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本編

Intermission:さいあいのあなたへ

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 体育館には生徒が集まりつつある。
 牡丹は後方に並べられたパイプ椅子のひとつに座って、生徒総会が始まるのを待っていた。
 やがて、壇上に一人の生徒が現れる。

「静かに」

 低い声はマイクを通さなくてもよく通った。





 高校三年生の冬、牡丹の家族はばらばらになった。牡丹は自分を持てあました。駄々をこねて父母に復縁を願うほど子供でもなかったし、これが彼らの新しい門出であれば祝ってやろうと思えるほど大人でもなかった。
 ふらりと夜の街に出るようになった。最初は深夜営業の本屋や喫茶店で時間を潰す程度だったが、次第に時間は延び、牡丹は歓楽街をさまようようになった。
 くっきりとした顔立ちに、アイラインを強く引けば、それだけでもう高校生には見えなかった。
 夜の街は不思議だった。昼間よりも、誰もが喜怒哀楽を豊かにして、ピンボールの華やかに彩色された盤面を飛び交う銀玉みたいに、ぶつかったり弾け飛んだりする。

 その夜も、牡丹は夜の街をふらついていた。特に冷え込んで、雪の予報が出ていた。
 いつもなら、男達の誘いもいなす牡丹であったが、この夜は違った。
 街はクリスマスイブ、サンタクロースがそりに乗ってやってくる日。
 いつもなら一緒にケーキを切った妹のいない、明かりの消えた家。
 強引なナンパは断りきれなかったのか、それとも捨て鉢な気分がそうさせたのか、牡丹はスーツ姿の男にバーに連れ込まれた。
 相手の男は強か酔っていて、牡丹にべたべたと触り、酒臭い息を吹きかける。
 下卑た男の態度に吐き気がこみあげてくる。――でも、店に入った時点で、この席に座った時点で、同意したも同じじゃない。
 男はカウンターに札を放って、牡丹の腕を掴む。連れて行かれる。どこかへ。
 ふらりと立ち上がった牡丹の後ろから、甲高い声が響いたのはその時だった。

「あらぁ、一晩中なんて、あんたの息子もたないんじゃないのぉ? きゃはは」

 毛皮のコートを纏った女だった。五十がらみか、こってりと塗られた赤い唇がよく動く。

「そんなに自信があるなら、あたしがお相手して貰おうかしらぁ」

 揶揄されて、男が女に殴りかかる。牡丹は思わず目を閉じた。
 どしん、と足下が揺れて、牡丹のブーツの爪先が潰される。
 目を開ければ、しつこくしていた男が仰向けに倒れている。牡丹が訳もわからず怯えているうち、男は苦痛に呻きながら這々の体でバーを出て行った。

「やりすぎよぅ、隆嗣クぅン」
「相手が勝手に倒れただけですよ」

 ざらざらと擦れた息混じりの声がして、牡丹は目をこらした。
 女の横に影のように男が立っていた。上から下まで黒ずくめで、暗闇に溶けてしまったか、闇が化身したのか。細身ですらりとしていて、背はそれ程高くない。毛皮のボリュームから、見え隠れするナイフの刃みたいに佇んでいる。
 彼は牡丹を一瞥すると、興味なさそうに目を伏せて呟いた。

「……つまらないな」

 それが、牡丹と隆嗣の出会いだった。







 昼間の隆嗣は、品行方正そのものみたいな顔で、牡丹はそれが少しおかしい。
 ちょっと会わない間に、男の子はすぐに変わってしまう。
 特に、守るものが明白になった男の子は、一足飛びに男になってしまう。
 彼女が出会った時の隆嗣は、危うさが先に立って、吸い込まれそうな魅力を放っていた。
 今はどちらかと言えば……牡丹は周りを見回した。
 論理的で淀みない、聴衆を魅了する話術、目線の向け方、身振り手振りの使い方だって堂に入っている。トリックスター? 政治家? ひれ伏したくなるような魅力だ。







 クリスマスの不思議な出会い。
 峯子と名乗った女の店はバーの上、同じビルの二階にあった。
 牡丹は峯子に連れられて、彼女の店に入った。あの影のような男――隆嗣も一緒に。
 峯子の店は、常連達に酒を飲ませるだけで、雇っている女の子達はいない。

「クリスマスイブに仕事なんかしたくないわよぅ。だからねぇ、あの子を連れて、遊びに行ってたの」

 グランドピアノがフロアに置いてあって、あの子、と言われた隆嗣は、ピアノの椅子に座っていた。窓は夜にふさわしく分厚いカーテンで閉ざされており、峯子のかけた有線のジャズが流れる。
 峯子は冷蔵庫からグラタンを出してくると、オーブンで焼き始めた。
 チーズの焦げるいい匂いがしてきた頃、男がコートを羽織った。黒いロングコートに、黒いブーツ。細身に纏うと、一層引き締まる黒。

