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第二シリーズ
001 同性
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「う~ん……誰も来ないな~」
とある駅前のロータリー。
改札から電車に乗るのも迎えに来た車に乗り込むのも容易な距離の場所に、金髪の少女、リナが腕を組んで突っ立っていた。
今日は新しい客、援助交際の相手を待つために、(援交少女の間では)待ち合わせによく使われている場所を指定して待っているのだが、リナに話しかける人間は一人もいない。
「そろそろピアス以外の目印考えた方がいっかな~」
苦笑しつつも、このままでは時間の無駄だ。今日はもう帰ろうかな、という時に、リナに声を掛ける人間がいた。
「……あれ、リナちゃん?」
「ん?」
話しかけられたので、リナは声のした方に振り返った。
そこにいたのは三十代前半位の、バリバリのキャリアウーマンだった。大きめの鞄を持つ彼女の身体はグレイカラーのスカートスーツに包まれ、髪もゆるくウェーブをかけている。しかし、リナの知り合いにこんな人はいない。
「えっと……」
「ほら、私よ。『カオル』よ」
誰か分からずにに言いよどむリナに、カオルと名乗った女性は答えた。それだけで、リナはこの人の正体にいきついた。
「……あっカオルさんですか。お久しぶりで~す!」
「相変わらず元気ね、リナちゃん。良かったらこれからお茶しない?」
「いいですね~行きましょ行きましょっ」
カオルに連れられながら、リナは駅から去り、少し離れたファミレスへと入っていった。
「いやぁ、女性のお客さんなんて久しぶりだから、驚いちゃいましたよ~」
「ごめんなさいね。本当は誘った時に言おうと思ってたんだけど、嫌がられたらと思うとどうしてもね」
ドリンクバーを注文し、それぞれドリンクに口を付けながら話す二人。
実際、カオルという女性はリナの知り合いでも何でもなかった。彼女はリナの、今日の『援助交際の相手』というだけだったのだ。
「それで、今日はお願いできるかしら?」
「全然大丈夫ですよ~何回か経験もありますし」
その言葉に嘘はない。
とは言っても、大抵は大学生のカップル客のレズプレイのお相手だったり、危ない関係に憧れる中高生だったりで、大人の女性が相手をするのは、リナにとって今回は初めてだったりする。
タチっぽいことはできても、ネコだとマグロになりかねない。
注:リナ解釈でタチは女性カップルの男役、ネコは女性カップルの女役、そしてマグロは性行為中もただ寝てるだけのナマケモノのことです。
さてどうしたものかと、リナはいつもやっている要望調査に乗り出した。
「そんじゃまず、カオルさんの要望とか病気の心配とか聞いちゃいましょうか?」
「そうね……あ、先に言っておくけど病気とかはないから心配しないで」
(……うん。嘘はない、っと)
リナには、不思議な特技があった。
本人はその理屈を理解していないが、相手の嘘や心理状態、体調等がほぼ確実に分かるのだ。リナにとっては勘が鋭い、という認識でしかないが、危険を回避する上では便利なので、仕事前は常にこれでチェックしていた。
「要望としては、その……なんでもいいのかしら?」
「出来ることだけでお願いしま~す。ワタシも人間なんで」
明るく返すリナだが、カオルの方は怯えつつで要望を伝えられそうにない。
(まあ、よくあるけどね~自分が普通と違うだけでハブられたり、それを嫌がったりするのって)
客も目の前にいるし、別に焦る必要もない。同性である以上、知り合い同士が偶々来たという風にしか映っていないだろう。この辺りは常識に万歳かなぁ、とリナは内心喝采していたが、当のカオルはそれに気づいた様子すらない。
「おっ、お金は出せるわ。なんなら多めに出してもいいし……だから」
「だから?」
可愛く首を傾げるリナ。男なら即落ちだろうが、相手は女性だ。単に自分の容姿が相手の好みか把握するだけの仕草だが、どうやら当たりらしい。顔がさらに赤みがかっていた。
「その……痴漢させてくれない?」
「はい?」
一瞬、リナは呆けてしまったが、カオルは話を最後まで聞いてくれると勘違いしたのか、次々と自らの欲望をまくしたて始めた。
「それでね、痴漢したことをネタに私を脅してほしいの。家に乗り込んで、縛りつけてからの逆痴漢、それから『卑しい豚め』って罵りながら鞭を打って、『これは何だ?』っておもちゃを見つけて悪戯、最後は○○○○○で私を犯してほしいの。他にも……」
