【R15】援交少女、ホームレスを飼う

桐生彩音

文字の大きさ
16 / 60
第二シリーズ

002 まとめ

しおりを挟む
「ええとつまり、まとめると……カオルさんは痴漢されたワタシに脅された形で家の場所を話し、そこで徹底的に調教して欲しいと」
「そう、男はなしで!」
「……いや、ワタシ女」
 M男や童貞とも仕事したことのあるリナだが、流石にここまでの要望はなかった。精々が言葉攻めした上で、上位に立って性交しただけのこと。ここまでやったことはない。
 自分を差した指でそのまま頬を掻き、どうしたものかとリナは悩まし気に唸った。
「う~ん……それは別にいいんですけど、ワタシ言葉攻めしかしたことないんですよね~」
「別にいいわよ。加減なしでしてくれても。むしろ歓迎するわ」
「あ、あはは……」
 もはや、リナの口からは苦笑いしか漏れなかった。客の家で身体は売ったこともあるが、流石にそんな要望で行ったことはない。
 しかも痴漢なんて、どこで受けろっていうんだおい。
 内心毒づくも、リナにとってカオルは大事なお客、しかもお金ならいくらでも出すというのだ。だったら少し吹っかけてでも、要望通りに働いて稼いだ方がいいかもしれない。
(そういえば、クロって着たきりだった気がするな~)
 家で大人しく待っているペットの青年の服装を思い出すくらいには、リナは冷静になれた。なら後は、仕事あるのみ。
(……よし、今日のお金でクロに服を買ってあげよう)
「分かりました。痴漢する場所はどうします?」
「電車、と言いたいけれど最近は警察もうるさいから別の場所にしましょう。車を止めてあるから、その近くでいいかしら?」
「……まあ、いいですよ」
 これは仕事、これは仕事、と心の中で繰り返し、リナはカオルと連れ立ってファミレスを後にした。
「何なら私が通りがかったあなたに襲い掛かるシチュエーションでもいいわ。存分に愉しみましょう」
(……いざとなったら銃を抜こう)
 これ、本当に大丈夫か、とリナは不安になったが、零れたミルクは戻らない。もうどうしようもないのであった。
「……ところで家って近くなんですか?」
「二駅隣よ。線路も近いから、駅の場所もすぐわかるから安心して」
(いやできないから)
 いざとなれば仕事相手から逃げ出してきたリナだからこそ分かる。
 駅の場所が分かりやすいということは、そこに逃げ込めと教えているようなものだ。むしろ駅から離れて流れのタクシーを拾った方が逃げ切れる可能性が高い。
「ほら、早くいきましょ」
「は~い……あ、そういえば」
 ふと浮かんだ疑問を、リナは口にした。



「痴漢の漢って、『男』って意味ですよね。女の痴漢って、なんていうんでしょうね?」
「さぁ……昔、電車で痴女が出たって聞いたことはあるけれど、それだと女版の変質者と変わらないし……『痴姦』とか?」
「いや、漢字分からないですから……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...