「峯子さん、僕はそろそろ帰ります」

 やはり彼の声は掠れている。レコードを針がひっかくみたいに。

「わかったわぁ、サンタさん、がんばってねぇ」

 隆嗣は、牡丹に軽く目礼して、彼女の横をすり抜けて店を出て行った。
 牡丹はそれから峯子お手製のグラタンをごちそうになった。食べ終わった時には、グラタンの温かさが、牡丹の手足にまで染み通っていた。

「牡丹ちゃんもぉ、またうちに遊びに来ていいからねぇ。あたしってさぁ、若い人が好きなのよぉ、若い人って、一緒にいるだけで楽しいじゃなぁい」

 峯子はやけに語尾を伸ばして、猫撫で声で話す。

「あの、さっきの男の人は」
「あぁ、隆嗣くぅん? あの子もねぇ、街で拾ったのぉ」
「サンタって……?」
「毎年サンタの役をやってるんですってぇ」

 彼は、誰にプレゼントを渡すのだろう。忍者か暗殺者みたいななりで、サンタクロースのふりをするのか。



 それから牡丹は、三日とあけずに峯子の店に通うようになった。
 隆嗣とも店で顔を合わせた。隆嗣は彼女を「牡丹さん」とざらついた声で呼んだ。
 隆嗣は茶色の目を細めて、猫のように笑う。非常に若く見える時もあれば、その逆もあって、とらえどころがなかった。総じて彼は投げやりで、気ままであるように見えた。細いけれど強いバネのある身体。店までの階段を駆け上がる背中。
 正統派の美形とはこういう顔立ちを言うのだろう。整った顔立ちに、長目の前髪を乱して、夜に尾をひたしている。
 女達が放っておかないはずはなかった。







 隆嗣は改正案の説明を終え、議長が意見を求める。
 女子生徒の半分くらいは、アイドルか何かをみているみたいに、きゃっきゃとしていて、牡丹にはほほえましい。
 この生徒総会が終われば、丁度、昼時だ。
 牡丹も空腹を覚えている。生徒達もそうだろう。
 大学生になってみると、高校生というのは随分と幼い。
 あのグラタンの滋味。峯子にはもう随分会っていないが、きっとまたグラタンを出してくれるのだろう。
 つらつらと振り返りながら、牡丹は挙手をした。立ち上がってマイクを握る。

「由井といいます。生徒会長経験者です。今回の校則改正についてですが……」

 援護射撃くらいはしてやろう。







 その日も、牡丹が峯子の店を訪れると、店にはすすり泣きが満ちていた。
 隆嗣が、シャツのボタンの外れた半裸で、ピアノの前の椅子に座っていた。ピアノの脚下に蹲って、女が泣いている。峯子は腰に手を当てて、ぷんぷん怒っていた。

「牡丹ちゃんも言ったげてぇ、この子ったら来るもの拒まずでさぁ、もぉ、ど修羅場ぁ」

 一方的に女が隆嗣に熱を上げて、隆嗣にすげなくあしらわれて、逆上したらしい。物騒なことに絨毯の上にはナイフが転がっていた。
 同意を求められても、牡丹は何と答えればいいかわからない。
 隆嗣のガラスみたいな目が向けられたのにどきっとして、

「……くだらないわね」

と、つとめてあっさりと聞こえるように答えた。隆嗣がこちらを見ている、そう思うとぞくぞくした。そうだ、たかが恋愛ごとに夢中になって、刃物を振り回すなんて、愚か者のすることだ、と示した自分が、とても大人に感じられた。

「もぉっ! 牡丹ちゃんったらぁ。あたしはこの子送ってくるから、二人で店番しててよねぇ」

 峯子は泣き伏していた女を立ち上がらせ、彼女を支えながら店を出て行った。
 牡丹は隆嗣と二人きりになる。

「……隆嗣くん、何があったの?」

 隆嗣はシャツのボタンを気だるげに止める。ボクサーみたいに引き締まった筋肉の隆起が、牡丹をいたたまれなくさせた。

「……何もないですよ」

 隆嗣はそっけなくそれだけ答えて、身体を支えるのも億劫そうに、ピアノに凭れた。
 牡丹ははらはらと隆嗣の顔色を窺ったが、何の動揺も浮かんでいない。瞳は冷たく乾いたままで、先程泣き崩れていた女のことは、全く彼の心を揺らしていないのだ。
 牡丹は沈黙に堪えられず次の話題を探した。できるだけ、今出て行った女のことに触れない話題を。

「……クリスマス、サンタになったの?」

 もう年が明けていて、去年のことを急に言い出した牡丹に、隆嗣は落ち着いたかすれ声で答えた。

「なりましたよ。……プレゼントを枕元に届けました」
「へぇ。私にもね、プレゼントを届けたい人がいたの」
「誰です?」
「……妹。今は離ればなれなんだけどね。私の大切な家族」

 それから牡丹は問わず語りに家族のことを話し出した。自分がやるせない思いを抱えて、夜をさまよっていたことを。
 隆嗣は時折頷きながら、牡丹の話を聞いていた。
 僅かに、隆嗣の瞳が色を濃くする。

