上 下
1 / 10

第一話 近所のカフェ

しおりを挟む
ある日、妻からお気に入りのカフェを見つけたから、一緒に行こうよと誘われた。

「居心地がよくて、メニューもどれも美味しいし、それに店長さんと話が合うの」

妻の春奈はるなはいつになく楽しそうだ。

「カフェの中で手作りのコスメも売っててね。シャンプーとかリップとか」
「ふーん」

俺は正直あまり興味が持てなかった。手作りコスメと普通のと、違いがよく分からない。

「店長さんは女の人でね、東京から引っ越してきて、夫婦でお店を開いたんだって」
「へえ、東京からわざわざ」
「ね、今度七都ななとも一緒に行ってみようよ」

あまりに妻が催促するので、俺は結局うんと答えた。

子供が生まれて以来、専業主婦の妻に育児を任せっぱなしだった。
そんな妻が、お気に入りのカフェに一緒に行こうというのだ、それくらいの家族サービスはしてやるべきだ。

その時の俺は、まさかその後あんなことが自分の身に起こるとは思うはずもなく、単純にそう考えていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

弱みを握られた僕が、毎日女装して男に奉仕する話

BL / 完結 24h.ポイント:418pt お気に入り:10

だから女装はしたくない

BL / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:5

【完結】疲れ果てた水の巫子、隣国王子のエモノになる

BL / 完結 24h.ポイント:674pt お気に入り:4,686

女装人間

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:205pt お気に入り:12

気づいたら転生悪役令嬢だったので、メイドにお仕置きしてもらいます!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:291pt お気に入り:6

処理中です...