってあり得ない。
「なるほど、アリシアの言う通りだね。で?エリオスはこれからどうするつもりなのかな?」
「どうするもなにも、ペトラ スカーリン侯爵令嬢は家格も上ですし、私からどうする事も出来ませんよ。せいぜい、カトリーヌにかかる嫌がらせから彼女を守る事しか出来ません。婚約してからもこんなに執着されるなんて、思っても見ませんでしたから 私の考えが甘かったです。何なんでしょうね?あのしつこさは?」
はぁーーーと 又一つ大きなため息をつく。
「まるで 悪役令嬢ですわね。」
アリシア先輩がポツリと呟いた。
ん?!悪役令嬢って前世で妹がやってた乙女ゲームで良く聞いたフレーズのような?…
「悪役令嬢か、アリシアは上手いこと言うね。」
そして、殿下が仕切り直すように続ける。
「まぁ、とにかくエリオスの学園生活も、もう2年切ってるしね、何とか卒業まで乗り切って? 卒業してしまえば、今度はスカーリン侯爵家が彼女の好きにはさせないでしよう。嫌がっても どこかの家に嫁ぐ事になるだろうからね。」
「2年… 長いです殿下…」
「はは…」
殿下の乾いた笑いが生徒会室に響いた。
「ずいぶん大きなため息だねぇ~」
「ため息も出ますよ。」
「ペトラ スカーリン嬢の事かな?」
「わかっているなら、殿下の力でなんとかして下さい!」
「それが出来ると良いんだけどねぇ 僕が口を出しちゃうと ちょっと困った事になりそうだからねぇ」
放課後の生徒会室。
仕事をこなしながらついつい愚痴ってしまう。
カトリーヌに対する嫌がらせは現在進行系で、今も続いている。
カトリーヌに付いている侍女と護衛も頑張ってカトリーヌを守ろうとしてくれているが、あのペトラ スカーリン侯爵令嬢がそれを上回ってくるのだ。
いくら、学園内が身分無関係をうたっていても、そんなのはただの建前で、私はスカーリン侯爵令嬢に意見する事も出来ない。
ひたすら、逃げ回る事しか出来ない自分が情けない。
ずっと側にいる事が出来ない私では、カトリーヌを守りきる事が難しい。
ここは、貴族学園だけあって、生徒にも護衛、侍女、侍従を付ける事が許されている。
専任護衛ならずっとカトリーヌに付いていられる。
本当なら私が彼女に対する悪意の全てからカトリーヌを守りたいが、それは物理的に無理なので護衛の存在は大変ありがたい。
護衛の彼はオリバー ストック(30歳)
一男一女のお父さんで、娘を持つ彼は、カトリーヌに対する嫌がらせに非常に腹を立てている。
もしも自分の娘がこんな目にあったらと思うと、やるせないらしい。
彼のお陰で、直接的な嫌がらせは無くなったと聞いている。
それでもまだまだ嫌な噂はなくならない。
そして、カトリーヌの世話と、話し相手として側にいるのは、侍女のロティ マーベル(20歳)
彼女は騎士爵の次女で少しばかり体術を使える。その辺の女性には負けないメンタルの強さも持っている。
カトリーヌを妹のように大切に扱ってくれるステキなお姉さんだ。
✢✢✢
「はぁーーー」
また一つため息を付く。
「少し休憩にしませんか?」
アリシア先輩が、応接セットの方にお茶を用意してくれる。
彼女は アリシア ウォルガン公爵令嬢。
アリステア殿下の婚約者で生徒会の一員でもある。
「そうだね、エリオス。少し休憩しよう。」
そう言って、ソファーに殿下か移動する。
「アリシア先輩。ありがとうございます。」
そう言って、私は殿下の正面に座った。
アリシア先輩が入れてくれた紅茶の優しい香りが部屋を満たす。
「ありがとう アリシア。君も座ると良い。」
仲睦まじく、隣同士に座る二人が微笑ましい。
「ねぇ、アリシア 女性の君から見て、ペトラ嬢の事はどう思う?」
アリステア殿下がアリシア先輩を見つめながらそう問うと、アリシア先輩は少し考えて、ゆっくりと話し出した。
「そうですわね、とても可哀想な方だと思いますわ。」
「アリシア先輩は どうしてそう思われるんですか?」
あんな女に同情するなんて、ちょっと嫌な気がして、言葉に少しトゲが混じってしまう。
「彼女が絶対にエリオス様と結ばれる事が無いからですわ。」
手にしていたお茶を一口、コクリと飲んで 彼女は続ける。
「どんなに想っても、どんなに尽くしても、エリオス様に憎まれる事はあっても、愛される事は決して無いのですから。こうなってしまえばもう、友人にさえなれないでしょう。」
言われてみれば確かにそうだ。
どんなに好意を向けられたとしても、私の中のスカーリン侯爵令嬢は『敵』一択だ。
彼女とどうこうなるなど天が逆立ちしたってあり得ない。
「なるほど、アリシアの言う通りだね。で?エリオスはこれからどうするつもりなのかな?」
「どうするもなにも、ペトラ スカーリン侯爵令嬢は家格も上ですし、私からどうする事も出来ませんよ。せいぜい、カトリーヌにかかる嫌がらせから彼女を守る事しか出来ません。婚約してからもこんなに執着されるなんて、思っても見ませんでしたから 私の考えが甘かったです。何なんでしょうね?あのしつこさは?」
はぁーーーと 又一つ大きなため息をつく。
「まるで 悪役令嬢ですわね。」
アリシア先輩がポツリと呟いた。
ん?!悪役令嬢って前世で妹がやってた乙女ゲームで良く聞いたフレーズのような?…
「悪役令嬢か、アリシアは上手いこと言うね。」
そして、殿下が仕切り直すように続ける。
「まぁ、とにかくエリオスの学園生活も、もう2年切ってるしね、何とか卒業まで乗り切って? 卒業してしまえば、今度はスカーリン侯爵家が彼女の好きにはさせないでしよう。嫌がっても どこかの家に嫁ぐ事になるだろうからね。」
「2年… 長いです殿下…」
「はは…」
殿下の乾いた笑いが生徒会室に響いた。
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