「サンタの隆嗣くんは、誰にクリスマスプレゼントあげたの? 家族? ……それとも、恋人とか?」

 隆嗣は膝の上で指を組んだ。止め損ねたシャツのボタンから除く肌が艶めかしい。

「牡丹さん、君が妹を大事にしていることは、とてもいいことだと思います。誰だって、大切なものはありますから」
「ありがとう」
「では、もし、その大切なものに、裏切られたらどうします?」
「……え?」
「例えば、君の妹が、君を忘れて幸せになったら」

 それこそが、高校生の牡丹が一番恐れていたことだった。家族は壊れ、誰もが家族の形を忘れる。牡丹を忘れ、牡丹を置き去りにして、幸せになる。
 あんなに幸福だった時間の、思い出だけを牡丹に残して。
 隆嗣はざらざらした声で囁いた。

「家族だって、恋人だって、大した意味はない、そうでしょう? 牡丹さん」

 隆嗣は立ち上がって、絨毯に埋まったナイフを拾う。
 刃の煌めきの向こうで、隆嗣は猫のように微笑んだ。

「ああ、全く、くだらないですね」

 隆嗣の手の中でナイフは閃く。

「一度、狙いを定めたら、決して外しちゃいけない。ね?」

 ぞろぞろとわき上がった衝動を何と名付ければいいのだろう。灯台もない夜に漕ぎ出して、胸に育て続けたものの正体。
 誰にでも大切なものはある。牡丹は、大切なものを失い、心の中で、父の姿を塗りつぶし、母も塗りつぶし、妹も塗りつぶす。大切な妹。失われた家族。
 好きだから、傷つけそうになる。
 傷つけないためには、離れている方がいい。
 牡丹は隆嗣と視線を交わし、その瞬間、お互いの名付けられないままの衝動を垣間見た。いや、これは牡丹の思い込みかも知れない。
 けれど、それが、牡丹には救いの光に見えた。
 それくらい、夜は子供達に優しい。

 牡丹は唾を飲み込んで、唇の端をつり上げて、大人の笑いを作った。

「……隆嗣くんは、誰かを傷つけてしまいたいくらい、好きになったことあるの?」

 牡丹がそう言うと、彼は、かすれひきつれた笑い声を立てた。

「そんな怖いこと聞かないで下さいよ……本当に、壊してしまいたいくらいかわいいので」

 殊更にざらついた声に喜びを滲ませて、磁器のような頬にはにかみを浮かべた。
 牡丹が恋に落ちた瞬間だった。



 それから幾らも経たずに、牡丹は隆嗣に身を任せた。隆嗣に惹かれただけでなく、牡丹にとっては、自分の中の損なわれた何かを取り戻す行為でもあった。隆嗣にとっても、同志を慰めるような行為ではなかっただろうか。
 彼は優しかった。他の女にするよりも、牡丹には優しかったのだと信じたい。
 牡丹が処女だと知って、「いいんですか?」と聞いてくれた隆嗣。けれど、自分から奪ってはくれなかった隆嗣。牡丹から捧げたもの。隆嗣が受け取ったもの。隆嗣からは、返ってこなかったもの。

 ――彼が私のサンタならよかったのに。

 優しさは期待を誘う。望んだだけ優しくはしてくれる。でも、それだけ。
 彼にナイフを突きつけるよりも、きれいに去ることを選んだ。引き留めてくれないことも、わかっていた。彼は、また気まぐれな猫のように夜の街を歩いて行く。







 体育館のパイプ椅子の、安っぽい座り心地。
 かつての声変わり途中のざらざら声とはまるで違う、低くよく響く声に牡丹は耳を傾ける。
 彼の隣には、女の子が立っている。長い黒髪に小さな顔、くるくると変わる表情は魅力的で愛らしい。

 ――確かに、かわいくてたまらないよね。

 清羅の真っ直ぐさ、純粋さは、牡丹にとっても、愛しい。
 隆嗣の持ったナイフの刃、銀色の閃きが、清羅の胸に吸い込まれる。彼女の胸には花が咲くだろう。隆嗣によって立てられた刃は、彼女を滅茶苦茶にする。乙女であった彼女を苗床にして、咲く花の色。
 牡丹は咲くことのなく終わった花の色を思い浮かべる。白、赤、黄、青、紫、けれど、浮かんでくるのは、かつての彼が纏っていた夜の色だけ。
 あの夜に、時間が巻き戻って、繰り返し、刹那の快楽に溺れていられればいいのに。
 そうしたら、彼を恋しいとも、彼女を憎いとも、思わずに済んだはずだ。
 一番大切で簡単な言葉を、一度も、口にして伝えることはできなかった。でも、会えて良かった。また会えて良かった。
 あの時と同じ笑顔で、隆嗣が清羅を見つめる。はにかんだ、少年みたいな笑顔。

 ――好きだったよ。隆嗣くん。

 ピリオドは、間近。


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