「すっ、ストップストップ!!」
流石にいきすぎだと、リナは手の平をかざしてカオルを止めた。
とある駅前のロータリー。
改札から電車に乗るのも迎えに来た車に乗り込むのも容易な距離の場所に、金髪の少女、リナが腕を組んで突っ立っていた。
今日は新しい客、援助交際の相手を待つために、(援交少女の間では)待ち合わせによく使われている場所を指定して待っているのだが、リナに話しかける人間は一人もいない。
「そろそろピアス以外の目印考えた方がいっかな~」
苦笑しつつも、このままでは時間の無駄だ。今日はもう帰ろうかな、という時に、リナに声を掛ける人間がいた。
「……あれ、リナちゃん?」
「ん?」
話しかけられたので、リナは声のした方に振り返った。
そこにいたのは三十代前半位の、バリバリのキャリアウーマンだった。大きめの鞄を持つ彼女の身体はグレイカラーのスカートスーツに包まれ、髪もゆるくウェーブをかけている。しかし、リナの知り合いにこんな人はいない。
「えっと……」
「ほら、私よ。『カオル』よ」
誰か分からずにに言いよどむリナに、カオルと名乗った女性は答えた。それだけで、リナはこの人の正体にいきついた。
「……あっカオルさんですか。お久しぶりで~す!」
「相変わらず元気ね、リナちゃん。良かったらこれからお茶しない?」
「いいですね~行きましょ行きましょっ」
カオルに連れられながら、リナは駅から去り、少し離れたファミレスへと入っていった。
「いやぁ、女性のお客さんなんて久しぶりだから、驚いちゃいましたよ~」
「ごめんなさいね。本当は誘った時に言おうと思ってたんだけど、嫌がられたらと思うとどうしてもね」
ドリンクバーを注文し、それぞれドリンクに口を付けながら話す二人。
実際、カオルという女性はリナの知り合いでも何でもなかった。彼女はリナの、今日の『援助交際の相手』というだけだったのだ。
「それで、今日はお願いできるかしら?」
「全然大丈夫ですよ~何回か経験もありますし」
その言葉に嘘はない。
とは言っても、大抵は大学生のカップル客のレズプレイのお相手だったり、危ない関係に憧れる中高生だったりで、大人の女性が相手をするのは、リナにとって今回は初めてだったりする。
タチっぽいことはできても、ネコだとマグロになりかねない。
注:リナ解釈でタチは女性カップルの男役、ネコは女性カップルの女役、そしてマグロは性行為中もただ寝てるだけのナマケモノのことです。
さてどうしたものかと、リナはいつもやっている要望調査に乗り出した。
「そんじゃまず、カオルさんの要望とか病気の心配とか聞いちゃいましょうか?」
「そうね……あ、先に言っておくけど病気とかはないから心配しないで」
(……うん。嘘はない、っと)
リナには、不思議な特技があった。
本人はその理屈を理解していないが、相手の嘘や心理状態、体調等がほぼ確実に分かるのだ。リナにとっては勘が鋭い、という認識でしかないが、危険を回避する上では便利なので、仕事前は常にこれでチェックしていた。
「要望としては、その……なんでもいいのかしら?」
「出来ることだけでお願いしま~す。ワタシも人間なんで」
明るく返すリナだが、カオルの方は怯えつつで要望を伝えられそうにない。
(まあ、よくあるけどね~自分が普通と違うだけでハブられたり、それを嫌がったりするのって)
客も目の前にいるし、別に焦る必要もない。同性である以上、知り合い同士が偶々来たという風にしか映っていないだろう。この辺りは常識に万歳かなぁ、とリナは内心喝采していたが、当のカオルはそれに気づいた様子すらない。
「おっ、お金は出せるわ。なんなら多めに出してもいいし……だから」
「だから?」
可愛く首を傾げるリナ。男なら即落ちだろうが、相手は女性だ。単に自分の容姿が相手の好みか把握するだけの仕草だが、どうやら当たりらしい。顔がさらに赤みがかっていた。
「その……痴漢させてくれない?」
「はい?」
一瞬、リナは呆けてしまったが、カオルは話を最後まで聞いてくれると勘違いしたのか、次々と自らの欲望をまくしたて始めた。
「それでね、痴漢したことをネタに私を脅してほしいの。家に乗り込んで、縛りつけてからの逆痴漢、それから『卑しい豚め』って罵りながら鞭を打って、『これは何だ?』っておもちゃを見つけて悪戯、最後は○○○○○で私を犯してほしいの。他にも……」
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